
亡くなった四代目片岡亀蔵さん
11月24日午前4時ごろ、東京都足立区の菓子工場兼住宅で火事が発生。現場から救急搬送され、搬送先の病院で死亡が確認された男性は、歌舞伎俳優の四代目片岡亀蔵さんだった。
「亀蔵さんと一緒にいた60代男性も搬送されていますが、意識はあるということです。現場となったのは、1階が菓子製造工場、2階と3階が住居の3階建てビルです。亀蔵さんは3階に知人男性と一緒におり、2階にいた知人のお兄さんは逃げて無事だったようです。亀蔵さんの死因は一酸化炭素中毒とみられています」(芸能記者)
同日、松竹が運営する歌舞伎公式サイトで、死去が発表された。《時代物、世話物、新作などジャンルを問わず、敵役から老け役、滑稽味のある役など幅広い役柄をこなし、存在感のある確かな演技力で舞台の脇をしっかりと固めるベテランの俳優として活躍》と、歌舞伎界の損失を報告している。
「Xでも多くの関係者や演劇人が反応しています。俳優の笹野高史さんは《なんてことだ、どうしてこんな、、、。片岡亀蔵さんよぉ、そんなあっけなくいかないでくれよー!》とポスト。歌舞伎俳優の坂東彌十郎さんは、自身のブログで《二郎ちゃん ダメだよ〜》《えっ二郎ちゃん 嘘でしょ》などと書き込んでいましたが、逝去を受けて削除し、現在は《何にも言えません ただ 献杯》とアップしています。“唯一無二”と評された野太いダミ声とその演技力で、歌舞伎界にはなくてはならない存在といわれていました」(同前)
亀蔵さんは、故・五代目片岡市蔵さんの次男であり、兄は六代目片岡市蔵という歌舞伎一家に生まれた。1965年、4歳のとき、本名の片岡二郎の名で初舞台を踏んでおり、芸歴60年ということになる。1969年に四代目片岡亀蔵を襲名、時代物から新作まで、さまざまな作品で活躍した。Xではその個性、演技力を惜しむ声が多い。
《亀蔵の芸って、独特だよな 味があるんだよ 唯一無二の存在で代わりが効かない、そうゆう俳優さん》
《名脇役といえば私の中ではあの方で…あの声ももう映像でしか聞けないの…?》
《親子二代にわたって奇禍に遭われるとは。言葉もない》
亀蔵さんの父である五代目市蔵さんは1991年6月30日、営団地下鉄(当時)千代田線湯島駅で、酒に酔ってホームから線路に転落。列車に接触し、亡くなっている。
「親子2代にわたって、思いがけない災難で命を落とすことになってしまいました。今後、事故の詳細も捜査が進むと思われますが、歌舞伎界にとっては得難い人材を亡くしました。12月は京都・南座で『吉例顔見世興行』に出演予定でしたが、追悼公演ということになるかもしれません」(前出・芸能記者)
映画ファンとしても知られ、『ゴッドファーザー』シリーズや『ゾンビ』の熱烈なファンでもあった。希代の名脇役は、あまりにも突然、この世を去ってしまった。
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