
ドリンクを片手に歩く杉咲花
申し訳ないが、“私の華麗なる恋愛遍歴自慢” に見えてしまって、しゃらくさくなってきてしまった。
2月11日(水)に第5話が放送され、1週休止を挟んで本日第6話が放送される杉咲花主演の恋愛ドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』(日本テレビ系)のことだ。
主人公は小説家 兼 古着屋アルバイト店員の土田文菜(杉崎)。文菜は過去の恋愛の影響で、“きちんと人を好きになること” を避けてしまっているというキャラクター。そんな彼女の恋愛模様や恋愛観を描く作品だ。
■主人公と恋愛・男女関係がある男性キャラが7人も!
このドラマは単館系映画っぽい作り方をしており、地上波連続ドラマとしては異色作。
たとえばカメラ位置を固定して登場人物の会話を長尺で淡々と流したり、BGMをあまり使わず役者たちに誇張しない自然体な演技をさせていたり。そして、あまり大きな出来事が起こらず、物語の展開が少ないため、退屈だと感じて脱落してしまった視聴者も少なくないようだ。
また主人公・文菜は一見するとおとなしそうでピュアっぽい雰囲気なのだが、彼氏がいるのに他の男と平気でホテルに行くような貞操観念の低さがたびたび描かれている。こういった作品ゆえに賛否両論を巻き起こしている。
さて、筆者はこのドラマのような固定観念に縛られないチャレンジングな作品を肯定的に捉えており、基本的には応援したいと思っている。とはいえ、えこひいきして甘い批評をするつもりはないので、忌憚なく意見させていただきたい。
ということで冒頭の話なのだが、第5話まで観ていて、なんだか主人公の遠回しな “私の華麗なる恋愛遍歴自慢” を聞かされているように感じて、正直もう辟易としている。
文菜は我が道をいくサバサバしたタイプで、べつに無理してモテようとはしてませんといった態度なのだが、モテている描写が多い。毎回毎回、違う男との恋愛話が描かれる。
ヘアサロンを経営するイケメン美容師と出会ってすぐに付き合い始めたり、学生時代のバイト先の先輩からはずっと片想いされていたり、売れっ子小説家が元彼だったり、それとはべつの小説家が現在の浮気相手だったり。ちなみに、前回の第5話では大学時代に同級生から告白されて付き合うエピソードが描かれ、今夜放送の第6話にはかつて文菜が片思いしていたミュージシャンが登場する模様。
公式サイトの人物相関図には文菜と恋愛・男女関係がある男性キャラがずらりと並ぶ。現時点(2月23日)で相関図には14人のキャラクターが載っているが、なんとそのうちの半分にあたる7人が、文菜となんらかの関係がある男なのだ。
■恋愛の問題提起をしているように見せかけたモテ自慢
恋愛ドラマに、恋愛経験が豊富なキャラやモテまくるキャラはよく出てくる。ただ、たいていは経験豊富キャラでも歴代の相手が次々と登場することはないし、モテキャラでも取り巻きのモブに囲まれているぐらい。
人物相関図に載るほどしっかりキャラクターが作り込まれ、主人公との恋愛・男女エピソードが具体的に描かれる男が7人もいるというのは、かなり特殊なケースと言える。しかもまだ中盤回。ここからさらに増える可能性もあるだろう。
筆者が記憶している限り、こんなドラマは他になく、そういう意味ではとても斬新。しかし、このドラマを観ていると、視聴者に向けて恋愛の問題提起をしているように見せかけて、ただただモテ自慢を延々聞かされているような感覚に陥るのだ。
主人公がフラれまくるキャラだったなら、毎回毎回違う男のエピソードでも観られたかもしれないが、文菜はけっして非モテではない。
だから、たとえるなら女友達から悩み相談に乗ってほしいと呼び出されて会ってみると、「私はべつにモテたいわけじゃないんだけど、まぁけっこう経験豊富で、いろんな男と恋愛してきてるんだよね~」という遠回しのモテ自慢を、だらだら聞かされるような感じ。
というか、演じているのが杉咲花だから画的にきれいにまとまっているものの、主人公のやっていることは “おじさんの武勇伝語り” とたいして変わらない気もする。そのせいで、うんざりしてしまうのかもしれない。
――今夜放送の第6話のメインは、前述したとおり文菜がミュージシャンに片想いしていたころの過去エピソードとなるようだ。文菜がみじめにこっぴどくフラれるダサい姿が描かれるなら、もう少し彼女に好感・共感を抱けるようになりそうだが、はたして……。
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