小学館(写真・アフロ)
3月2日、小学館は漫画配信アプリ「マンガワン」に関する原作者起用問題について、新たな発表をおこなった。
今回の騒動は、2月27日、「マンガワン」が発表したリリースから始まった。連載作品『常人仮面』が、原作者の起用判断に問題があったとして、配信停止・単行本出荷停止が発表されたのだ。
いったい何が起きていたのか。
「編集部の声明では、同作の原作者・一路一氏が、2022年に『私的なトラブル』で連載中止となった漫画『堕天作戦』の作者・山本章一氏と同一人物であったことが発表されました。
当時、トラブルの中身は説明されていませんでしたが、今回、山本氏が2020年に逮捕・略式起訴され、罰金刑を受けていたことが報告されています。
山本氏の所業をめぐっては、すでに各社が報じています。北海道の私立高校の元教員で、元生徒の女性が、山本氏から性暴力を受けたと、損害賠償を求める民事訴訟を2022年に起こしていました。
女性は、山本氏から繰り返し性的被害を受け、PTSD(心的外傷ストレス)を負ったと主張。今年2月、札幌地裁が、女性の主張を一部認め、山本氏に1100万円の支払いを命じたことがニュースになっています。
その後、裁判資料がX上で拡散され、担当編集者が被害者への口止めに関与していたことが明らかになり、『マンガワン』側に批判が殺到していました」(芸能担当記者)
『マンガワン』のリリースでは、編集部は事態を把握しながら、山本氏を別名義で再度起用していたことを認め、「本来であれば原作者として起用すべきではありませんでした」と謝罪した。
担当編集者の関与をめぐっては、和解条件に関する公正証書の作成を提案していたとして、「当該事案の重大性に対する編集部の認識および情報把握が十分であったとは言えず、不適切な対応でした」と説明している。
事態をうけ、世間の批判だけでなく、「マンガワン」にて作品を掲載している漫画家たちからも、次々と厳しい反応が寄せられた。すでに高橋留美子や島本和彦の作品のほか、人気作『葬送のフリーレン』などが配信停止となっている。
だが、騒動はここで終わらなかった。小学館は、3月2日、「マンガワン」における新たな原作者起用問題を報告。過去に強制わいせつ容疑で逮捕・起訴され有罪判決を受けた、『アクタージュ』原作者として知られるマツキタツヤ氏が、別のペンネームで原作執筆していることを発表したのだ。
「発表によれば、マツキタツヤ氏は八ツ波樹という別のペンネームで、『マンガワン』で連載中の作品『星霜の心理士』の原作を執筆していたといいます。臨床心理士を主人公にした異色の転生モノで、アプリ内でもよく上位ランクに入る人気作品でした。
リリースによると、2024年、『マンガワン』の編集者から八ツ波氏に面会を打診し、逮捕・有罪判決を受けた事実を承知したうえで、起用に至ったそうです。
被害者への強い贖罪の感情や反省があること、執行猶予期間が満了していることをうけ、作品掲載を目標に動き始めたといいます。ペンネームを変更した理由は、『被害に遭われた方々への配慮が最大の理由』と説明されていました」(同)
『星霜の心理士』は、八ツ波氏が事件後に心理カウンセリングを重ね、内省を繰り返していた経験がもとになっており、作画担当者には経緯を説明したうえで、『本作のテーマや社会的意義、おもしろさは世に広めるべきだ』と了承をもらったという。
なお、『常人仮面』の場合、作画担当者・鶴吉繪理氏は山本氏が起こした過去の事件を知らされていなかったと、自身のXで告白。『作品は絵空事だからこそ自由です。だからこそ現実世界で人を傷つける行為があってはならないと、私は強く感じています』と主張している。
『星霜の心理士』の場合、すでに執行猶予は満了しており、心理カウンセリングなどの事前プロセスが踏まれている点、作画担当者にも了承を得ている点が、『常人仮面』との決定的違いといえる。
だが、似たようなやり口が連続で発覚したことで、X上では同社のコンプラ意識を疑う声が後を絶たない。
《逮捕されてたアクタージュの原作者も名前変えて連載してたって小学館のコンプラゆるゆる過ぎだろ。これもうダメかもわからんね》
《マンガワンっていうか、もはや小学館が企業としてヤバい。コンプラとは?》
《マンガワン側から声かけたのかよ…マンガワンが利益第一でコンプラ度外視の組織である事が透けて見える》
騒動が収まる気配は見えない。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







