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大谷翔平のV2効果で荒稼ぎ、ウソのYouTube「海外の反応動画」はびこる…「60代男性が客」「1試合で収益100万円」運営が明かす実態

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記事投稿日:2025.11.07 15:56 最終更新日:2025.11.07 18:13
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
大谷翔平のV2効果で荒稼ぎ、ウソのYouTube「海外の反応動画」はびこる…「60代男性が客」「1試合で収益100万円」運営が明かす実態

ドジャースV2を達成した大谷翔平と山本由伸(写真・共同通信)

 

 まさに歴史に残る熱戦だった――。11月6日(日本時間、以下同)、MLBワールドシリーズの第7戦に勝利したドジャースがV2を決めた。

 

「3勝3敗という接戦で迎えた第7戦は延長までもつれ込み、最後にウィル・スミス選手のホームランで勝ち切りました。山本由伸投手は、第2戦で9回105球で完投勝利、そして第6戦で96球を投げて勝った翌日の第7戦でも9回途中で異例の登板。シリーズを通じて驚異の3勝をマークし、MVPに輝きました」

 

 日本、米国、カナダで合計5100万人が視聴したというまさに世界的なビッグイベントだが、じつはその裏で“荒稼ぎ”をしている人々がいる――。

 

「10月17日、ブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦で大谷が先発を務め、3本のホームランを打った日はすごい日でしたね。大手チャンネルだと、2本の動画を出してそれぞれすぐに100万再生超え。1試合で軽く100万円以上は稼いだ計算です」

 

 と語るのは、YouTubeで4つのチャンネルを運営する動画製作者のX氏だ。YouTube上には現在、WSシリーズに関する現地のニュースや、ファンの投稿を日本語に翻訳し、まとめた動画があふれている。

 

「いわゆる“海外の反応動画”ですね。MLBのレジェンド選手が大谷のことを“GOAT”と絶賛し、ファンが山本投手の力投に“信じられない”と驚愕する。同じ日本人として誇らしい気持ちにさせてくれるコンテンツです。ところが、日本人が現地事情に疎いことをいいことに、動画によっては、レジェンドが言ってもいないセリフをまとめたり、日本人選手の嘘の“感動エピソード”をまとめた動画も数多くあります。大谷選手の活躍に便乗して、再生数を稼ぎ、収益を得ようというわけでしょう」(ITライター)

 

 前出のX氏もまさに、大谷の“嘘”動画を数多く投稿し、収益を得ている投稿者のひとりだ。はたして、海外の反応動画でいくら稼げるのか、良心の呵責はないのか、匿名を条件に、その実情を詳しく聞いた。

 

「私の動画では概要欄にしっかりと“エンタメ”であり“演出”を含むと記してはいます。ただ、真実と信じてしまう人が一定数いることは承知していますし、批判があることも理解しています。ドラマや映画と同じ“フィクション”のつもりですし、医療や政治分野のフェイクニュースと比べれば実害もないとは思うんですけどね……」

 

 そもそも動画の投稿を始めたきっかけは、大谷を純粋に応援する気持ちからだったという。

 

「2年前のWBCの時、メジャーの選手をわかりやすく紹介するコンテンツをつくりたくてYouTubeを始めたんです。編集作業のやり方も独学でした。当時は純粋に視聴者の反応が楽しくて、メーカーで会社員をする傍ら、趣味でやっていました。ただ、体調を崩し休職することになってからは、収益目的で海外の反応動画をつくりはじめました。正直、趣味の動画とは違って、作っていても楽しさはありませんよ。生活のためですね」

 

“収益目的”になってからは平均の売り上げは月100万円前後だという。

 

「シーズンが終わったので、今後は収益がガタ落ちすると思います。似たような大手チャンネルだと、今シーズンだけで2000万円は稼いでいると思いますよ。視聴者は圧倒的に男性で、60代以上の男性が全体の約40%。残りを40代~50代が占めており、30代以下はわずか数%ですね。要するに高齢男性だけが見ているコンテンツです」

 

 アクセスを稼ぐ上で大切なのは“速度”と“サムネイル”だ。

 

「要するに、“大谷がホームランを打ってからいかに早く動画をあげるか”が大切ですね。でも、打った直後に海外の反応が大量にあるはずもないので、アップが早すぎるチャンネルは事前に内容を創作している可能性が高いですよ。サムネイルは『海外』『絶賛』『衝撃』『大谷』『レジェンド』というキーワードが鉄板ですね。高齢者が読めるように文字を大きく表示するのも大切です。

 

 うまくいえばYouTubeのアルゴリズムに“おすすめ”され、一気に再生数が伸びます。大活躍した日やビッグニュースがあった日は普段YouTubeを見ない層まで巻き込むため通常の数十倍のインパクトがあります」

 

 完全にエピソードを捏造する場合でも、大谷をいかに関係させるかが大切だという。

 

「嘘エピソードにも流行があるんです。5月にはフアン・ソトを批判する内容が流行り、6月はパドレスのマチャドがMLBから永久追放される、という内容、最近だと『デレク・ジーターがFOXから永久追放』ですね。共通するのはどれも大谷の“敵”だということ。ソトは大谷の契約金を上回り、マチャドは大谷に報復死球、ジーターはFOXの番組で大谷を素直に褒めなかったことがあります。こちらは事実ですが、当然“MLBから永久追放”などというエピソードは真っ赤な嘘です」

 

 虚実ない交ぜで大谷をネタに荒稼ぎをする人々――。だが動画制作すら“サボる”チャンネルもあるという。

 

「動画の台本だけ用意して、動画制作そのものは外注している業者は多いですよ。1本あたり数千円程度でつくってくれますからね。私も1度だけ利用しましたが、クオリティが満足できずやめました。安く動画をつくってくれる優秀な人材は、すでに人気チャンネルに雇われているでしょうね」

 

 近年は、海外勢の争いも激しいという。

 

「突然、大谷関連の動画を出す人気チャンネルが生まれたと思ったら、同チャンネルの過去の動画をあさると、中国や韓国の風景を流す動画が残っていたりするんですよ。特に韓国の業者は日本人向けのYouTube動画で荒稼ぎしていると聞いているので、大谷ジャンルにも参入してきたのでしょう。動画の再生数といいね数を買っている業者もあるようです。初動で一気に再生数といいね数を増やせれば、アルゴリズムでおすすめにあがりやすくなり、倍々で再生数が増えるんです。異常を検知されたら即BANなので、リスキーですけどね」

 

 X氏は、今後も大谷の動画を作り続ける予定だという。

 

「厳密に著作権などを考えればBANされる可能性もありますが、しばらくは大丈夫だろうと自分に言い聞かせています。同時に、シニア向けの偉人の名言やAIでつくるドラマなどにも手を出そうと思っていますよ」

 

 大谷ら日本人選手が海外で絶賛されているのは紛れもない事実。しかし、それを利用した金銭目的の“嘘の言葉”に踊らされたくはないものだ――。

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