
『報ステ』に移った大越健介キャスター(2010年撮影)
10月4日の投開票が迫る自民党総裁選。連日、5人の候補者による激戦が繰り広げられている。
「各報道機関が、終盤に向けて世論調査を実施しました。一般有権者と自民党員では調査結果に温度差がありますが、構図としては小泉進次郎氏と高市早苗氏の決選投票で決着がつきそうな雲行きです」(政治担当記者)
そうしたなか、9月29日に『報道ステーション』(テレビ朝日系)が報じた「世論調査結果」に、SNSで批判が相次いでいる。報ステの調査に何があったのか。
「インターネット配信の『ANNnewsCH』は、同日の放送内容を報じています。それによると、『次の総裁は誰がよいか』という質問に対して、《小泉氏33%、高市氏31%と2人が競り、その後を林氏が追っています》とし、自民党支持層に限ると、小泉氏41%、高市氏24%と大きく差がついていると詳報しています。
さらに、この世論調査をもとに単純計算した場合、《党員票は小泉氏121、高市氏71、林氏47、茂木氏12、小林氏9。これに、国会議員票についての取材結果を合わせると、小泉氏は200票を上回ります。そして、態度を決めていない議員もいるなか、高市氏が120票近く、林氏が110票近くと競る展開です》という内容で、特段、炎上するような表現はなかったのです。ただ、炎上には布石があったのです」(政治担当記者)
それが、9月23日の『報道ステーション』での、大越健介キャスターの「偏向報道」批判だ。
「その日は、自民党総裁選の候補者討論会がおこなわれたのですが、大越キャスターの進行が、高市さんに対しては持ち時間を絞り、その一方、小泉さんに対しては発言機会を多めに振るなど、優遇しているように受け止められたのです。そのため、『偏向報道』と指摘されたのです」(前出・政治担当記者)
その影響が残っていたのだろうか。29日の世論調査報道について、Xでは、
《こんなもん世論誘導調査やし、調査にもならん》
《報道ステーションは高市氏潰しに奔走》
《報道ステーション見てたけど、総裁選のニュースだけあまりにも胡散臭くて》
など、批判のポストが数多く寄せられてしまったのだ。
「討論会での大越キャスターの対応が意図的なものだったかどうかはわかりません。しかし、一度でも『偏向報道』といったイメージを持たれると、視聴者からそれ以降も色眼鏡で見られるようになるのが、公平さが求めれる報道番組の難しいところです」(前出の政治担当記者)
イメージを払拭するには、まだしばらく時間がかかりそうだ。