伊藤沙莉
11月23日放送の『情熱大陸』(TBS系)に、連続テレビ小説『虎に翼』の脚本家・吉田恵里香が出演。その揺るがない創作哲学が話題を呼んでいる。
2024年度前期、日本で初めて女性として弁護士、判事、裁判所長それぞれを務めた三淵嘉子をモデルに、オリジナルストーリーのフィクションとして制作された同作。 伊藤沙莉がヒロイン・寅子を務めたこのドラマは多くの熱狂的ファンを集めた一方、議論を呼ぶことも多かった。
「この日の『情熱大陸』では、『虎に翼』に寄せられた、『人権意識が押しつけがましい』『制作者の思想が強すぎる』といった批判についてどう思っているのか、吉田さんに率直に尋ねたのです」(芸能記者)
その問いに対する彼女の答えはこうだった。
「吉田さんは物語を書くことによって、『救われたい人とか苦しい思いをしてきた人とか、省かれてきた人とか、虐げられてきた人のために戦う』と持論を展開。さらに『エンタメを通していいものを作るイコール私の“戦う”だから、その人たちが、面白いと思うものを書けたらいいなあと思う。両立するものが作れたらいいなあというのがベストの答え』と、面白さと心の救済が両立できる作品が理想だと語りました。
一方で、『そもそもそっちが楽しむ気がない人には、多分届かないからどうしたらいいのかなとは思う。私は自分が面白いと思うものを作るだけ』と割り切った考えも話していました」(同前)
そんな彼女に対してX上では、
《吉田さんの肝の据わり方が好き》
《戦う姿カッコ良すぎる》
《ブレない強さ カッコいい!》
と、支持する声が並んだ。今や社会派ドラマの名手として称えられる吉田について、放送作家はこう語る。
「とくに女性からの支持が高いようで、『虎に翼』のシナリオが書籍化された際の発売記念サイン会には、子育て中の女性など、熱心なファンが詰めかけていましたね。
同ドラマを振り返ると、ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)の口癖は『はて?』と、社会の常識を問い返す言葉でした。これはまさに、ペンで誰かを救おうとする吉田さん自身の考えにも通じているのではないでしょうか。つまり、吉田さん姿勢のひとつが投影されていると言えるでしょう。
吉田さんは少女時代、親の影響で『セックス・アンド・ザ・シティ』などの海外ドラマに夢中になっていたそうです。さまざまな人種やセクシャリティーの人たちが出てくる作品を見て、多くの価値観に触れてきたことが、今の自分に影響していると述べていましたね。また、脚本家としてデビューした頃の制作現場は今より男性優位の社会で、悔しい思いをしたそうです。その頃の“生きづらさ”も原動力になっているでしょう」
来年3月には轟(戸塚純貴)とよね(土居志央梨)のバックストーリーを盛り込んだ『虎に翼』のスピンオフも放送予定。モノ言う脚本家の快進撃はまだまだ続きそうだ。
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