
流行語大賞を受賞した高市早苗首相(写真・共同通信)
12月1日、今年話題になった言葉に贈られる「T&D保険グループ新語・流行語大賞」が決定した。2025年の年間大賞は、日本初の女性総理大臣となった高市早苗氏が自民党総裁選に勝利した際に発した「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」に決定。「過重労働を促進するのでは」との批判もあり、賛否渦巻く中での受賞となった。
例年、大きな話題となる「新語・流行語大賞」だが、どのように選考されるものなのだろうか。数年にわたり選考委員を務めてきた、辛酸なめ子氏に話を聞いた。
「流行語大賞では、12月1日に年間大賞を発表するため、10月下旬から動き出します。
まず、『現代用語の基礎知識』(自由国民社)に掲載されている言葉の中から60語ほどが表にまとめられて各選考委員に送られてきます。その表を参考にしながら、各自が付け足したほうがいいと思う言葉を追加して、事務局に送り返す。こうして追加された言葉を事務局がまとめてくださり、それに選考委員がそれぞれの流行語に点数をつけて再送します。
同月、こうした採点表を基に、会議が都内某所で開かれ、3~4時間話し合って、候補を30語まで絞り込むのです。これは、11月5日に発表されます。
選ぶ基準は、その言葉がどのくらいの層に広がったか、ネガティブすぎる言葉を残すのはどうか……といったポイントですね。今後、日本の歴史に残るような言葉、時評をあらわす言葉を選ぼう、と念頭に置いています」(辛酸なめ子氏・以下同)
では、今回の年間大賞はどのような雰囲気で決まっていったのか。やはり、選考委員の中では異論もあったようだ。
「選考委員の中には、政治や権力に近しい言葉を選ぶことに懐疑的な意見もありました。ただ、年間大賞を選ぶ中では、『初の女性総理を応援しよう』といった空気感になっていったと記憶しています。私も、日本初の女性首相は歴史に残る出来事なので、高市さんに関する言葉が大賞にふさわしいのではないかなと思っていました。ただ、『女性首相』という単語だけだと、本人の言葉ではないので、あの台詞が選ばれたのでしょう」
実は、授賞式に出席した辛酸なめ子氏は、ある“サナ活”をしていたという。授賞式には高市首相も出席していたが、その反応は……?
「私は、高市さんが使用しているボールペンを購入して授賞式に臨んでおり、“サナ活”をアピールしていたのですが……。当日は言葉を交わすような場面はなく、SPの方も多かったので、本当に遠めに眺めていただけです。ただ、ノリのいい方だな、という印象を受けましたね。
今回の年間大賞の言葉もそうですが、演歌のこぶしが入っているような感じで、バブル時代を思い起こさせるものでした。威圧感もなく、人に好かれる方なんだろうと思いましたね。
それに、『自分も働いて国民の皆さまのために貢献したい、そんな思いがございました』などとお話しされていて、安心しました。ワーカホリックになれ、という意味ではないということがわかりましたから」
来年は、どんな流行語が生まれるだろうか。
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