菊池風磨
主演は大ブレイク中のアイドルグループの中心メンバー、2番手キャストは約12年ぶりに帰還した人気朝ドラヒロインと、バズる要素は揃っている。にもかかわらず、ほぼ “無風”。あまり話題になっていないのだ。
中京テレビ・日本テレビ系で水曜深夜に放送されているコメディドラマ『こちら予備自衛英雄補?!』。
2月11日(水)に第6話まで放送されている本作は、主演をtimelesz・菊池風磨が担い、ヒロインには『あまちゃん』(2013年/NHK)以来の連ドラレギュラー出演となったのん(本名・能年玲奈)を起用。さらに極楽とんぼの加藤浩次が原作・監督などを務めていると話題性はてんこ盛り。
このように、深夜ドラマと言えど、ヒットするファクターは揃っているはずなのだが、なぜか “不発” なのだ。
■“あえてのB級コメディ” と考えれば悪くない
『こちら予備自衛英雄補?!』は、特殊能力を持った主人公たち7人が防衛省から招集され、「予備自衛英雄補」(=ヒーロー)に抜擢されるというストーリー。
ただ、特殊能力といっても使いどころがあまりないものが多く、たとえば菊池演じる主人公はウソをつくと30センチ空中浮遊できるだけ。のん演じるヒロインの能力は、傷や病気がある人に手をかざすと、それを近くにいる他者に移すことができるのだが、誰に移るかはわからないというリスキーなものだ。
さて、筆者の個人的な感想をお伝えしておくと、本作は決しておもしろくないわけじゃない。7人のキャラはしっかり立っているし、くすっと笑えるシーンもある。“あえてのB級コメディ” と考えれば悪くない。
ただ、菊池風磨という超売れっ子をキャスティングし、わざわざ12年ぶりにのんを引っ張り出してきたため、かなりハードルが上がっており、“一級品の上質コメディ” を求められてしまったのかもしれない。期待値とのギャップが大きく、肩透かしを食った視聴者が多いのではないか。
■中盤回の急なシリアス展開も斬新ではなかった
また、第6話はそれまでのコメディ路線と打って変わって、いきなりのシリアス展開。初代ヒーロー計画のメンバーだったという死刑囚が主人公たちの前に現れ、壮絶な死闘が繰り広げられた。
狂気的な言動を繰り返す死刑囚は、手を当てた場所を爆破できるというシンプルに殺傷能力の高いスキルを持っており、瀕死の重傷を負う仲間も……。
そして、元ヒーローだった死刑囚がヤミ堕ちした原因は、主人公たちを招集した防衛大臣に裏切られたためだったと明かされ、正義と悪がひっくり返るような真実が描かれた。
しかし、正直言うと、中だるみしがちな中盤回で物語の根底を覆すようなエピソードをぶっ込んできたり、ユルかったテイストを一気にシビアに切り替えたりする衝撃展開は、“一昔前の斬新手法” という感が否めない。
以前からある手法であって、つまり斬新ではないということだ。
第5話までの路線を考えるとたしかに衝撃的ではあったが、ドラマ好きや映画好きの視聴者は、この程度の衝撃には慣れっこ。想定の範囲内なので「はいはい、その手法できたのね」ぐらいの感想だったのである。
■“菊池風磨とのんの無駄遣い” にはしないで!
ちなみに本作は、前クールにテレビ朝日系で放送されていた大泉洋主演『ちょっとだけエスパー』と、初期設定などで類似点が多かった。
主人公たちがあまり役に立たなそうな特殊能力を持っているという要素などが似ていたのだが、実は『ちょっとだけエスパー』も中盤回で、それまでのコメディタッチのストーリーを根底から揺るがすような驚きのシリアス展開が描かれていた。
前クールに放送されたばかりの類似ドラマで同じ手法が使われていたため、『ちょっとだけエスパー』も観ていたドラマファンからすれば、なおのこと『こちら予備自衛英雄補?!』第6話の衝撃度は薄かったに違いない。
――『こちら予備自衛英雄補?!』は、まだどのように着地するのかが読めないので、最終話に向けてここからさらに衝撃度のギアを上げていってくれるかもしれない。
今夜の放送は第7話。“菊池風磨とのんの無駄遣い” なんて言われないようなエピソードになることを期待している。
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