
コットン西村(左)ときょん
お笑いコンビ・コットンが10月2日、『M-1グランプリ2025』(テレビ朝日系)への不参加を表明した。背景には、賞レースの増加による芸人たちの疲弊があるといわれている。
「この日、自身のYouTubeチャンネルで『M-1』不参加の理由について、西村真二さんが『単純にキツイ……』と本音を吐露すると、相方のきょんさんも『そうね』と同調しました。西村さんは『今年は、ダブルインパクトの決勝にも残らせてもらって。そこでも予選から漫才とか、いろいろやったんですけど。ちょっともうね、尽きてます』と、正直に語ったのです」(芸能記者)
2024年の『M-1』では、準決勝敗退に終わったコットン。大会には、結成15年以内のコンビが出場できる。2012年結成の彼らだが、まだあと2回出場資格があるにもかかわらず、不参加を選択するほど、事態は深刻なようだ。
「西村さんは『いま、3分散してるというか。ダブルインパクト、キングオブコント、M-1グランプリ。全部に中途半端になっちゃってるなっていう感じなので。これは1回、休もうと』と説明していました。つまりは、ネタ作りに疲れたというわけです」(同前)
彼らの悲痛な叫びを受け、Xでは、
《賞レース多すぎて流石に息苦しそう》
《賞レースが増えて疲弊するやつ》
といった声があがっている。
「2025年の『M-1』不参加を表明しているのは、コットンだけではありません」というのは、芸能プロ関係者だ。
「2023年に決勝4位、2024年に決勝7位という実績を持つマユリカも、2025年の『M-1』には出ないことがわかっています。さらに、2022年、2023年と2年連続で決勝に進出し、いずれも最終決戦に残った『優勝にもっとも近い』と言われていた、さや香も、2024年に『今年はM-1に出ない』と宣言して大きな話題になりましたが、2025年も欠場を決めています」
この芸能プロ関係者は、さや香の不参加理由に注目する。
「新山さんは2024年、雑誌『Quick Japan』のWEBメディアで、不参加の理由を率直に語っています。『シンプルに、やる気がわかないんです。いままで“M-1”のためにめっちゃがんばってネタを仕上げてきて、今年から東京に来たのに、またネタを仕上げるの?』と、『M-1』に縛られすぎる芸人の苦しみを明かしました」
現在、テレビ各局では『M-1』以外にもさまざまな賞レースが開催されている。
「ナンバーワンコント師を決める『キングオブコント』(TBS系)、ピン芸人日本一決定戦『R-1グランプリ』(フジテレビ系)といった定番に加え、2024年からは漫才とコントの二刀流の王者を決める『ダブルインパクト』(日本テレビ系)も新設されました。ほかにも、結成16年以上の漫才師による『THE SECOND〜漫才トーナメント〜』(フジテレビ系)や、女性芸人に限定した『THE W』(日本テレビ系)など、きりがありません。
西村さんが言った『3分散してる』という言葉に象徴されるように、複数の賞レースに出場すれば、それだけネタ作りの時間と労力が必要になります。芸人にとっては相当な負担になります」(同前)
マユリカやさや香、そして今回のコットンのように「一度、立ち止まって考える」という選択を取り始めた芸人たち。テレビ局側も、賞レースの在り方を考える時期に来ているのかもしれない。