
2022年に亡くなったヴィヴィアン・ウエストウッド(写真・共同通信)
10月7日までに、英国発のファッションブランド「Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)」が、漫画家・矢沢あいの代表作『NANA』とのコラボコミックスを国内で10月31日に発売する予定であることがわかった。しかし、そのコラボコミックスをめぐって、漫画ファンがざわついているのだ。
「今回は、同漫画の連載25周年を記念してリリースされる限定版のコミックス『NANA 25周年記念エディション第1巻:Vivienne Westwood版』が登場。表紙には、物語の主人公である小松奈々と大崎ナナの2人のNANAが、ヴィヴィアンの『オーブ(ORB)』アクセサリーや洋服を身に纏った姿が描かれた特別仕様になっています。矢沢あいさんがVivienne Westwoodとタッグを組み、通常版とは別に、新たに描き下ろした特別カバーデザインが採用された形となりました」(漫画誌ライター)
これまで実現しなかったNANAとヴィヴィアンのコラボ。25年の時を経て記念すべきコラボとなったが、ファンにとっては望むものではなかったようだ。
X上では、コラボについて複雑な心境を吐露するユーザーがあふれた。
《映画の時は門前払いだったくせに。。》
《ヴィヴィアンってもっと、信念があって気高いブランドだとおもっていた》
《素直に喜べないお気持ち》
2000年7月号の集英社の漫画雑誌『Cookie』で連載が開始された同作品。2002年には第48回小学館漫画賞を受賞し大ヒットした。ここまでファンが物申す理由を、前出の漫画誌ライターはこう指摘する。
「2005年にNANAは実写版で映画化され、中島美嘉さんと、宮崎あおいさんが2人のNANAを演じました。中島美嘉さん演じるバンドのボーカリストのNANAや、バンドメンバーたちがパンクファッションの代名詞であるヴィヴィアンの個性的なアイテムを好んで着用していたことから、実写化する際にも衣装提供をヴィヴィアン側にオファーしたそう。しかし当時ヴィヴィアン側は、世界的なブランドイメージを守るために即拒否したと言われているのです」
このエピソードはファンの間でよく知られた話。もちろん、ファッションブランドが自身のイメージをコントロールするために衣装提供先を選ぶのは当然のことだ。ただ、今になりコラボが実現されることにファンは違和感を抱いているのだ。
「方向性が変わった理由のひとつは、2022年12月にヴィヴィアン・ウエストウッドが亡くなったことが大きな要因のひとつかもしれません。後を継いだのは夫であるアンドレアス・クロンターラー氏。ヴィヴィアンの不屈の精神を受け継いでいると評価されているものの、やはりブランドの考え方も変化しているのでしょう。さらに言えば、ここまで根強いNANAの人気なら、コラボするに相応しいと判断されたという可能性もあるかもしれませんね」(ファッション誌ライター)
この25年でブランド側で何があったのか気になるところだ。