椎名林檎
「ほんの20年ぐらい前に敗戦したみたいな雰囲気になってません?」
3月18日、「文春オンライン」で掲載された経済学者・成田悠輔氏と、歌手の椎名林檎の対談が物議を醸している。このインタビューは、2025年12月19日に『文芸春秋PLUS』に掲載されたもので、3月11日にリリースされた椎名のニューアルバム『禁じ手』に合わせて、再掲載された。
「約2万3000字にわたるインタビューは、前編、中編、後編で構成されており、波紋を呼んだのは後編です。2014年にリリースされた『NIPPON』について、成田さんが《そのものずばり日本や日の丸を掲げるのは勇気がいることだったんじゃないでしょうか》と椎名さんに聞きました。
この曲については、歌詞や収録されたアルバム『日出処』のジャケットビジュアルが旭日旗を連想させることから、右翼的・軍国主義的ではないかと一部で批判が巻き起こったのです。当時はタイトルの『NIPPON』が大日本帝国を連想させるという意見も出ていましたが、椎名さんは《私としては「ニホン」だと、ふにゃっとなっちゃう、「ニッポン」のほうがリズミカルだからいいと思っただけなんです》と説明していました。
さらに、文句が来るか予想していたか聞かれると《言われるだろうなとは思った、そう言われないように自分なりに工夫していた分、これでも言われちゃうのか、って静かに溜め息を漏らしたくらいです。日韓関係があまり芳しくなくなり、ちょうど旭日旗が突然、問題視されるようになった瞬間でした》と、想像以上の批判があったと語っています」(芸能担当記者)
そして、ファンが注目したのが冒頭のコメントだ。《売れてるミュージシャンが国家や政治に一言でも触れることがタブー化しちゃいましたよね》と成田が言うと、《ほんとそうなんですよ。ほんの20年ぐらい前に敗戦したみたいな雰囲気になってません? 急にあれこれタブー視され始めた》と持論を展開しました。
これに対してXでは、一部で落胆する声も出ている。
《椎名林檎の音楽はもうデビュー当時から平伏すほど大好きなんだけど、今日読んだインタビュー意味わかんなすぎて(というか戦後20年みたいとは…?)ただただ、虚無だった》
《曲は魅惑的。でも、歴史を軽視しすぎ。だし、インタビューでの主張は外向きの言い訳に聞こえてしまう》
「椎名さんといえば、デビュー以来一貫して“表現の自由”や“言葉の強さ”を重視してきたアーティストです。問題となった『NIPPON』も、2014年のリリース当時から賛否が分かれていましたが、ナショナリズムを想起させるモチーフをあえてポップスに落とし込む手法は、彼女のアーティスト性ともいわれました。
今回、《ほんの20年ぐらい前に敗戦したみたいな雰囲気》という発言について物議をかもしたのは、ひとえに日本のエンタメ業界の“政治嫌い”があるかと思います。アーティストがなんらかの政治的な立場を表明することは、諸刃の剣といえそうです」(前出・芸能担当記者)
表現活動と政治、近い関係だが、同時に論じるのは難しいようだ。
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