菊池風磨
1月7日(水)深夜にスタートしたヒーローコメディ『こちら予備自衛英雄補?!』(⽇本テレビ系)。
大ブレイク中のtimelesz・菊池風磨が主演ということで注目を集めているが、昨年ヒットしたある人気ドラマを彷彿とさせ、またつい最近の別のドラマとの類似要素が多いなど、懸念点の多い船出となっている。
■“芸人ドラマ” としてバカリズムと比較される?
菊池の主演以外に話題となっているのが、極楽とんぼ・加藤浩次が原作・脚本・監督を務めている点。脚本は左子光晴氏と共同制作のようだが、要するに “加藤浩次のドラマ” なのである。
近年、芸人がドラマ制作に携わるケースが増えてきたが、日本テレビ系で “芸人ドラマ” と言えば、バカリズムが脚本を担当した2023年1月期の『ブラッシュアップライフ』、昨年1月期の『ホットスポット』が思い出される。
多くのドラマファンから “バカリズムのドラマ” と認識されている『ホットスポット』は、1年前にヒットしたばかりなのでまだ記憶に新しい。
バカリズムは脚本のみで、加藤は原作・脚本・監督という違いはあれど、どちらも “芸人ドラマ” という認知をされるだろうから、加藤の『こちら予備自衛英雄補?!』は、どうしてもバカリズム作品と比較されてしまいそうだ。
『こちら予備自衛英雄補?!』の第1話を視聴したかぎり、クスッと笑える要素はいろいろとあったものの、物語にグイグイ引き込まれる感覚は正直薄かった。『ブラッシュアップライフ』も『ホットスポット』も第1話から「おもしろっ!!」と没入させてくれたので、初回だけで比較するなら加藤の分が悪い。
もちろん、第2話以降でどんどんおもしろくなっていく可能性は十分あるし、ドラマは最終話まで観終えてからでないと総合評価はできないが、はたして……。
■大泉洋主演『ちょっとだけエスパー』と設定が酷似
“芸人ドラマ” としてバカリズム作品と比べられてしまうこと以上に、筆者が真っ先に抱いた懸念は、先月最終話を迎えたばかりの大泉洋主演『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日系)に初期設定が酷似していたことだ。
『こちら予備自衛英雄補?!』は、それぞれ特殊能力を持った主人公たち7人が防衛省から極秘で招集され、「予備自衛英雄補」(=ヒーロー)に抜擢されるストーリー。特殊能力といっても、菊池演じる主人公に備わっているのはしょうもないもので、ウソをつくとMAX30センチ空中浮遊できるだけ。
一方の『ちょっとだけエスパー』は、謎めいた企業に就職した主人公たちがちょっとした超能力に目覚め、チームで世界を救うというストーリーで、「ジャパニーズ・ヒーロードラマ」と謳っていた。
両作品は、超能力を題材にしたヒーロードラマというアウトラインが同じなのはもちろん、主人公たちの能力が一見するとたいしたことのないものだという点も酷似。
さらに、『ちょっとだけエスパー』の主人公は会社をクビになって妻と離婚しているが、『こちら予備自衛英雄補?!』の主人公も就活に失敗続きのフリーターで彼女なしの設定になっており、両者とも人生どん底という状況も似ているのだ。
ちなみに『ちょっとだけエスパー』は、2018年の『アンナチュラル』(TBS系)、2020年の『MIU404』(TBS系)、2024年の『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)などのヒット作を持つ脚本家・野木亜紀子氏の作品だった。
もちろん『こちら予備自衛英雄補?!』が『ちょっとだけエスパー』をパクッたなんてことはなく、偶然似てしまっただけだろうが、ヒットメーカーである野木氏の緻密な脚本と比較されかねないというのは、タイミング的にあまりに不運だ。
■ヒーローものの「密室コメディー」に期待したい
ただ、『こちら予備自衛英雄補?!』の公式サイトのイントロダクションでは、「前代未聞!? ヒーロー×密室コメディー」と謳われており、“密室” というキーワードが気になるところ。
主要キャラを特殊能力者にしておきながら、屋外でのロケや派手なアクションシーンはあまりなく、ワンシチュエーションコメディのようなドラマになっていくのかもしれない。
いずれにしても、菊池風磨はコミカルな演技がうまいし、加藤浩次は常識をぶっ壊すアイデアを持っていそうなので、2人の才能のシナジーによって、バカリ作品にも野木作品にも負けず劣らずの大傑作に化ける可能性もある。
今夜放送の第2話で、前途多難な状況を一蹴するような展開に期待したい。
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