
鈴木福
各地で相次ぐクマ被害に日本中が戦々恐々とするなか、その影響は映画界まで直撃していた。
《この度、2025年11月21日に公開を予定しておりました映画『ヒグマ!!』の公開時期について延期することを決定いたしました》
鈴木福が主演を務める映画『ヒグマ!!』が、公開直前に延期を公式HPで発表したのだ。
「同映画は闇バイトとクマ被害という二つの現代の恐怖を交差させた、リアリティ重視のスリラー作品です。鈴木さんは、詐欺に遭い多額の借金を背負って自殺した父親の代わりに返済するため闇バイトに手を染めます。そして、ターゲットを拉致して森で殺害しようとしたその時、ヒグマに襲われる——という内容です。闇バイト×ヒグマという斬新な組み合わせですが、日本が抱える問題を投影した作品として注目されていました。
しかし、制作側は《物語には襲撃・食害の描写も含まれますが、それは過激さを目的としたものではありません》とした上で、《「恐怖を通して現実をシミュレーションし、人の生を映す」という寓意に根ざした表現であり、現実への配慮を大切にしながら、ご鑑賞の皆さまが安心して没入できる上映環境を整えてまいります》と延期を決定しました」(映画誌ライター)
環境省によると、2025年度のクマ被害による死亡者数は11名にのぼり、過去最悪のペースで増え続けている。ここ数日では、病院や学校、銀行など、市民の生活圏内でも出没が確認されており、さらに不安が高まっている。まるで現実とリンクするような映画が公開延期となり、X上ではさまざまな意見が飛び交っている。
《逆だよ、今こそ公開するべき そしてクマ擁護派はこれを見てから語るべし》
《てか、今こそ「公開の時」だろう?》
こうした公開を望む声が聞こえる一方で、
《大丈夫でしょって言いたい気持ちと震災直後に震災ものの映画やられたら今じゃなくない?と思う気持ちもある》
《予定通り公開すると絶対クレームつける輩がいるから、公式さんが延期と判断してくださったのなら、「ご配慮くださりありがとうございます」って思います》
制作側に同意するユーザーも多く見られる。
「本作の公開延期は、クマ被害が深刻化し、社会全体が敏感になっている問題をフィクションが扱う難しさを浮き彫りにしたといえます。制作側が被害者や地域への配慮を優先した一方、慎重すぎる判断が今後の映画制作の“足かせ”になるのではという懸念もあります。はたしてスクリーン上で上映される時がくるのか、制作側の判断に注目が集まっています」(同前)
映画を止めたのは“クマ”ではなく、時代の空気ということか。
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