岡田将生
岡田将生と染谷将太のダブル主演で、4月24日(金)に第2話が放送されたTBS系の金曜ドラマ『田鎖ブラザーズ』。
今クールのドラマのなかでトップクラスの話題を集めている。人気が高いのも納得。岡田ら、役者の演技も演出も硬派で、とても良質なドラマだと思う。
だが、個人的にいまいち考察熱に火がつかない。好みは人それぞれなので、このドラマを毎週楽しみにしている視聴者の感性を否定するつもりは毛頭ないのだが、筆者と同じように「いまいち」と感じているドラマファンも少なくないはず。その原因を考えてみた。
■“親が殺された過去の事件の真相を追う” 物語に飽き気味
時効が成立してしまっている31年前の両親殺害事件の犯人を追う兄弟が主人公。兄(岡田)は刑事、弟(染谷)は検視官となり、管轄で起こる事件を警察官として捜査しつつ、両親を殺した真犯人を独自に探し続けているというストーリー。
本作は、TBS系の金曜ドラマで放送された『アンナチュラル』(2018年)、『MIU404』(2020年)、『最愛』(2021年)といったクライムサスペンスで名を馳せた、新井順子プロデューサーが手がける作品ということで、放送前から注目を集めていた。
改めてお伝えすると、筆者は『田鎖ブラザーズ』をつまらないとも駄作だとも思っていないが、めちゃくちゃおもしろいとも思えず、つまりハマッていない。
1つめの原因は、“親が殺された過去の事件の真相を追う” というアウトラインに既視感があり、少々飽きてしまっているということだ。
たとえば、古くは1998年にフジテレビ系で放送された『眠れる森』、2008年にTBS系の金曜ドラマで放送された『流星の絆』、近年だと2023年にTBS系の日曜劇場で放送された『ラストマン-全盲の捜査官-』、昨年1月期に金曜ドラマで放送された『クジャクのダンス、誰が見た?』あたりは、その類型と言っていいだろう。
そして、この手の作品で多いパターンが、“主人公が昔から知る身近な人物が真犯人” なので、『田鎖ブラザーズ』もどうせそのオチなのではないかと穿った見方をしてしまう。ちなみに、真犯人が身近なキャラ以外なら新鮮ではあるが、身近なキャラでないとクライマックスの衝撃が弱そうという懸念もある。
要するに “親が殺された過去の事件の真相を追う” ドラマは、真犯人が身近な人物なら食傷気味だし、身近な人物でなければ驚きが薄そうだというジレンマが発生してしまうのだ。
■成熟しすぎた “考察ブーム”、非現実的な設定がないと…
2つめの原因は、『田鎖ブラザーズ』の問題というよりは、現在の日本のドラマ業界の問題になる。
昨今のドラマ業界では、SNSでバズることがヒットの必須条件となっているため、視聴者の考察熱を煽って話題にするという手法がひとつのセオリーとなっている。そして考察ブームを生み出すために、非現実的な設定を用いる作品が多くなっているのだ。
たとえば、前クールの日曜劇場『リブート』は、高度な整形技術で別人になり替わるという非現実的な設定で考察ブームを巻き起こし、大ヒットしている。今クールにテレビ朝日系で放送中の『リボーン ~最後のヒーロー~』は、“タイムリープ+転生” というトンデモ設定を採用しており、SNSは考察投稿で賑わっている。
筆者は『リブート』にめちゃくちゃハマッていたし、『リボーン』も毎週楽しみに視聴しているが、それは突拍子もない非現実設定がないと考察熱に火がつかないマインドになってしまっているからかもしれない。
『リブート』や『リボーン』を否定するつもりは一切なく、むしろ本当におもしろいと感じている2作品であるが、考察ブームが成熟しすぎた功罪の “罪” の弊害が出てきているような気がする。
『リブート』や『リボーン』のような非現実設定がないと考察のしがいがなく、『田鎖ブラザーズ』のような現実的な設定だと考察熱が燃え上がらないという弊害だ。
実際、『田鎖ブラザーズ』は考察する要素が絞られているし、もうオチのパターンは過去作品にだいたい “掘られて” おり、前述したようなジレンマが発生してしまっている。
一方の『リブート』や『リボーン』のようになんでもアリの設定になっていると、考察する要素が多岐にわたっているし、まだまだ “掘られていない ”オチが無数にあるだろう。
もちろん登場人物たちが魅力的で会話劇としておもしろかったり、現実ベースでも想定外だらけの斬新なストーリーだったりすれば、非現実的な設定がなくても引き込まれるのだろうが、いまのところ『田鎖ブラザーズ』にそこまでの “吸引力” は感じられない。
今夜の放送は第3話。『田鎖ブラザーズ』には筆者のつたない想像力を飛び越える展開で、大傑作になってほしいが、はたして――。
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