
オアシスのリアム・ギャラガー(写真:REX/アフロ)
10月25・26日、東京ドームで16年ぶりの来日公演を控えている、イギリスが生んだ世界的ロックバンド『Oasis(オアシス)』。オープニングアクトとして、ASIAN KUNG-FU GENERATION(25日)、おとぼけビ~バ~(26日)の出演が明かされ、SNS上で賛否が集まっている。
2003年にメジャーデビューし、実績も知名度もあるASIAN KUNG-FU GENERATION(以下、アジカン)に対して、そこまで一般的な認知度が高くないとされるガールズバンド『おとぼけビ~バ~』に対しては、特に逆風が強く吹いているようだ。
実際、Xでは、《誰やねん、おとぼけビ~バ~て》《前座なんてまじでいらねー》などの声が複数あがっている。
「そうした声は彼女たちにも届いているようで、同バンドのボーカル・あっこりんりんさんは自身のXで、
《オアシス東京ドーム前座させていただきます!! 前座いらんねんとかだれやねんとかまたかよとかボロクソ言われるでしょうが、リアムがうちらのスケジュール空いてるか聞いてきてくれたらしいのでそら直々に呼ばれたらもちろん喜んで出ますわ!! 精一杯がんばります!! !!》
とポスト。オアシスのリアム・ギャラガー直々のオファーだったことを明かしています。さらに、その後の投稿で
《嫌いでもなんでもいいけどゴリ押しとかコネとかじゃないんでそれだけたのんますわ。期待して呼んでくれたオアシスと、応援してくれるみんなと、たったひとりでもなにか届くかもしれないあなたのために、いつも通りやりまっせ。》
とポストするなど、自身のスタンスを明確にしています」(芸能記者)
そんな「おとぼけビ~バ~」だが、「日本ではまだ知らない人も多いと思いますが、オアシスに呼ばれるだけの実績と実力が十分に備わっている、オープニングアクト(OA)として違和感のないバンド」と語るのは、音楽ライターの尾谷幸憲氏だ。
「おとぼけビ~バ~は、2009年に結成された日本のバンドでありながら、2016年のUKツアーをひとつの契機として、海外でバズったパンクバンドです。
アグレッシブかつ激しいアクションが特徴で、外国人から見ると若く見える日本の女の子が狂ったようなステージングを見せるという意外性が、人気の秘密だそうです。英語圏のミュージシャンや音楽関係者のなかには、そこに食いつく層がいるんですよ。いわゆる “ギャップ萌え” ですね。
海外の大きな音楽フェスにも出演しているほか、有名ミュージシャンたちからの人気も非常に高く、海外の大物バンドの日本公演で何度もOAをつとめています。
2023年、リンプ・ビズキットの東京公演を皮切りに、翌年にはレッド・ホット・チリ・ペッパーズのアメリカ公演、2025年1月にはアイドルズ、2月にグリーン・デイ、3月にジャック・ホワイト(元ザ・ホワイト・ストライプス)。直近では、10月にフー・ファイターズの公演と、この3年、錚々たるメンツのライブに参加しています。
日本では、彼女たちのことを知らない人もいるかもしれませんが、これだけ外国のミュージシャンに呼ばれるということは、『あいつらは本物だ』と思われているということです」
一方、アジカンは、以前からオアシスの影響を受けていることを隠さずに公言してきたバンドだ。自身の楽曲にもオアシスの楽曲のギターソロを引用するなど、2000年以降にメジャーデビューした日本のロックバンドでは「オアシスほか1990年代のUKロック、オルタナティブ・ロックに影響を受けた日本のバンドの筆頭格」(尾谷氏)だという。
「今回、オアシスだけが目当ての人のなかには、前座が終わる時間にあわせて行くなんて声もちらほらあるようですが、それは非常にもったいない。どちらのバンドも、オアシスの前座をつとめるにふさわしい、聴く価値のあるバンドです。
アジカンは結成から29年も経つのでバンドのケミストリーも高いですし、『君という花』『リライト』を筆頭に、オアシス同様、みんなで歌えるタイプの楽曲が多い。
一方、おとぼけビ〜バ〜は変化球的ではありますが、いま海外のミュージシャンたちがこぞって起用するほどの注目株です。両バンドがOAに起用されているのは、オアシスのメンバーが彼ら・彼女らを認めているという事実にほかならない。そこに注目すると、より楽しく観られるんじゃないでしょうか」(同)
海外ミュージシャンたちが、こぞって「お気に入り」と名指しするおとぼけビ~バ~。知らなかった人や興味のなかった人も、これを機に聴いてみるといいかもしれない。