
佐藤浩市
妻夫木聡主演の日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』(TBS系)。名優・佐藤浩市が演じていた山王耕造が、先週11月23日(日)放送の第7話で、逝った。
そして、これまで物語をパワフルに引っ張ってきた耕造のポジションを継承することになったのが、Snow Man目黒蓮演じる耕造の隠し子・中条耕一だ。
■佐藤浩市=耕造は、最後までかっこよすぎ
妻夫木、佐藤、目黒を中心に、黒木瞳、沢村一樹、津田健次郎、安藤政信、小泉孝太郎、松本若菜、高杉真宙といった豪華布陣で、競馬の世界を舞台に熱き大人たちが夢を追いかる姿を描いたヒューマンドラマ。仲間や家族との絆を軸にした20年にわたる壮大な物語だ。
妻夫木演じる栗須栄治は、税理士として人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」の競馬事業部へ実態調査したことがきっかけで、佐藤演じる社長・山王耕造の人間力や競馬にかける情熱に惹かれ、ロイヤルヒューマンに入社。栗須は耕造のマネージャー・秘書となる。
馬主として有馬記念を制することに人生を賭けてきた耕造だったが、何度挑戦しても勝利できないまま第7話ラストで逝去。志なかばで亡くなった耕造の意思を、耕一と栗須が引き継ぐことになった。
耕造を一言で表すなら「豪胆」。
ワンマン社長でパワハラまがいの言動もあるため、好き・嫌いが別れるタイプ。一歩間違えると、Z世代が苦手な昭和のイケイケオヤジのなれの果てという感じで、ただただ高圧的でウザい老人に見えてしまうかもしれない。
だが、佐藤浩市の演技や秀逸な脚本によって、豪胆さのなかにも繊細さが醸し出されており、人や馬への情が厚く、人間味あふれる、非常に魅力的なキャラクターに仕上がっていた。
第7話後半。死期が近い耕造が、栗須と2人きりのシーンで「俺は馬主としては凡庸だったが、お前をこの道に引きずり込んだことは、手柄だったな」と語り、栗須が耕造に背を向けたまま漢泣きするシーンは鳥肌もので感動。耕造、最後までかっこよすぎだ。
■主人公は自ら輝きを放てるタイプではない
社長・耕造とマネージャー・栗須は、まるで太陽と月のような関係性だった。
栗須はこのドラマの主人公だが、誤解を恐れずに言うと、自ら輝きを放てるタイプのキャラクターではない。馬主になれるような資金力はないし、馬や血統の選定眼もない。ジョッキーでも調教師でもなく、競馬界における突出した才能は持ち合わせていない。
とはいえ、そんな “持たざる者” が主人公だからこそ、視聴者は競馬界を俯瞰して見られるメリットもある。
しかし、いくら栗須が芯の強いキャラクターであっても、それを積極的に表に出して目立つタイプではないから、自発的には輝かない。太陽の光があるから月が輝くように、耕造がいたからこそ栗須の魅力が引き出されて輝いていた。
物語は栗須視点で描かれているが、物語の中心にいたのは耕造だったし、ときに搔き乱しながらも引っ張って動かしてくれたのは耕造だった。そんなキーマンが今夜放送の第8話からはいないのである。
そして、耕造亡きあとの太陽ポジションを担うのが目黒蓮演じる耕一なわけだが、栗須と耕一はよくも悪くも似ている部分がある。耕一も根っこにとても熱いものを持っており芯が強そうだが、表向きは寡黙でクールなキャラクターだ。
正直、佐藤浩市演じる耕造のポジションを引き継いだ太陽となれるかどうか、懸念は残る。
一応言っておくと、耕一というキャラに魅力がないとか、目黒の演技に不安があるとか、そういうわけではない。耕一は耕一で魅力的なキャラだし、目黒の演技力の高さは知っているが、耕造の代わりとなって栗須を輝かせられるかどうかは未知数ということである。
■懸念もあるが…すでに “号泣確定” 案件
ただ、その懸念はきっと杞憂に終わる。というのも、劇中で耕造は亡くなっているが、回想シーンとして佐藤浩市の出番はまだあるかもしれない。第8話以降も、主人公を輝かせる太陽ポジションとして残る可能性はある。
そもそも第7話までに積み上げてきた耕造と栗須の関係値がゼロになるわけではなく、その高く強い土台のうえに耕一と栗須の物語が展開されるので、耕一が耕造ほど栗須を輝かせられなくても問題はないだろう。
要するに、耕造による御膳立てはもう十分にできているということ。
耕造の意思を継承した栗須と耕一で有馬記念を制することができたら、本作のファンは大感動するに決まっている。少なくても筆者にとっては “号泣確定” 案件だ。
今夜放送の第8話から「最終章」と銘打たれている。クライマックスで有馬記念勝利という有終の美を飾れるのかどうか、注目である。
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