知識をひけらかさないが、驚異の正答率を誇るタモリ(写真・白木 護)
2024年3月、明確な理由も発表されないまま、一旦終了した『ブラタモリ』(NHK)。全国のタモリマニアを大いに落胆させたが、2025年4月、どういうわけか突然復活! 復活後の『ブラタモリ』は、放送枠が45分から30分に短縮されたとはいえ、再びタモリの蘊蓄(うんちく)を楽しめるのだから、NHKには感謝せねばなるまい。
そう、この番組最大の魅力は、タモリの蘊蓄にある。この番組は、タモリとアシスタントのNHKアナウンサーが毎回ある地を訪れて、案内人(学芸員や大学教授など)の導きのもと、その地の成り立ちなどを解き明かしていくのだが、「タモさん、あなたはなんでそんなことを知っているの?」と思わざるを得ない知識を毎回開陳してくれる。当然だが、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)ではこうはいかない。地理や歴史に興味があって楽しみにしている視聴者もいるだろうが、タモリという人物の深みを堪能するにはうってつけの30分なのだ。
その深みは、タモリの正答率の高さによく表れている。正答率とは、案内人が出す問題にタモリが正解する率のことだ。この番組は、案内人がタモリに対して「これはどうしてでしょう?」や「ということは?」などと出題しながら進行される。タモリはこの問題に対していちいち答えなくてはならないのだ。
ちなみに、2024年1~3月は91.1%、2023年は90.8%、2022年は88.3%(いずれも筆者調べ)だったが……2025年は全203問中177問正解。つまり、87.2%と2025年も安定した数字を残してくれた。
4月6日放送の「伊勢神宮への旅・第四夜」では16問中15問正解と、すさまじい成績だ。クイズ王でもないのに、これだけの成績を残せるタレントはタモリだけだろう。タモリは東京・青山にある薬研坂の由来も知っているし、国宝・三十三間堂がなぜそう名付けられたかも知っていた。花崗岩がどうしてできるのかなどは朝飯前だ。
タモリがすごいのは、これまでの人生で得た知識を用いて、出された問題を類推して答えを導くことだ。なので、答えるまでに少々の間が開くことがある。そのシンキングタイムこそタモリの腕の見せどころ。頭をフル回転させて正解を出し、視聴者と案内人を驚かせてくれる。
しかしながら、タモリは知識をひけらかさない。嫌味なくトークに盛り込んでくるから、視聴者もついつい聞いてしまう。そして、知らないことは知らないと言う。
2026年も『ブラタモリ』は続く。我々はもうしばらく、この稀有なタレントの蘊蓄を楽しめそうだ。
文・犬飼 華
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