
SIAM SHADE(ソニーミュージックオフィシャルサイトより)
グッズなど諸経費の管理を
9月29日、『デイリー新潮』が1990年代に活躍した人気バンド「SIAM SHADE」の内紛について報道。メンバーのひとりが残りの4人を提訴、計38曲の楽曲の演奏と「SIAM SHADE」名義での活動差し止めを求めていると報じた。
「記事の中では提訴した側であるギタリストのDAITAさんが取材に答えています。DAITAさんはバンドのメインソングライターであり、解散後は氷室京介のツアーギタリストとして活躍した凄腕。2013年には全米デビューもしています。訴状が提出されたのは8月27日、原告はDAITAさんで、被告はバンドリーダーでベースのNATCHINさん、ボーカルの栄喜(ひでき)さん、ギター&ボーカルのKAZUMAさん、ドラムの淳士(じゅんじ)さんの4人です。DAITAさんの主張は、自分を外して新メンバーを入れ、SIAM SHADEの活動と誤認しかねない形でライブを行っていることへの抗議だそう。実際、バンドの内紛は2018年から続いていますからね。かなり深刻な事態になったというわけです」(音楽サイト記者)
そもそもSIAM SHADEは2002年初頭に解散しているのだが、その後もたびたび再結成をおこなっていた。2011年には東日本大震災が発生、SIAM SHADEは限定復活し復興支援ライブをおこなった。収益は日本赤十字とDAITAの知人の一般社団法人への寄付となったが、その寄付先がネイルサロンを経営していたため、復興支援と関係ない事業に使用されているのではないかとDAITA以外のメンバーが疑惑を抱き、2018年に知人の社団法人とDAITA宛に内容証明を送るという騒動が発生していた。
「また、解散後の再結成ライブやグッズの収益管理、各メンバーへのギャラの分配はDAITAさんの会社でおこなっていました。法人を持っていたのが彼だけだったためです。他の4人のメンバーはDAITAさんが“中抜き”していると疑い、2021年に社団法人に寄付金の返還などを求める訴訟を起こし、DAITAさんには中抜き疑惑で損害賠償請求訴訟を起こしました」(前出・記者)
しかし、裁判は2024年10月に和解が成立。DAITA側には何の支払いも求められず、不正はないとされたのだ。
「この和解の際、SIAM SHADEの残り4人は公式に声明を発表。
《我々4人は2019年から弁護士に依頼し、DAITAに対して訴訟を提起しておりましたが、今般、その訴訟がようやく和解により円満に解決しました》
と報告しました。このときはDAITAさん側からの説明がなかったので、“本当に円満なのか”とファンは動揺しました。当時から音源やライブ映像、グッズなど諸経費の管理をDAITAさんの会社でおこなっていたため、収益の配分でまだもめているのではないかと囁かれていました。今回のDAITAさんの告白で、裏付けられた形です」(前出・記者)
4人は公式発表の中で《SIAM SHADEのメンバーのうち、栄喜、KAZUMA、NATCHIN、淳士の4人のみで活動することが多くなるかもしれません》と“DAITA外し”をアナウンス。そして今年2月には同じ1990年代に活躍したバンド仲間である「SOPHIA」と、ユニット「SIAM SOPHIA」を結成してライブをおこなった。ライブにはRENOというギタリストを参加させており、10月13日にも同じメンバーでライブが予定されている。DAITAはこの状況に異を唱えたというわけだ。バンド名使用差し止めと楽曲使用の禁止を求めたDAITA。禁止曲はDAITAが作詞作曲した曲であり、そこにはバンド最大のヒット曲である『1/3の純情な感情』も含まれている。
X上ではファンが困惑している。
《DAITA抜きで、4人がSIAM SHADEとして活動していることには違和感しかなかった。今すぐ、止めて欲しい》
《SIAM SHADE揉めてるね。私は、氷室京介さんに認められたDAITAさんは好きだけど、バンドは1回だけ観に行ったけどあんまり、ごめんなさい》
「ここまでこじれてしまうと、復活は難しいんじゃないでしょうか。もはや両者ともにSIAM SHADEという名前や楽曲は永久封印する可能性も高そうです。実際、まったく別の音楽活動にエネルギーを注いだほうが有益でしょう」(前出・記者)
メンバー間の言葉は三分の一も伝わっていなかったようだ。