
NHK放送センター
100台の固定カメラを設置して、そこで働く人や生活する人の様子を観察する人気ドキュメンタリー『100カメ』(NHK総合)。
「2018年からスタートしました。撮影スタッフなどがいないため、被写体になっている人たちはカメラを意識していません。そのためリアルな姿や会話が記録され、視聴者の想像を超えるエピソードが出てくるのです。
NHK大河ドラマ『光る君へ』や『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』など、番組PR寄りのテーマもありますが、『競馬トレセン』『ポケモン世界大会』『フジロックフェスティバル』さらにはジョークグッズメーカー『TENGA』などにも100台のカメラを設置し、多くの社会現象を捉えてきました」(芸能記者)
最新の10月13日放送分は『羽田空港 空飛ぶ翼を守るプロたち』と題し、1分に1機が離着陸して1日に21万人が利用する、東京国際空港(羽田空港)にカメラを設置。ANAを中心に、空港で働く人々を観察した。
「空港の舞台裏では、多くのトラブルに見舞われ、それを秒単位で解決するスタッフの努力があることに驚かされます。
パイロットや客室乗務員が、交通渋滞や突然の体調不良で予定していた飛行機に乗れないこともあるそうです。そのときに代替要員を見つけるのですが、飛行機は機種ごとに免許が違い、さらに、免許はあっても離着陸する空港に習熟していないと、そのパイロットでは運航できないそうです。
スタンバイしていた客室乗務員が、いきなり『ハワイのホノルルに行ってください』と依頼されるシーンも。プロ意識の高さに脱帽です」(同前)
リアルで見ていた視聴者も同様の驚きを持ったようで、放送中からXには《「コレは保存版!」》《面白かった》など、絶賛のコメントが大量に投稿されていた。
なかでも「ノーショー」というワードが、X上でトレンド入りした。
「英語で書くと『no-show』で、予約を入れたにもかかわらず、乗客が搭乗口に現れない、乗り遅れなどの事態を指すものです。
番組では、チェックインを担当する職員が、便名が書かれたタブレットを持ちながらロビーを駆け回り叫ぶシーンがありました。
結局、キャンセル扱いになり、今度は預けた手荷物を機内のカーゴから取り出す作業になりますが、これが奥のほうにあったため、たいへんなことに。出発時間が15分遅れると『遅延扱い』になるそうですが、なんとか13分で収まり、離陸できました」(前出・芸能記者)
Xには
《ノーショーの乗客は多大な迷惑をかけてると自覚しろと言いたい》
といった苦言や
《自分都合のノーショーだけはしないでおこって心に決めた》
など、反省のコメントもあった。
日常の“当たり前”の裏側には、多くのプロの努力があるのだった。