
「スーパー戦隊シリーズ」最後の作品となった『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(写真・公式Xより)
10月30日、テレビ朝日系で50年にわたって続いてきた「スーパー戦隊シリーズ」が終了すると報じられた。背景には視聴者である子どもの数が減っている状況や、衣装や演出にかかる制作費の高騰などがあげられている。一方、収益性とは別に特撮系の番組の、撮影現場の過酷さを指摘する声も出ている。
X上では、
《特撮は予算も労働環境も鬼過酷だからいつかこうなると思ってた》
《スタッフの方々もほんと大変なんだよねぇ、それを50年続けてきたのには頭が下がります》
といった声が聞かれている。
「たとえば、同じ東映が制作する『仮面ライダーシリーズ』もその撮影がたいへんなのはよく知られています。シリーズ出身俳優の出世頭といえば、『仮面ライダーW』(テレビ朝日系)で桐山漣とダブル主演を果たした菅田将暉さんですが、菅田さんは早朝からの撮影が多いため、東映東京撮影所のある練馬区の大泉学園にひとり暮らしをしていたそうです。
当時、菅田さんは16歳。共演した桐山さんは向かいのマンションに住んでいたそうです。とくに屋外ロケの場合、『日没まで』というリミットがあるため、まさに夜明けから動く、というスケジュールだったそうです。『NEWSポストセブン』の記事で、菅田さんの父親の新さんは《深夜に撮影が終わって、翌朝早くにスタート。ほとんど寝ていません》と、当時を振り返っています」(芸能記者)
負担は菅田のような演者ばかりでなく、スタッフにも押し寄せている。2023年には「仮面ライダーシリーズ」でAP(アシスタントプロデューサー)を務めていた女性がセクハラ・過剰労働を訴える裁判を起こしている。
「女性は2019年に入社し、『仮面ライダーリバイス』のAPを務めていました。労働組合の総合サポートユニオンのnoteに公開されている女性の訴えによると、1日13時間以上働くことが当たり前だったと記されています。さらに、ほかの現場で受けた男性スタッフからのセクハラ被害も記されています。女性は休職を経て2022年10月に退社しています。同年12月に東映はセクハラを認定し、女性に謝罪していますが、裁判は現在も進行中です」(スポーツ紙記者)
特撮系番組は子どもたちにとって人気のコンテンツであったが、その裏には過酷な制作体制があったというわけだ。芸能ジャーナリストはこう語る。
「結局のところ、番組制作予算の問題といえます。潤沢な予算があればスケジュールも緩和でき、タレントの都合にも配慮できます。当然、スタッフの労働時間も減らせるでしょう。『スーパー戦隊』の後は特撮の刑事ものになるという報道もありますが、いずれにせよ、現場の改善は必要でしょう」
子どものたちの笑顔のために、まずは現場が笑顔になる必要がある。
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