
写真右から香西かおり、藤あや子、北島三郎、伍代夏子、坂本冬美
「これ、これ! これが聴きたかったんだよ」
「えっ!? なんでこの曲?」
毎年、テレビの前ではいろいろな感想が飛び交っていると思いますが、歌手に何を歌わせるのか曲目を決めるのはNHKです。
大先輩のお一人で、こんなわたしのことをかわいがってくださった島倉千代子さんがお亡くなりになったこの年、わたしが歌わせていただいたのは、同年にリリースした新曲『男の火祭り』です。
『紅白』のステージに立てるだけで幸せだと思っているわたし自身は、新曲を歌うことにそれほど強いこだわりを持っているわけではありませんが、頑張ってきたレコード会社の皆さんやスタッフの気持ちを思うと、マイクを握る手にも力がこもります。
「冬美、よかったな!」
毎年、新曲を歌うことに強いこだわりを持っていらっしゃった五木ひろし先輩からかけていただいたお言葉に、晴れがましさを感じている自分がいました。
一緒にステージを盛り上げてくださったプロの和太鼓集団・鼓童(こどう)の皆さん、関ジャニ∞(現SUPER EIGHT)の大倉忠義さんには、感謝という言葉ではとても足りないくらい感謝しています。
NHK連続テレビ小説『あまちゃん』の企画コーナー。大島優子ちゃんのAKB48からの卒業発表。50回めの出場を花道に、『紅白』を勇退されることになった御大・北島三郎さんの圧巻のラスト・ステージ……と、この年の『紅白』も見どころ、聴きどころ満載。
わたしも自分の出番が終わった後は、テレビの前の皆さんと同じ目線で『紅白』を楽しんでいました。
そんなわたしが、個人的な心のメモに書き記している方がお二人います。
お一人は、審査員席にお座りになった東北楽天ゴールデンイーグルスを初の日本一に導いた田中将大(まさひろ)投手です。
田中投手は自他ともに認める、ももクロちゃん(ももいろクローバーZ)のファンで、正真正銘のモノノフ。満面の笑みで、ももクロちゃんの曲紹介をされたときのお顔がとっても印象的でしたが、とにかく際立っていたのが、とてつもない存在感です。
体が大きいというイメージはありましたが、そんなものじゃありません。想像以上にとてつもなく大きくて、とてつもなく分厚くて……纏(まと)ったオーラは、スーパースターのそれでした。
そしてもうお一人は、田中投手と同じ審査員席にお座りになっていた、杉さま(杉良太郎)。デビュー当時からの戦友、夏ちゃん(伍代夏子)の愛するダーリンです。
体も心もとにかく大きくて、こちらが気を使わないようにさりげなく気配りしてくださる杉さまは、夏ちゃんいわく「食事の後片づけもしてくれるし、洗濯物も畳んでくれる100点満点の旦那様」だそうです。
この年、20回めの出場となった夏ちゃんが、愛するダーリンを前にどんな気持ちで歌ったのかーー。
さらにさらに、愛する夏ちゃんが熱唱する姿を、杉さまはどんなお気持ちで聴いていらしたのかーー。
あの場では、さすがに聞くのが憚(はばか)られ、勝手に頭の中で想像していましたが……モゴモゴモゴ(笑)。今度、夏ちゃんに会ったら聞いてみますね。
さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。40周年記念シングル『遠い昔の恋の歌』が好評発売中!
写真・中村 功
取材&文・工藤 晋
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