坂本冬美と一路真輝の “爆笑トーク” は60分近くの大盛り上がり
今年デビュー40周年の坂本冬美(58)と、デビュー45周年の一路真輝(61)。お互いまったく違う道をたどりながら、長い時を経てめぐりあった2人の爆笑トーク。今回のテーマは、宝塚音楽学校での2年間と、演歌の内弟子生活8カ月間、どちらがより大変だったか? からスタートです!
ーー宝塚音楽学校での2年間と、演歌の内弟子として過ごした8カ月。どちらがより大変だったんでしょう?
一路 内弟子っていうのは……冬美ちゃんが?
坂本 はい。作曲家の猪俣公章先生のところに内弟子で入って。家のお掃除から車の運転まで、マネージャーというかお手伝いさんというか、雑用係というか、そんな感じのことをやっていました。
一路 その合間に歌を教えてもらったんだ?
坂本 いやいや。歌はいっさい教えてもらえなくて。
一路 えっ!? そうなの?
坂本 ほかの先生はどうか知りませんが、わたしの師匠はそうでしたね。あるとき、先生に譜面の読み方を教えてくださいってお願いしたんですけど……なんて言ったと思いますか?
一路 自分で勉強して覚えろ、とか?
坂本 ううん。「バカヤロー! 演歌歌手に譜面なんていらねぇんだよ」です(苦笑)。
一路 聴いて覚えろ?
坂本 そう。「譜面どおりに歌うのがいい歌だと思うな」と、怒鳴られました。
一路 素敵! すごく素敵だと思う。
坂本 今思うとそうなんですけど、先生はやることがもうはちゃめちゃで(笑)。楽しい先生だとか、おもしろい先生だとか、優しいところもあるんだよねとか思ったことはありましたけど……素敵だと思ったことはなかったですね。先生、ごめんなさい(苦笑)。
一路 宝塚音楽学校は厳しいけど、本当に大変なのは最初の1年だけで。1年我慢したら2年目は上級生だから(笑)。冬美ちゃんのほうが大変だったかもしれない。
坂本 とんでもない。大変さは、絶対に宝塚のほうが上ですよ。
一路 どっちが大変かは、その人の感じ方にもよると思うんだけど。でも、猪俣先生のそういう教えがあったから、今の冬美ちゃんがいるわけで。その一点だけでも、先生の教えは素敵だと思う。
坂本 ありがとうございます。一路さんにそう言っていただけて、猪俣先生は今ごろお空の上で美味しいお酒を呑んでいらっしゃると思います。
■娘がステージ袖で「ママ、素敵!」
一路 深いところで話をすると、これから一緒にやりづらくなるかなと思って言ってこなかったんだけど、私は “坂本冬美の歌の世界の作り方” が、大好きなんですよ。
坂本 本当ですか!?
一路 『夜桜お七』だったら、まず前奏が始まる前の立ち姿。そこから、歌っているときの顔はもちろん、手の表情や足の運びも大好きで。一曲のなかで自分の世界を作って、それを魅せて、届けて、爪痕を残す。それって2時間、3時間のお芝居のなかで自分を表現するのとは真逆なんです。
坂本 それ、すごくよくわかります。
一路 テレビで歌う一曲と、1時間半のステージでは、アプローチの仕方も違うと思うんだけど、それを冬美ちゃんは毎回、体の角度からドレスの角度まで、全部違うものを魅せてくる。だから、観るたびに心の中で “ブラボー!” と叫んでいるんですよ。
坂本 いやいやいや。恐れ入ります。モゴモゴモゴ……です(苦笑)。
一路 そこまで徹底してやる冬美ちゃんの原動力はどこからきているの?
坂本 聴いてくださるファンの皆さんがいるから、というのはもちろんあるんですけど、いちばんは? と聞かれたら、歌が好きだから。やっぱり、そこだと思います。
一路 そこも私と一緒。ただ、私の場合はもうひとつーー。
坂本 娘さんの存在ですね。
一路 うん。結婚・出産・離婚を経験して、もう一度舞台に立ちたいと思ったとき、4歳だった娘に「少し寂しい思いをさせちゃうけど大丈夫?」と聞いたら、「いいよ」と言ってくれて。
坂本 ……。
一路 コンサートで復帰したんだけどね、ステージ袖で観ていた娘の目が、それまで見たこともないくらいもうキラキラしていて。「ママ、素敵!」と言ってくれたんです。
坂本 一路さんも娘さんも、素敵です。
一路 ただね、「ママの舞台を観るのが好き」というのは、そこからずっと変わらないんだけど……。
坂本 ダメ出しがある!?
