
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』のロケをする竹内涼真
最終話の意味深なラスト90秒、みなさんはどう解釈しただろうか? 竹内涼真×夏帆のダブル主演作『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)のことだ。
TVerを含む無料配信再生数でTBS全番組中のベスト記録を更新し、今期随一の “バズりドラマ” となった『じゃあつく』が、12月9日(火)に最終話を迎えた。
勝男(竹内)は「女の幸せは、家で料理を作って愛する人の帰りを待つこと」「料理は女が作って当たり前!」という古臭い価値観を持っていた。そんなモラハラ男ゆえに、大学時代から交際していた鮎美(夏帆)にプロポーズするも、「無理」と断られてしまい破局。
元カノとの愛を取り戻したい男性主人公と、自分らしさを取り戻したい女性主人公による、別れから始まる2人の成長&再生ロマンスコメディだ。
本稿では最終話のネタバレが含まれているため、未視聴の方はご注意を。
■【ネタバレあり】復縁か破局か…その結末は
第1話の勝男のモラハラモンスターっぷりはすさまじかったものの、プロポーズを断った鮎美の気持ちを理解するために、男は料理なんてしないという従来の価値観を捨ててキッチンに立つなど、変わる努力を開始。それからは料理の腕が上がっていくのと比例するように、勝男はどんどん人間的に成長していった。
迎えた最終話。
冒頭から勝男が「もっかいやり直そう、俺たち。今の俺たちならうまくいくと思う。鮎美も、俺も変わったし。前みたいにはならない」と気持ちを伝え、鮎美も「うん」と頷き復縁が成立した。
ただ、再び恋人同士になったものの、どこか気持ちがすれ違ってギクシャクしており、2人の間には終始不穏な空気が……。最終的に、勝男は自分の存在が自立したいという鮎美の邪魔をしてしまっていることに気づき、「よし。決めた。終わりにしよう」と告げ、鮎美も「終わりにしよう」と応え、破局するという結末になった。
そして最後の90秒。
後日、勝男が商店街の脇道で散歩中の犬たちとたわむれているところに、鮎美が近くを通りかかる。犬の鳴き声がして鮎美が一瞬振り返るも、勝男がいると気づかずに再び歩き出す。勝男も鮎美が近くにいたことに気づかないまま、2人は別々の道に進んでいくというラストシーン。
筆者はこの演出を、“2人は運命の恋人同士ではなかった” ということを示した隠喩なのだと解釈した。
■運命的に “偶然の出会い” を繰り返していた
本作ではこれまで、勝男と鮎美は、何度も何度も “偶然の出会い” を繰り返していた。
あるときはスーパーで偶然遭遇、またあるときは図書館で偶然遭遇、またあるときは路上の自販機で偶然遭遇といった具合。同じ街に住んでいるとはいえ、待ち合わせもしていないのに何度も出会っていた。
これを “物語を動かすためのご都合主義” と考えることもできたが、“決められた恋人同士は何度もめぐりあう” と好意的に捉えることもできた。ご都合主義だと穿った見方をしないなら、2人は運命の赤い糸で結ばれていて、見えない力で引き寄せあっていると、ロマンティックな解釈ができたわけである。
しかし、最終話はめちゃくちゃ近くにいた2人が出会わないという、“運命で結ばれている説” を否定する形で終幕。このラストシーンを見て、筆者は “運命の恋人同士ではなかった” と感じた。
■続編スペシャルがあるとしたら始まり方は
とはいえ、最終話の興奮冷めやらぬなか、「WEB女性自身」が早々に本作のスペシャルドラマの制作が決定したとスクープしている。最終話で別れた2人だが、続編が放送されるとなれば、そこで再び復縁して大団円のハッピーエンドとなる可能性も十分あるだろう。
ちなみに、前述したとおり、ラストシーンで2人は別々の道を進んでいくのだが、そこは駅前のロータリーだった。左回りに進むか右回りに進むかの違いだけで、この後に2人が駅で偶然遭遇するなんてこともありえるのだ。
なんだったら、もし本当にスペシャル回が放送されるのなら、ラストシーン直後からスタートし、駅で勝男と鮎美がぶつかって物語が再び幕を開けるなんて演出もありえるかもしれない。
続編があるかどうかは定かではないが、いずれにしても本作のファンは、まだしばらくあれやこれやと勝男と鮎美のこれからの物語を想像し、余韻にひたることだろう。
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