
TBS・山本恵里伽アナウンサー(TBSアナウンサー公式Instagramより)
テレビ局の「顔」であるアナウンサーやキャスターは、ニュース番組でどこまで私的な見解を述べていいのか、あるいは述べるべきなのか。「報道のTBS」と呼ばれる局の2つの番組で、その中立性が改めて問い直されている。
「11月29日放送の『報道特集』でメインキャスターのひとりである山本恵里伽アナが、26日に首相官邸前で行われた『日中の平和と対話を求める集会』を取材。そこで参加した学生たちから、『カメラの前で顔を出して訴えることは避けたい』という声を複数聞いたと報告しました」(芸能記者)
山本アナはその後、取材した印象についてこう語りだしたという。
「彼女は、『世界平和とか反戦という言葉って、私は当たり前のことだと思うんです。ただこうした、当たり前のことであっても、はっきりと言いづらい空気が今はあるんだ、ということに、ショックを受けました』とコメントしました」(同前)
学生たちの葛藤を報告しつつも、個人的な感情評価も付け加えた。
「山本アナといえば、7月におこなわれた参院選の投開票でも参政党について私見を述べました。参政党の“日本人ファースト”に触れたうえで『外国人政策が争点に急浮上するなかで、これまではそこまで注目されていなかった強硬な主張が急に支持を集めるであるとか、社会が決して受け入れてこなかった、排外的な、差別的な言葉がSNSで拡散していく。そういった現実に、正直すごく戸惑いを感じています』とかたり、大きな反響を呼びましたね」(同前)
また、12月1日放送の『news23』では高市早苗首相の政治資金問題が大きく取り扱われたが、そこでクローズアップされたのがキャスターを務める小川彩佳アナの発言だった。
「事の発端は、高市氏が代表を務める自民党支部が、去年企業から1000万円の寄付を受けていたことが判明したものです。企業の資本金が1億円の場合、政治資金規正法が定めた上限は750万円ですが、それを250万円上回っていたのです。高市氏側は『ミスがあった』と説明していました。
この一件がVTRで紹介されたあと、スタジオで小川アナは、『またもこの政治資金の使い方が物議を醸しているわけですけども、高市総理が企業から上限を超える寄付を受けていたことも判明しましたね』と、“またも”という言葉を使い強調しています」(同前)
こちらの発言にも、高市首相を支持する人たちを中心に、批判的な言葉が寄せられている状況だ。芸能ジャーナリストはこう語る。
「報道のキャスターが、時の政権に対して、基本的に批判的なスタンスを取るのは当然のことです。ただ一方、昨今ではリベラルと保守の分裂が視聴者の間でも激しく、“批判ありき”の報道になっているのではないかという声が多いのも事実です。
“報道のTBS”として、しっかりと切り込むところは切り込みつつも、説得力を失わないためには、淡々と報道するのが大切かもしれませんね」
今年の「新語・流行語大賞」年間大賞は、高市首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」に決定したことは周知の事実だが、トップテンにオールドメディア」も選ばれたことはあまり報じられていない。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







