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『じゃあ、あんたが作ってみろよ』モラハラ男・竹内涼真だけを責めるのは簡単、あえて「夏帆も悪い!」と言いたくなったワケ

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記事投稿日:2025.10.14 11:00 最終更新日:2025.10.14 12:33
出典元: SmartFLASH
著者: 堺屋大地
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』モラハラ男・竹内涼真だけを責めるのは簡単、あえて「夏帆も悪い!」と言いたくなったワケ

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)に主演する、竹内涼真

 

 10月7日(火)の初回放送からSNSで話題沸騰している『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)。夏帆と竹内涼真がダブル主演するラブコメドラマだ。

 

 SNSでバズッている理由は、竹内演じる男性主人公のモラハラモンスターっぷりがすさまじいから。「イライラする」「ムカつく」「夫に見てほしい」というコメントが飛び交っていた。

 

 しかし、恋愛コラムや恋愛相談を生業にしている筆者はこう思っている。

 

 竹内涼真(男性主人公)が悪いのは大・大・大前提だけど、「夏帆(女性主人公)も悪くない?」と。

 

■「料理は女が作って当たり前!」という昭和脳

 

“ハイスペしごでき” のビジネスパーソン・海老原勝男(竹内)。だが彼は、「女の幸せは、家で料理を作って愛する人の帰りを待つこと」「料理は女が作って当たり前!」という古い昭和的価値観からアップデートされていない “亭主関白男” でもあった。

 

 大学時代から交際しており、同棲もしていた恋人・山岸鮎美(夏帆)は、自身も仕事をしているにもかかわらず、勝男のために献身的に、毎日毎日、手の込んだ手料理を作ってくれている。

 

 ある日も、勝男は鮎美の料理を「おいしい!」と絶賛しながらも、アドバイスと称して「しいて言うなら、おかずが茶色すぎるかな」と苦言を呈す。それに対して鮎美は「そっか。ごめんね」と謝罪をするという関係性だった。

 

 そして勝男は、夜景の見える高級レストランで鮎美にプロポーズ。絶対にOKしてくれると確信していた勝男だったが、鮎美に「んー、無理」と断られてしまい、破局してしまう。

 

 このドラマはそんな2人の愛の再生を描くラブコメ作品だ。

 

■勝男の矯正のチャンスを鮎美が奪い続けていた

 

 さて、無自覚にモラハラしていた勝男が悪いというのは、大前提ではある。勝男がここまで昭和脳で育ってしまったのは両親の影響のようで、つまり幼少期からの刷り込みによって、モラハラ男の素地が出来上がっていたのだろう。

 

 しかし、勝男がこんな最悪のモラハラモンスターに成長してしまったのは、鮎美にも責任があると感じる。

 

 ドラマ公式からは具体的な年齢設定は公表されていないが、竹内と夏帆の実年齢を考えると、劇中の主人公たちはアラサーと考えていいだろう。大学時代から交際しているとなると、長年連れ添ったカップルのはずだ。

 

 アラサーにもなって勝男の凝り固まったモラハラ思考は非常に痛々しいが、もし大学時代に付き合ったのが鮎美ではなく別の女性だったら、どうなっていただろうか。彼は大学生か新社会人ぐらいの早期の段階で、その痛々しさを自覚できていたかもしれない。

 

 勝男は鮎美と別れた後、合コンにいったり逆ナンされた女性とバーにいったりしていた。そこで出会った女性たちに、市販のルーを使うカレーは手料理じゃないと否定し、はたまた筑前煮を作れるようになったほうがいいと熱弁し、ドン引きされてしまう。

 

「世界よ、俺が鮎美と付き合っている間に変わってしまったのか!?」と絶望する勝男。もちろん世界が変わったわけではなく、もともと彼自身がヤバかっただけなのだが、鮎美と別れて早々に勝男は自分と世間の価値観のズレに気づき始める。

 

 これがどういうことかというと、勝男の考え方が矯正されるチャンスを、鮎美が奪い続けていたということ。鮎美が勝男のヤバい価値観を否定せずに受け入れてしまっており、勝男は鮎美に肯定されることで2人だけの世界観に没入していたため、鮎美と交際中の長い長い期間、“気づき” を得る機会を損失し続けていたのだ。

 

■実は鮎美、“モテ” に全ベットしてきた計算女

 

 百歩譲って鮎美が純粋無垢な女性ならば、彼女の責任はないと言えるかもしれない。

 

 ただ、公式サイトの鮎美の人物紹介欄には、《ハイスペックな男性と結婚し安定した人生を送るために努力を惜しまず、“モテ”に全ベットしてきた女性》と記されている。鮎美のそういった背景は第1話では描かれなかったので、第2話以降で語られるのだろう。

 

 要するに、初回だけだと彼女はかわいそうな被害者に見えたかもしれないが、実は我欲から “勝男の理想の恋人” を演じ続けていた計算女という側面があるのだ。そう考えると、アラサーのモラハラモンスターが生まれた責任の一端は彼女にもあると思えないだろうか。

 

 しつこいようだが、勝男が悪いというのが大前提。けれど、鮎美もピュアな聖人でもなければ、悲劇のヒロインというわけでもなく、裏の顔があり、責任もあるはず。

 

 少なくとも、大学時代の勝男が、全振りしていたという鮎美のモテ力に惹かれなければ、彼はもっと若いうちに世間とのズレや自分のおろかさに気づけていた可能性は高いのだ。

 

「イライラする」「ムカつく」と勝男だけを責めるのは簡単だが、一視点だけから物事を見るのではなく、多角的に思考してみてほしい。今夜放送の第2話以降に鮎美の内面も描かれていけば、恋愛ドラマとしての深みがより増していくに違いない。

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