
帽子を目深にかぶりロケをする高橋一生
昨今なにかと流行りの「タイプリープ」と「転生」を合体させた強引設定が、吉と出るか、凶と出るか?
4月14日(火)にスタートした『リボーン ~最後のヒーロー~』(テレビ朝日系)。《転生ヒューマンドラマ》と銘打たれ、主演の高橋一生が一人二役を演じることで話題を集めている。
■かなり強引な設定だが、ちゃんと理由はあるのか?
新興IT企業「NEOXIS」の創業社長・根尾光誠(高橋)は、業界トップに立つため、手段を選ばずに会社の規模を拡大させていた。
しかし、その過程で下町の商店街の店主を自殺に追いやってしまい、傲慢で冷酷無比だと世間から叩かれるように。また、幹部たちにパワハラまがいの難題を押しつけてきたことから、優秀な部下たちは次々と彼のもとを去ってしまう。
孤独になってもひたすらトップを目指す光誠だったが、神社の階段から何者かに突き落とされる。意識を取り戻して目を覚ましたが、なんとそこは14年前の2012年で、しかも、なぜか顔がそっくりの別人・野本英人(高橋・二役)になっていた。
英人は、光誠がのちに自殺させてしまう店主のいる商店街の住人なのだが、やさしく正義感にあふれ、周囲から慕われていた。光誠はそんな真逆のタイプの英人となり、人生をやり直していくストーリー。
率直に言って、かなり強引な設定というか、いくらなんでもやりすぎ感がある。
というのも、「タイプリープ」も「転生」もエンタメ作品の定番ではあるため、どちらか片方だけであれば視聴者もすぐに受け入れやすいだろう。
ただ、本作はその両方を取り込んでいるし、さらに光誠と英人はたまたま顔が超そっくりなので、さすがに土台の設定にご都合主義感が漂いまくっている。
物語が進んでいき、“14年前にタイムリープした理由”、“別人に転生した理由”、“2人の顔がそっくりな理由”、この3つの要素の答えが、思わずひざを打つほど納得できる形で描かれるならばいいのだが……。
そこまできちんと綿密な設定が用意された脚本なら大傑作になりうるが、逆に、取ってつけたような理由しか語られなかったら、ひどい駄作になりかねない。
要するに、相当ハードルを上げた状態でスタートしたドラマなのである。これだけ非現実的な設定を盛り盛りにトッピングしているのだから、腑に落ちるような緻密な脚本や、ぐいぐい引き込まれる吸引力のあるストーリーなど、高いレベルが求められる。
第1話は、おもに光誠が英人に転生するまでを描いた物語の導入だったため、正直まだおもしろいかどうかを判断できる状態ではない。ただ、光誠がとことん非情な人間であることが伝わるシーンはたっぷりあったため、“フリ” はもう十分効いている。
そんなクズキャラが、下町の人情に触れて改心・成長していくとしたら、おもしろくなりそうな予感はある。
■相関図で1人だけ苗字が伏せられているキャラ
本人同士の対決が描かれそうなフラグが立っている点も、おもしろくなりそうな予感だ。
公式サイトの第2話あらすじによると、英人に転生した2012年には、その時代の光誠も実在しているそうで、つまり光誠が同時に2人存在している状態になっている。改心した主人公が “権力のあるクズな自分” と対峙することになるとしたら、ワクワクする。
また、ストーリーの吸引力として、誰が神社の階段から突き落としたのかという、犯人捜し的なミステリー要素もある。
まだ推理できるような情報はさほど出てきていないが、公式サイトの相関図を見てみると、明らかに違和感のあるキャラクターを発見できた。
相関図には16名紹介されており、基本的に苗字+名前のフルネームが記載されているのだが、1人だけ苗字の記載がないキャラがいるのだ。それは横田真悠が演じる光誠の優秀な秘書・英梨。
英梨だけ下の名前しか明かされていないのは不自然きわまりなく、彼女になんらかの秘密があるのはほぼ確定だろう。
第1話を観るかぎり、英梨はパワハラ気質の光誠に唯一物怖じしない明るい性格だったが、光誠を憎む裏の顔があって彼を突き落とした犯人なのかもしれない。そう考えると、英梨の行動で引っかかるシーンもあった。
英梨が取引先からの贈答品を光誠に渡そうとするのだが、光誠は「英梨ちゃん、それ前にも言ったと思うんだけど、そういうのは全部捨てて」と指示。光誠は自分が多くの人に恨まれている自覚があるため、お菓子などに毒でも盛られているのではないかと警戒している様子。
気になるのは、光誠が以前にも破棄を指示していたにもかかわらず、有能なはずの彼女がすっかり忘れていたこと。もしかすると、英梨自身が仕込んだ毒まんじゅうが紛れ込んでいた可能性もあるかもしれない。
――第2話は今夜放送。強引設定で上がりすぎたハードルを越えるドラマになるか否か、見届けたい。
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