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おもしろくなるのが遅すぎた!菅田将暉『もしもこの世が舞台なら〜』途中脱落者もまた観はじめたほうがいい理由

芸能 記事投稿日:2025.11.26 11:00 最終更新日:2025.11.26 11:10

おもしろくなるのが遅すぎた!菅田将暉『もしもこの世が舞台なら〜』途中脱落者もまた観はじめたほうがいい理由

菅田将暉

 

 ようやく、おもしろくなってきた。11月19日(水)に第8話が放送された脚本家・三谷幸喜最新作『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』のことだ(フジテレビ系)。

 

 三谷氏が民放GP(ゴールデン・プライム)帯の連続ドラマを25年ぶりに手がけ、主演の菅田将暉をはじめ、二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波など豪華キャストが集結している。

 

■テンポの悪さやスカッとしないエピソードが続き…

 

 1984年の渋谷を舞台にしたオリジナル青春群像劇。舞台演出家の久部三成(菅田)は、横暴な演出が不評を買い、自分で立ち上げた劇団から追放されてしまう。

 

 そんな久部が、途方に暮れながらさまよってたどり着いたのがストリップ劇場。そこを演劇の劇場に変え、ダンサーや芸人、裏方といった寄せ集め集団で、シェイクスピアの劇団を立ち上げ成功を目指す物語である。

 

 しかし、初回のテンポの悪さやなかなかスカッとしないエピソードが続いたことが要因か、視聴率もTVerも数字がかんばしくない。

 

 視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は、第1話は世帯5.4%/個人3.1%という低めスタートだったが、そこからさらに下落していき、第4話で世帯3.7%/個人2.2%までダウン。第4話以降は世帯が3%台、個人が2%前後という低水準で安定。先週放送の第8話は世帯3.4%/個人2.0%となっていた。

 

 TVerではお気に入り登録数(11月24日現在)が54.7万で、人気の指標となる100万オーバーはほど遠く、再生回数もあまり話題にならない。ちなみに今期ドラマでもっとも話題となっている『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)は、お気に入り登録数が167.5万なので、トリプルスコアの大差をつけられてしまっている。

 

 そんな評判も数字もいまいちの『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』だが、第8話からようやく、本当にようやく、おもしろくなってきている。

 

■今夜の放送回は舞台裏を描いた三谷幸喜の真骨頂!

 

 先週放送された第8話は、主人公・久部と、彼が想いを寄せる妖艶なダンサー・リカ(二階堂)がメインのエピソード。リカの元情夫・トロ(生田斗真)が現れ、自分の借金を返済するため、リカを歌舞伎町の風俗に沈めようとする。

 

 終盤の対決シーンでは、ナイフを取り出すトロに対して久部はおもちゃの拳銃で対抗。リカへの情熱と気迫の演技で、トロをビビらせて追い返すというヒロイックな姿が描かれた。

 

 実は久部が主人公然としてかっこよく立ち回るエピソードは、これまで意外と少なかったため、第8話は本作においては珍しく、エンタメとしてわかりやすくスカッとする回だった。

 

 また、フジテレビの動画配信サービス「FOD」の有料コースでは、地上波放送に先駆けて1話分先行公開しているので、筆者は今夜放送の第9話も視聴済み。

 

 第9話は第8話と違うテイストで、これまたおもしろかった。ネタバレしないように最小限の情報で説明するが、上演中にあるトラブルが同時進行で発生してしまい、なんとか上演を成立させようと、劇団メンバーたちが試行錯誤しながら結束していく舞台裏が描かれる。

 

 てんてこまいな舞台裏の群像劇がコミカルに描かれ、まさに三谷幸喜の真骨頂といった珠玉のエピソードになっていた。

 

 第8話は主人公のかっこよさが描かれたが、第9話はいい意味で久部の見せ場は少なめ。その代わり、脇を固めるメンバーたちのファインプレーが光る。

 

 なかでも、とあるバイプレイヤーが、その場を乗り切るアイデアをひらめいたシーンなんて最高。ほかにも見せ場が用意されたキャラが何人もいて、終始ドタバタながらも個々が自分のできることを最大限にやっていくというチーム感が、鳥肌もので感動だった。

 

 もちろん第8話まできちんと観たうえで視聴するのがベストだが、途中回で脱落していた人も今夜放送の第9話は観てみてほしい。

 

 第9話から「最終章」と銘打たれており、放送前から大きな注目を集めていた本作もあと残り数話。三谷氏が「舞台」をテーマにしたこの作品をどのように終幕させるか、その手腕に期待したい。

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出典元: SmartFLASH

著者: 堺屋大地

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