霜降り明星・せいや
11月11日放送の『うたコン』(NHK総合)で、霜降り明星・せいやこと石川晟也が、自作の曲『オカンのLINE』を熱唱した。
「せいやさんは、さらに昭和の大ヒット曲『およげ!たいやきくん』もカバーしました。オリジナルを歌った子門真人さんを若干、まねながら、自慢ののどを鳴らしていました」(芸能記者)
小林幸子や大川栄策、狩人など大物歌手が居並ぶ会場で、ただひとり芸人という構図は不思議なものだが、せいやは本名の石川晟也でアーティストデビューし、“笑いナシ”で活動している。
「“本気の歌芸人”の系譜は古いです」と明かすのは、芸能ジャーナリストだ。
「代表格は、とんねるずさんです。そのアーティスト人生は1984年、当時、放送作家として頭角をあらわしていた秋元康氏が、彼らのために『一気!』を作詞したことから始まりました。その後も秋元氏とのタッグで『雨の西麻布』『ガラガラヘビがやってくる』『一番偉い人へ』などのヒット曲を連発し、音楽番組の常連になりました」
1985年から1995年までは毎年、コンサートツアーを開催し、全国を駆けめぐった。2024年には、日本武道館で29年ぶりにライブを開催している。
また、ダウンタウンの浜田雅功も、稀代のヒットメーカーとのコラボでヒット歌手となった。
「1994年、『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)に出演した小室哲哉氏に、浜田さんが冗談で『僕にも曲を作ってくださいよ』とオファーしたことがきっかけとなり、1995年、『WOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーヴメント〜』が完成しました」(前出・芸能ジャーナリスト。以下同)
この曲はもともと、TRFの『Overnight Sensation〜時代はあなたに委ねてる〜』と同じ、1995年3月8日にリリースされる予定だった。
「しかし、小室氏は『WOW WAR TONIGHT』のヒットを確信し、発売日を強行的に1週間ずらし、15日に発売としました。すると、みごとオリコン週間チャートで1位を獲得し、230万枚を超える大ヒットを記録しました」
番組との相乗効果で売れた曲も。
「『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(日本テレビ系)から生まれたのが、内村光良さん率いるユニット『ポケットビスケッツ(ポケビ)』と、南原清隆さんをリーダーとする『ブラックビスケッツ(ブラビ)』。2組はさまざまな企画で番組を盛り上げ『曲が最高20位に届かなかったら解散』といった条件で、視聴者を巻き込んだブームを作っていきました」
ポケビがリリースした『YELLOW YELLOW HAPPY』は100万枚超、ブラビも『Timing』も140万枚超を売り上げ、1998年の『第49回NHK紅白歌合戦』にそろって初出場した。25年後の2023年にも、復活出場を果たしている。
「こうした過去の例が示しているのは、芸人も本気になれば音楽シーンを席巻できるということです。最近は大型の企画を動かせる番組が減ってしまいましたが、知名度の点でも、芸人さんが曲をリリースするのは注目されやすいのです」
せいやは、笑いよりも歌で客をうならせる存在となるか。
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