
坂本冬美、藤あや子
「戦後60年」がテーマとなったこの年、毎年『紅白歌合戦』を楽しみに観てくださっている方のご意見を番組に反映させるため、NHKで実施したのが「スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜」です。
750万票を超える投票の結果、紅組1位に輝いたのはモーニング娘。さんの『LOVEマシーン』で、白組1位はSMAPさんの『世界に一つだけの花』。
紅組2位が夏川りみさん、森山良子さんが歌った『涙そうそう』で、白組2位がORANGE RANGEさんの『花』。紅組3位が大塚愛さんの『さくらんぼ』で、白組3位が(氷川)きよしくんの『きよしのズンドコ節』です。
で、そこから、ず〜〜〜っと下って……あった、ありました、坂本冬美の『夜桜お七』は紅組41位です。喜んでいいのか、それとも肩を落としたほうがいいのか、なんともビミョーな順位ですが(苦笑)、紅組の上位を見ると、中島みゆきさんの『地上の星』が7位で、大先輩、美空ひばりさんの『川の流れのように』が8位。山口百恵さんの『いい日旅立ち』が10位で、石川さゆりさんの『天城越え』が16位、『津軽海峡・冬景色』が39位。
昭和から平成の時代を彩った名曲の中に交じって、わたしの『夜桜お七』が41位にランクインしたのですから、投票してくださった皆さんには、感謝しかありません。
しかもです。神様のお導きかただの偶然か、白組41位は憧れのサザンオールスターズさんの『いとしのエリー』です。もう、ただただ光栄で、アンケート結果を見る目がハートになってしまいます(笑)。
紅組・仲間由紀恵さん、白組・山本耕史さんの司会で始まった『第56回NHK紅白歌合戦』のトップバッターを務めたのは白組が細川たかしさんで、紅組が川中美幸さんです。この2年前のトップバッターはBoAさんとw−inds.さんで、前年が上戸彩さんとTOKIOさんでしたから、驚かれた方もいたと思います。
そこから鈴木亜美さん、北山たけしくん、水森かおりちゃん、w−inds.さんと続いて、わたしは7番めの登場です。
待つ時間が長ければ長いほど、緊張を強いられる時間も長くなるので、7番という順番は気持ち的にはすごく……いや、ものすごく楽です。
ただ、オープニングに参加した後、大急ぎで楽屋に戻り、本番用のお着物に着替えて、髪を結い直して飾りを替え、草履を履き替えて……となると、時間的にはかなり切迫感があります。
お着物はともかく、髪は同じでいいんじゃないの? と思わなくもありませんが、「そんなことはあり得ない」というのがヘアメイクさんのこだわりであり、矜持です。うっかり口にしようものなら、キッと睨まれてしまいます。
「おかしいところはない?」
何度もチェックして、OKになったところで、最後にもう一度、楽屋で発声練習。出番の3組前にはステージ袖にいなきゃいけないので、準備にかけられる時間は10分あるかないか……このときは、ギリギリセーフという感じでした。
緊張を強いられる時間は長いけど、時間に余裕のある2部がいいのか!? 緊張から早く解放される1部がいいのか?
出場される方、皆さんそれぞれだと思いますが、わたしの場合、理想を言わせていただくと1部の後半か、2部の前半ですが……選んでいただけるだけで幸せ者です。
さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、最新シングル『浪花魂』が好評発売中!
写真・中村 功、産経新聞
取材&文・工藤 晋
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