一路 そう。でも、娘を持つ女優さんは、皆さん同じような経験をしている人が多いみたいで。
坂本 なんかわかるような気もします(笑)。
一路 この前テレビで、上戸彩さんが同じようなことを言っていて。それを聞いたとき、「ウチとおんなじや」と思って、ちょっとだけホッとしたりして(笑)。
坂本 いちばん厳しくて、いちばんのファンなんですよね、きっと。いつか、ママのようになりたいと言いだすんじゃないですか。
一路 怖いような、嬉しいようなだけど。冬美ちゃんは小さいころから演歌歌手になりたかったの?
坂本 はい。歌が好きで、小学4年生のときに、石川さゆりさんの『津軽海峡・冬景色』を聴いて、「わたしも歌手になる!」と。一路さんは、小さいころから、夢は宝塚ですか。
一路 ううん。小っちゃいころはピンク・レディー(笑)。今でも振りは完璧です。
坂本 今、この場でやってくださいと言われたら?
一路 もちろん、完璧にできますよ(笑)。冬美ちゃんもできるでしょう?
坂本 一応は、まぁ、できますね(苦笑)。
一路 でしょう。だから、昨年10月の大阪・新歌舞伎座の『坂本冬美特別公演』で、一緒にピンク・レディーをやろうと誘ったんですけど、お客様の層が違うからと断わられて(笑)、2人でザ・ピーナッツを歌ったんですよね。
坂本 いやいやいや。お客様の層もですけど、宝塚トップの一路さんと踊るなんて、とてもとても。
■舞台でターンしたら半回転で止まって……
一路 でもさ、ザ・ピーナッツを歌うことが決まって振りをつけようとなったとき、冬美ちゃんが「一緒に踊りましょう」と言ってなかったっけ?
坂本 いや、あの……それは……ごめんなさい。謝ります。なんであんなことを口走ったのか、思い出すのも恥ずかしいです。
一路 そう言わずに、一度挑戦してみない?
坂本 無理です。振りだけのザ・ピーナッツでさえ、「どうだった?」と聞いたら、みんながみんな口を揃えて「すべてが違っていた」と言ったんですから。そもそも、梅干し会社の社員から演歌歌手になったわたしと、宝塚のトップスターだった一路さんを比べること自体がおかしいんですから(苦笑)。
一路 そこをなんとか。
坂本 無理なものは無理です。「千穐楽だから」と言って、舞台でターンをしようとなったときも、一路さんはカッコよくきれいにクルッと回ったのに、わたしは……。
一路 半回転で止まっちゃって。ただ後ろを向いただけだったんだよね。あれには驚いた(笑)。
坂本 わたしは嫌だって言ったのに、一路さんがエスコートしてくれるというから、モゴモゴモゴ……。
一路 ごめんね。あれは、私のエスコートが悪かった。だから、もう一度ーー。
坂本 そういう問題じゃないと思いますけど(笑)。それより、45周年を迎えた一路さんの夢を教えてください。
一路 夢? なんだろう。大好きだった宝塚で、トップと言われるところまで駆け上がり、次に進んだミュージカルの世界でも座長を務めさせていただいて。結婚もして、子供まで授かって……これ以上望んだらバチが当たりますよ。
坂本 何をおっしゃいますか。わたしたちはまだ若いんですから、まだまだこれからです。
一路 夢? 夢? 夢? そうね、強いて言うなら夢を見つけること。それが夢かな。
坂本 それ、すごいです。わかる気がします。
一路 それと、冬美ちゃんともう一度ステージに立つことかな。皆さんも観たいですよね!? 冬美ちゃんのピンク・レディー。
ーーできるものなら、一日限定のユニットでもいいから、ぜひ観たいです!!
坂本 ダメです、ダメです。今の一路さんの発言は、全面的にカットしておいてください。そのまま載せたら、絶対にファンの方の間で、 “観たい、観たい!” の大コールが起きるんですから。カットでお願いします。
いちろまき
1965年1月9日生まれ 愛知県出身 宝塚歌劇団男役トップスターとして数々の話題作に出演し、1996年日本初演となる『エリザベート』(トート役)で退団。結婚・出産を経て、2010年に舞台復帰。デビュー45周年となる今年は『エリザベートTAKARAZUKA 30th スペシャル・ガラ・コンサート』をはじめ、数多くの舞台に出演することが決まっている
さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など、幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、最新シングル『浪花魂』が好評発売中
写真・福田ヨシツグ
取材&文・工藤 晋
ヘアメイク・岡崎じゅん(坂本)、大宝みゆき(一路)
スタイリスト・小泉美智子(坂本)、飯村友梨(一路)
衣装・ピアス/MELLERIO(坂本)
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