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菅田将暉に感情移入すればするほどストレスが…『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』中盤の山場でもスカッとしなかったのは致命的

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記事投稿日:2025.11.05 11:00 最終更新日:2025.11.05 12:32
出典元: SmartFLASH
著者: 堺屋大地
菅田将暉に感情移入すればするほどストレスが…『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』中盤の山場でもスカッとしなかったのは致命的

 

 

 いつになったらスカッとさせてくれるんだ……。

 

 10月29日(水)に第5話が放送された脚本家・三谷幸喜最新作『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系)。中盤の山場と言える公演初日を描いた第5話も、溜まりに溜まったフラストレーションを解き放ってはくれなかった。

 

■小さめの感動ポイントはいくつかあるが

 

 三谷氏が民放GP帯の連続ドラマを25年ぶりに手がけ、主演の菅田将暉をはじめ、二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波など豪華キャストが集結した本作。

 

 1984年の渋谷を舞台にしたオリジナル青春群像劇。舞台演出家の久部三成(菅田)は、横暴な演出が不評を買い、自分で立ち上げた劇団から追放されてしまう。そんな久部が、たどり着いたストリップ劇場を演劇の劇場に変え、ダンサーや芸人、裏方といった寄せ集めで劇団を立ち上げて、成功を目指すストーリー。

 

 第1話は20名以上いる登場人物の紹介に大半を費やしており、“テンポが悪い” といったネガティブな声が多かったものの、第2話はストリップ劇場をシェイクスピアの劇場に変えるという物語全体の方向性が見えてきたため、風向きが変わる気配があった。

 

 しかし、“ここから右肩上がりにどんどんおもしろくなる” という期待は、裏切られることになる。

 

 第3話は素人集団の初演技で四苦八苦する姿、第4話は公演初日の前日におこなう「通し稽古」の様子が描かれたが、いまいちスカッとしない。

 

 芸人コンビが久部の演出方針に納得して心を開いたり、用心棒だったコワモテ男が演技に真面目に取り組むようになったり、久部のかつての劇団仲間が一定の評価をしたり、小さめの感動ポイントはいくつかある。

 

 けれど、基本的には思うように進まず、久部が苦悩する展開の連続。久部はずっと怒ったり悩んだりしているので、主人公に感情移入すればするほどストレスが溜まっていく物語で、大きなカタルシスは得られないままなのだ。

 

■公演初日の第5話、期待は大きく裏切られた

 

 その溜まった鬱憤を一気に解き放ってくれる感動回が訪れることを信じて、我慢して観続けている視聴者もいることだろう。そして、その期待値がもっとも高まったのが、公演初日を描いた先週放送の第5話だったのである。

 

 しかし、またしてもその期待は大きく裏切られる。

 

 久部が高らかに「劇団クベシアター、旗揚げです」と宣言すると、場内が大きな歓声で包まれるなど、ドラマ的にも盛り上がりを見せるシーンはあったのだが、肝心の初日の公演はひどいできだった様子。

 

 久部自身が「史上最低」と評して「どうでもいいよ」と自暴自棄になっていたし、演劇記者からは「ゴミみたいな芝居」「確実に今年のワースト」「久部さんも憐れとしか言いようがない」と酷評される始末なのだ。

 

 ちなみに、いよいよ舞台の幕が上がるというシーンでCMに入り、CM明けには終演しているという展開で、要するに視聴者は公演本番を見られなかった。正直、肩透かしを食った気分になったが、あえて本番は見せないというのも粋な演出だと感じたので、そこに文句はない。

 

 やはり、スカッとするおもしろさがないことが致命的。

 

 第4話までわかりやすく爽快なストーリーは描かれなかったが、第5話は公演初日という中盤回の山場だっただけに、ようやく溜飲が下がるかと思いきや、なんだったら今まで以上にイライラやモヤモヤが溜まったのである。

 

 さすがに初公演でいきなり大成功というご都合主義な展開にはならないにしても、たとえば観客の評価はいまいちでも主人公は大きな手応えを感じるなど、これまでのストレスを解放してくれると思っていたのだが……。どこまでこのフラストレーションを抱えたまま観続けなくてはいけないのか。

 

 今夜放送の第6話は、公演初日の打ち上げの様子がメインで描かれる模様。そろそろ本当にスカッとするストーリーになってほしいものだ。

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