
JASRACの理事長を務める伊澤一雅氏(写真・共同通信より)
4月14日、音楽の著作権を管理する団体「JASRAC」が公式Xを更新し、「歌ってみた動画」「弾いてみた動画」の投稿に関する権利処理について言及した。SNS上で広く浸透しているコンテンツだが、その扱いに関する認識の差が改めて浮き彫りとなり、ユーザーの間で波紋が広がっている。
今回の投稿でJASRACは、《JASRACと契約を締結しているUGCサービスやSNS(YouTube、Instagram、TikTokなど)》については個別申請が不要なケースがあると説明。一方で、Xについては《JASRACとの間で契約が締結されておりません》と明言し、投稿時には原則として個別に利用許諾が必要とした。
この発信を受け、これまで手軽に “歌ってみた” 動画を撮影してXに投稿していたユーザーの間で、自身の投稿が権利上問題となる可能性に気づく動きが広がっている。実際にX上では、
《クリエイターの権利を守る必要があるのは当然であるが、X以前に非営利の弾き語り配信にお金を徴収する事は正しいのかい?》
《Xの歌ってみた全部消した》
《俺も昔は全く知らなかったというかXは大丈夫だと思い込んでいた》
といった声が上がり、対応に追われる様子もうかがえる。
「Xは問題ないと認識していたユーザーも多く、今回の発信で初めて知ったという声も目立ちます。こうした注意喚起を重ねることで、徐々に理解は広がっていくでしょう。
なお、自身が作詞作曲した楽曲であっても、JASRACに管理を委託している場合は、利用形態によって著作権料が発生するケースもあります」(レコード会社関係者)
ただ、一般ユーザーにとって、手続きの複雑さがハードルとなっている。
「公式ホームページのシミュレーションを確認してみると、個人アカウントで収益をともなわない場合、使用料は1曲あたり月額150円とされていますが、利用方法や楽曲数によって金額は変動します。
また、カラオケ音源には別途権利処理が必要なケースもあり、単純に申請すれば自由に使えるわけではありません。近年は誰でも動画投稿が可能になったことで、著作権意識とのギャップが顕在化しています。
一方、申請が必要と認識されることで著作権を無視して投稿するユーザーが減る可能性も考えられ、今回の注意喚起も一定の効果はあるでしょう」(前出・レコード会社関係者)
収益を得ているアカウントについては、収益規模に応じて使用料が変動し、影響力の大きい発信者ほど負担が増える仕組みとなっている。これにより、「歌ってみた」投稿のあり方にも変化が生じる可能性がある。
著作権保護と表現活動のバランスをいかに取るか、今後の運用やユーザー側の対応にも注目が集まりそうだ。
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