
二宮和也が宣伝する電動キックボードサービス「LUUP」
街中で車やバイクの隣をさっそうと駆け抜ける電動キックボードーー。そんな光景も、都内では見慣れた光景になってきた。主要都市を中心に拡大を続け、全国1万6000カ所にポートを持つのは、Luup社が運営する電動キックボードのシェアサービス「LUUP」だ。
2020年に事業を開始すると、瞬く間に知名度を上げ、2024年には初となる地上波テレビCM放送で、嵐の二宮和也を起用。そのサービスは全国へと知れわたることになった。その一方で、「信号無視」や「飲酒運転」など危険運転を指摘する声も後を絶たず、2024年10月、社外監査役として元警視総監・樋口建史氏が就任したことで「天下りではないか」との疑惑がSNSで取り沙汰されたことも記憶に新しい。
そんななか、Luup社のある行動をめぐって、SNS上を中心に大きな議論が展開されている。発端は、元テレビ東京経済部記者で、現在は企業のPR戦略を専門の会社を経営する下矢一良氏の告発だ。下矢氏はこう話す。
「2025年7月2日に『ずるいPR術』という書籍を出しました。するとLuup社の広報から、出版社に対して書籍の内容の一部を削除するように、2度も要請があったのです。最初の削除要請は、出版直後の2025年7月に、2カ所に対し求められました。ひとつは、SNSでLuup社が《水道メーターの上にゴムシートを敷いてメーターを隠す形でポートを設置している》と批判されていた事例を紹介した部分です。これに対しLuup社は《隠す意図はなく、元々そうなっていた》と主張してきました。
第三者として事実関係を確認するのが困難だったため、この点については要請を受け入れ、第2版から該当箇所を削除しました。発売直後にトラブルとなり、書籍流通が滞ることで、各方面に迷惑がかかることも避けたかった、という気持ちもあります」
もう1カ所は、海外での規制動向に言及した部分だ。
「パリやマドリードなど、電動キックボードをめぐる規制が世界的に厳格化している事例をあげ、《日本の動きは、こうした世界の潮流に明らかに逆行しているのです》と書きました。この点については事実誤認ではないと考え、削除要請は拒否しました」
ところが、今度は2026年1月、再び削除要請が届いたという。
「一度、拒否したはずなのに、同じ内容を削除するよう言われました。さらに、Luup社が道交法改正のために政治家や行政に働きかけたとする記載2カ所についても、新たに削除せよという趣旨でした。なぜ半年も経って再び要請が来たのかは分かりません。いずれの要請も、Luup社から私に直接、連絡が来たことは一度もありません」
実際に下矢氏の著書の当該箇所を確認すると、《PRに成功したベンチャーが「社会悪」とまで言われしまった》という章で、Luup社の炎上歴や同社が掲げる大義、さらに経営陣の経歴を振り返り、SNS広報の“失敗例”として紹介している。
しつこい削除要請を受けて、下矢氏はこの顛末をXに投稿。削除に応じない場合には法的措置を示唆する発言があったと明かし、Luup社の強硬な姿勢は猛バッシングされることになった。芸能記者はこう語る。
「Luup利用者による法令違反や交通事故は、以前からネットでも話題になっていました。無理な追い越しなどを収めた動画がSNSで拡散され、たびたび物議を醸してきました。今回の炎上については、実業家のひろゆきさんも言及しています。
ひろゆきさんはXで《必死で削除要請をして事実を見えなくしようとするレンタル電動キックボードのLuup社。フランス・パリも違法。「利権を守る為に必死やな」》と痛烈な言葉を浴びせています」
本誌がLuup社に対し、下矢氏の著書に対する削除要請について事実確認をおこなったところ、以下の回答があった。
「2025年7月2日に公開された記事の内容に一部事実と異なる点があったため、弊社より媒体社様および出版社様に対し、内容の訂正を依頼いたしました。2025年7月3日時点で明らかな事実誤認箇所については訂正の対応をいただいておりましたが、弊社にてその事実を正しく認識できておらず、2026年1月に改めて訂正の依頼を差し上げるに至りました。
その後、出版社様より、既に対応済みの箇所以外は明らかな事実誤認には当たらないためこれ以上の訂正は行わない旨のご連絡をいただいております。弊社としてもそのご判断を尊重し、追加の修正依頼を行う意思はございません。なお、一連の依頼は出版方針への要望や法的措置等を前提としたものではなく、法的措置に関する通告をした事実はございません。
この度は弊社の確認不足により、関係者の皆様にご負担とご不快な思いをおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。今回の件を真摯に反省し、今後の対応のあり方に活かしてまいります」
つまり、Luup社は2度めの訂正は確認不足だったと謝罪したうえで、法的措置に関する通告は否定したのだ。だが、下矢氏はこう言って首をかしげる。
「今回の件について、結局、出版社に対しては『確認不足だった』という趣旨の謝罪電話があったとは聞いています。ただ、2回とも同じ広報責任者が対応しており、メールも残っています。『事実を正しく認識できていなかった』という説明には、正直、疑問が残ります。
また、広報責任者は強い口調で『別段の措置を取る』と出版社に伝えたと聞いています。『別段の措置を取る』という言葉は、一般的には法的措置を連想させるものではないでしょうか。ただ、電話でのやり取りだったため録音はなく、証明が難しいのが現状ですが、簡単に納得はできませんね」
最後に、下矢氏はLuup社の一連の対応をこう分析する。
「そもそも、私の本は電動キックボードの是非を論じるものではありません。あくまでSNSや広報PRのあり方を分析した内容です。その中でLuup社を取り上げたのも、SNS上で批判を招きやすい広報対応の一例としてでした。
結果として、今回の一連の対応そのものが、私が本で指摘した『SNSで嫌われる広報の構造』を示す形になってしまったのではないかと感じています」
ただでさえ、一部ネット上では批判が集まっているのに、今回の一件で、ますます反Luup感情が高まりかねない。
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