
ネクタイ姿の大泉洋
とにかく世界観が謎だらけ。とんでもない大きな秘密が隠されていそうな雰囲気がぷんぷん漂う初回だった。
10月21日(火)にスタートし、第2話が今夜放送される大泉洋主演ドラマ『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日系)。
2018年のドラマ『アンナチュラル』(TBS系)、2020年のドラマ『MIU404』(TBS系)といった話題作を執筆し、昨年もドラマ『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)、映画『ラストマイル』をヒットさせた脚本家・野木亜紀子氏の最新作として注目を集めている。
■全部が伏線? 謎だらけの第1話
会社をクビになり、妻とは離婚し、ネットカフェを泊まり歩く日々を送っていた人生どん底の主人公・文太(大泉)。
再就職するため面接を受けていた企業「ノナマーレ」の社長(岡田将生)の目にとまり、最終面接で社長から1粒の謎のカプセルを飲むようにうながされ、躊躇したものの飲み込んだことで合格。そして社長から「あなたは今日からエスパーです」と告げられ、文太は手で触れている間だけ相手の心の声が聞こえるという超能力に目覚めた。
「ノナマーレ」からは “世界を救う” ためのミッションを与えられていくのだが、その内容は見知らぬ人物に夜まで傘を持たせることや、また別の人物の目覚まし時計の時間を早めるなど、一見するとどうでもいいようなことばかり。
そんななか、もっとも大きな謎なのが奇妙な同居人。文太には社宅が用意されていたのだが、社長によるとその部屋には四季(宮崎あおい)という女性が住んでおり、仮初(かりそめ)の夫婦として生活をともにするよう指示される。
初対面の異性といきなり共同生活を送ることになり、とまどう文太だが、四季に触れると《幸せ。いつまでもこうしていたい。愛してる》という心の声が聞こえ、なぜか文太を本物の夫だと思い込んでいるようなのだ。
さらに、社長からは「人を愛してはならない」というルールを告げられて――というのが第1話のストーリー。
公式サイトによると「ジャパニーズ・ヒーロードラマ」「SFラブロマンス」と謳われている。
■岡田将生の目的は? 宮崎あおいは何者?
第1話のあらすじをざっと説明させていただいたが、本当に謎だらけということがおわかりになったはず。
「ノナマーレ」はどんな会社なのか、社長の目的は何なのか、どうしてカプセルを飲むと超能力に目覚めるのか、数々のミッションにはどんな意味があるのか、四季はいったい何者なのか、どうして愛してはいけないのか……などなど。
考察好きが飛びつくようなミステリアスなシーンのてんこ盛り。
特に謎めいていたのが、岡田将生演じる「ノナマーレ」社長。彼が文太に与えるミッションは意味不明なちっぽけなことばかりで、そんな指令をこなしていくシーンの数々はコミカルでおもしろかったのだが、バタフライエフェクトを思い出した視聴者も少なくないはず。
実はそれが本当に世界を救う一助になっていたのだとしたら、社長は未来予知の超能力者なのかもしれない。
もしくは社長はタイムリーパーで、世界滅亡を回避するために何度も何度も同じ時間をやり直し、トライ&エラーを繰り返しているなんて可能性もゼロではないだろう。
宮崎あおい演じる四季も社長と同じぐらい謎めいている。文太視点で物語を観ていると、四季の記憶や認識が間違っているように思えるが、もしかすると文太のほうこそ偽りの記憶が植えつけられているのかもしれない。
また、いくつもの並行世界が存在しているという設定で、“四季と出会っていない世界線” の文太が、なにかのきっかけで “四季と結婚している世界線” に飛ばされてきたという可能性も。
第1話冒頭で文太が高層ビルの屋上からダイブする意味深なシーンがあり、それはVRゴーグルで観たバーチャル体験というように描かれていたが、もしかすると本当にあった出来事で、世界線ジャンプのきっかけだったということもありそうだ。
■ヒットメーカー野木亜紀子氏の筆力に期待
主演の大泉洋は公式サイトに「バカバカしいお話かと思いきや、すごい展開になっていくので、きっと皆さんにとっても楽しい3カ月になると思います」とコメントを寄せている。
大泉は初回放送当日に受けたインタビューでも、「でもコミカルかと思って見始めると、やられちゃうと思いますよ。」と語っているので、想像の斜め上をいく巨大なスケールの物語が待ち受けているのかもしれない。
いずれにしてもコメディとして楽しむこともできるが、まさに謎が謎を呼ぶストーリーで、考察が止まらない超期待作となっている。
ヒットメーカー・野木亜紀子氏が描くオリジナル作品がどんな展開を見せてくれるのか。今夜放送の第2話も楽しみだ。
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