
樋口日奈
「せっかくの人生だから、全部を楽しい思い出にしたいなと思って撮っています」
女優の樋口日奈(27)が、嬉しそうに手にするのはコダックのデジタルカメラだ。
「友達とご飯に行ったときに、お酒を飲んで酔っている私を撮ってくれた一枚がすごく幸せそうな表情だったんです。なにげない日常も写真として残すと、いい時間だったと思い出させてくれるなって。スマホより不意の素の瞬間を激写できて、味のあるいい質感で撮れるんですよね。動画も撮れて、コードを繋ぐとそのままスマホに転送できるので、とっても便利。仕事現場には必ず持って行きます」
ドラマの撮影現場では、9日間ですでに100枚ほど撮影したという。そんな樋口は、2011年に乃木坂46 1期生オーディションに合格、選抜メンバーを務めるなど活躍してきた。2022年の卒業後は、舞台やドラマでその存在感を放っている。
「乃木坂46のライブは、お客さんと作り上げていく空気が大事。お客さんに作っていただいている感じがあります。
同じ“生”でも舞台は違って、持久力が必要です。スタッフさんやキャストの皆さんとひとつのものを磨き上げていって、観ていただく感じ。映像には瞬発力が必要で、エネルギーをぶつけ合って演じたカットは二度とやってこない、一瞬の儚さがありますよね。舞台と映像はまったく違うので、演じていて新鮮で楽しいです」
樋口は、乃木坂46時代からかなえたい夢をリスト化してきたが、その夢のひとつが劇団☆新感線の舞台に出演すること。2025年5月上演の『紅鬼物語』の主要キャストとして舞台に立ち、夢をかなえた。
「劇団☆新感線が好きでよく観に行っていたので、すごく嬉しかったです。願っていればかなうんだという思いがあるのですが、かなわなかったことをずっと考えてしまうので、夢リストは書かなくなりました。最近は、小さな成功体験のほうが自分の自信に繋がると思うようになりました。その代わり、自炊をするとか母を旅行に連れて行くとか、自分の頑張り次第で達成できるものはリスト化しています。その瞬間、瞬間にいただいたものを一生懸命やるほうが、私の性格には合っていると思うんです」
そんな樋口がヒロインを演じるのが、池田匡志(26)とW主演を務めるドラマ『本命じゃなきゃよかったのに』(MBSほか)。10年ぶりに再会した浮気相手・嬉野栄成(池田)との関係に溺れていく大沼実歩乃を演じている。
「原作と脚本を読んで、実歩乃に共感できる部分が多かったので、違和感なくナチュラルに演じられました。実際には、自分で描く理想のタイプの人がいても、好きになる相手ってまったく違うから。本能で行ってしまうというか、わかっていても動いてしまうんだろうなっていう実歩乃の心の動きには共感できました」
池田演じる栄成に実歩乃は沼ってしまうが、演じながらこう感じたという。
「抜け出そうと抗えば抗うほどハマっていく沼と同じで、抗えば抗うほど好きになってしまう。実歩乃を演じるために、どうやったら栄成みたいに人の心を掴んで離さない人間でいられるんだろうって考えてばかりいます。自分も恋愛だけではなくて、出会う人、出会う人を“沼らせる人”になりたいですね」
2026年の干支は「午」。じつは、樋口と馬の間にはただならぬ縁があるそうだ。
「小学生のころの初恋の相手や、その後にいいなと思った人はなぜか全員、友達から『馬みたいな人だよね』って言われるんです(笑)。乗馬経験もありますし、馬はとっても性格が穏やかで、(私も)めっちゃ好きなので……そのせいかな(笑)。年女ではないですが、午年はいいことが起きそうな気がしています」
2026年の目標を聞くと「武器を磨く1年に」と話す。
「好奇心で動いてしまう人なので、2024年、南大東島に行く前に、あったら便利だろうと小型船舶の免許を取ったんです(笑)。でも、海が時化る時期だったので乗れなくて。なかなかチャンスがないですが、“ペーパー”を卒業したいですね。同じくほぼペーパーの中型免許は、ツーリング計画があるので卒業できそう。
映像作品で使って楽しかった篠笛も持っていて……と、興味を持ったものには手を出して、武器だけはたくさん持っているんです。今年はそれぞれにちゃんと磨きをかけて、上手に使えるようにしたい」
天馬の如く羽ばたく1年になりそうだ。
ひぐちひな
1998年1月31日生まれ 東京都出身 2011年乃木坂46の1期生オーディションに合格、2022年10月に卒業後は舞台やドラマに幅広く活躍。おもな出演作にドラマ『できても、できなくても』(テレビ東京系)、劇団☆新感線『紅鬼物語』、映画『雪子a.k.a.』(U-NEXT)など。W主演を務めるドラマ『本命じゃなきゃよかったのに』、ドラマ『顔のない患者-救うか、裁くか-』(1月8日スタート、毎週木曜、初回のみ深夜24時30分〜カンテレ、深夜25時〜フジテレビ)に出演する
写真・木村哲夫
ヘアメイク・林 万希子
スタイリスト・コバヤシリョウコ
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