
番組の語りを務めた守本奈実アナ(写真・公式サイトより)
11月3日放送の『NHKスペシャル』で日本の“盆踊り”が特集されたのだが、これが一部SNSユーザーから不満の声が漏れている。
この日は、日本カルチャーの世界における広がりを取材する人気特集「新ジャポニズム」がオンエアされた。
「そこでは盆踊りが、各国で驚きの進化を遂げていることが判明。サンバの国・ブラジルでは盆踊りが“マツリダンス”として定着。人々は“やぐら”はあるもののそれには乗らず、また輪にもならず、ステージにいる指導者たちの振りに合わせて、ひたすら踊っていました。使われる曲はチェッカーズの『ギザギザハートの子守歌』や相川七瀬さんの『夢見る少女じゃいられない』といったJ-POPでした」(芸能記者)
現地の人たちは、会場に流れる大音量の曲に合わせて熱狂しながら踊っていたという。さらにタイでは1万人、アルゼンチンでは1万5千人、フィリピンでは3万人もの盆踊りの輪が広がっているのだとか。
「マレーシアでは5万人規模の人々が参加する盆踊りがおこなわれていますが、2022年、当時の宗教問題担当大臣が、『祖先の霊を信仰する盆踊りは唯一神であるアッラーを信じるイラスム教に反している』として、イラスム教徒は参加しないよう勧告。すると、盆踊りが宗教行事か文化行事か大激論の末、文化祭典にすぎないという見解に行きついたとも紹介されていました」(同前)
世界で日本文化が広がっていることは肯定的に受け入れられるかと思いきや、この番組を見た一部のXユーザーからは意外な異論が。
《日本文化を貶された気分になった》
《NHKにお金払ってこんな気持ち悪い番組放送されてるのが腹が立って仕方がない…解約したい》
《NHKの多文化共生のプロパガンダが見えて胸糞悪い思い》
など、激しい不満が沸きあがったのだ。制作会社のディレクターが語る。
「視聴者の中にあるのは、日本の風情ある盆踊りが、まるでダンスイベントのように、何の原型もとどめていないほど、ゆがめられてしまったことに対する悲しみ、といったところでしょうか。NHKではこうした“ゆがみ”について否定的な捉え方はしていませんでしたからね。
番組ではまた、マレーシアの盆踊りを調査してきた現地女性が岐阜・郡上市の『郡上おどり』を体験するというブロックもありました。これが、外国人が日本文化を浸食してくるように見えたり、NHKによる“多文化との共生”の宣伝に見えたようです」
だが、国内での盆踊りも進化を遂げている。
「番組内でも紹介されていましたが、『ドラえもん音頭』や『ポケモン音頭』といったものに変わったり、扮装や仮装もOKの盆踊りもあります。DJが選曲した曲で踊る“盆ダンス”も人気を集めています。そもそもマレーシアで広がる盆踊りも約半世紀前、日本人学校の行事として始まったものでした。ブラジルの“マツリダンス”も、ブラジル生まれの日系2世の女性が生み出したもの。宗教や思想を越えて、盆踊りは変化しているのです」(前出・制作会社のディレクター)
変容していくことを容認する懐の深さも必要な気がするがーー。
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