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『良いこと悪いこと』間宮祥太朗の鬼気迫る演技に感嘆も…新木優子と剛力彩芽の “遣い方” に疑問【ネタバレあり】

芸能 記事投稿日:2025.12.21 14:20 最終更新日:2025.12.21 14:22

『良いこと悪いこと』間宮祥太朗の鬼気迫る演技に感嘆も…新木優子と剛力彩芽の “遣い方” に疑問【ネタバレあり】

抜群のスタイルを見せる新木優子

 

 間宮祥太朗が演じた男性主人公の行動・結末は、“これしかない” という納得のものだった。けれど、新木優子が演じた女性主人公と、クラスメイト役だった剛力彩芽の扱いは、本当にこれでよかったのか?

 

 12月20日(土)に最終話(第10話)が放送された間宮祥太朗×新木優子のダブル主演作『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)。SNSやネットニュースでおおいに話題を集め、考察ドラマとしてバズッた作品だった。

 

 小学校時代の同窓会でタイムカプセルを掘り起こした元6年1組のクラスメイトたち。現在34歳になっている彼・彼女らは再会を喜んでいたが、タイムカプセルのなかから出てきた卒業アルバムのクラス写真は、猿橋園子(新木)をいじめていた6人の顔が黒く塗りつぶされていた。

 

 この6人が次々と狙われていく連続殺人ミステリー。クラスのリーダー的存在だった高木将(間宮)もいじめグループの1人だったのだが、第9話までで高木以外の5人はすでに殺害されていた。

 

■【ネタバレあり】間宮祥太朗の最後の行動には大納得

 

 犯人たちの目的は、実は6年生時代は関係なく、高木たち6人が5年生時代に行っていたいじめに対しての復讐だった。

 

 5年生のころ、高木たちからいじめを受けていた少女は、不登校となり夏休み明けに転校。しかし、大人になってから偶然高木と再会したことで心の傷がぶりかえし、自死していた。犯人たちはその女性と関係が深い3人だったのだ。

 

 高木たちがおこなっていたいじめは、いじめられた側にいっさい非がない些細なきっかけから始まり、かなり陰湿・凄惨で、擁護のしようがないほどひどいものだった。

 

 ドラマや映画で主人公にここまで問答無用で非があるケースは珍しく、それゆえに高木の最終的な決断・行動に注目が集まったが、“これしかない” と思えるケジメのつけ方だった。

 

 高木は自らの意思で、週刊誌記者・園子の顔出しインタビューを受けることにしたのである。自身や家族が世間から厳しく糾弾されるのを覚悟のうえで、カメラの前で過去のいじめを正直に語り、懺悔したのだ。

 

 被害者は亡くなってしまっているし、犯人たちの人生は大きく狂ってしまったので、もちろんこの程度で罪を償えるなんてことはないが、いまの高木がすべきこと・できることとしては納得の落としどころと言えるだろう。

 

■終盤の新木優子、存在感がだいぶ希薄になってしまった

 

 作品の着地の仕方としては申し分ないのだが、新木優子と剛力彩芽の扱いについて少々気になっている。

 

 まず新木について気になったのは、物語が佳境に入っていった終盤で、彼女が演じた女性主人公・園子の存在感がかなり薄れていたことだ。

 

 犯人のターゲットが園子をいじめていたグループだったことから、序盤から中盤にかけて、作品として彼女の存在意義は大きかった。けれど終盤に入り、いじめられていた人物はもう1人いて、どうやらそっちの復讐が目的だと匂わされたことで、よくも悪くも園子は事件の当事者ではなくなってしまう。

 

 いじめられていた少女の仲間がいじめっ子グループに復讐するという対立構図に園子は無関係だから、ざっくり言うと蚊帳の外状態。ぶっちゃけ女性主人公がいなくても物語は進められるようになってしまい、実際、最終話前の第9話は “空気” とまでは言わないが、だいぶ存在感が薄かったのである。

 

 さすがに最終話は多少見せ場があり、犯人のうちの1人と対峙する長尺シーンがあったが、おもにしゃべっていたのは犯人で、園子は正論で返していた程度。

 

 同時進行で、高木が別の場所でもう1人の犯人と対峙していたのだが、こちらは当事者同士だけあって緊迫感MAX。高木を演じる間宮の鬼気迫る演技も相まって、完全に高木側のシーンが本作のクライマックスとなっていた。

 

 園子のポジション上、終盤で存在感が薄くなるのはわかっていたことだと思うので、最後まで存在が必要不可欠となるような役回りを与えてほしかった。

 

■剛力彩芽は無駄遣いか、それとも最高に贅沢な遣い方か

 

 剛力彩芽の扱いについても気になった。彼女が演じる土屋ゆきはクラスメイトだったが、いじめグループには入っておらず、いじめられっ子だったわけでもない。

 

 ゆきは第1話の同窓会シーンにはいたが、第2話からしばらく出番ナシ。第7話以降に主人公たちの仲間として本格登場してきたキャラだった。ご存知のとおり、剛力はかつてドラマや映画の主演を次々とこなしていた売れっ子俳優。

 

 だから、中盤までほとんど登場しなかったり、出てきたと思ったら仲間に加わったりしたことで、怪しくないところが逆に怪しすぎて、ゆきは真犯人の有力候補だった。これで本当にただの善良キャラだったら、出番も少ないし見せ場もほとんどないため、「剛力彩芽の無駄遣い」になってしまうと思った視聴者も少なくなかったはず。

 

 けれど、けっきょく真犯人ではなくただの善良な人物で、さらに言うと終盤の第9話や最終話の出番はわずかだった。本当に「剛力彩芽の無駄遣い」状態だったため、多くの視聴者が肩透かしを食ったことだろう。

 

 まぁ見方を変えれば「剛力彩芽の贅沢な遣い方」とも言える。

 

 考察ミステリー作品において、真犯人は視聴者に最後までバレないほうがいいので、あからさまに怪しい言動や演出がない場合が多い。さらに知名度の低い役者を起用すると最終話が盛り上がらないので、真犯人は人気俳優のほうがいい。剛力演じるゆきはこの条件をみごとにクリアしていたため疑われていたわけだ。

 

 剛力演じるゆきは、そうやってミスリードを誘うために制作陣が配置したキャラだったのだろう。「剛力彩芽をこんな出番が少なく、毒にも薬にもならない役でキャスティングするわけがない」という思い込みの裏を、まんまとかかれたといわうけだ。

 

 そう考えると、新木優子の終盤の遣い方はもっと工夫してほしかったが、出番が少なく善良なキャラで剛力彩芽を出演させたことは、無駄遣いなどではなく最高に贅沢だったのかもしれない。

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出典元: SmartFLASH

著者: 堺屋大地

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