
NON STYLE 石田明、坂本冬美
時代は平成から令和へ。区切りとなる『第70回NHK紅白歌合戦』。寿ぎの思いをこめて私が歌わせていただいたのは、『紅白』では四度めとなる『祝い酒』です。
えっ!? 資料にはただの『祝い酒』ではなく、『祝い酒〜祝!令和バージョン〜』となっている? 待ってくださいね。今、思い出しますから。
う〜〜〜〜〜ん。和楽器隊の方々が演奏してくださったというのはちょっと違うし、1万8000円をかけて施した『紅白』仕様の赤と白のネイルも “令和バージョン” とまでは呼べないし……モゴモゴモゴ。
もしかして、白地に金の菊をあしらったお着物が令和バージョン!? いやいや。そんなワケないですよね。
歌詞はもちろん、アレンジも変えていないし…もしかして永瀬廉くん、神宮寺勇太くん、岸優太くんのイケメン3人が、和太鼓を叩いてくれたからかも。うん、そうです。きっと、それです。
ほかの出演者の方たちは、『紅白スペシャルバージョン』とか、『紅白スペシャルメドレー』、『紅白リミックス』とか、特別感のあるタイトルをつけられる方が多いなか、わたしは37回の出場で三度だけ。
最初は2007年の『第58回紅白』で歌った『夜桜お七〜大晦日スペシャル〜』で、二度めがこの『祝い酒〜祝!令和バージョン〜』。三度めが2022年の『第73回紅白』で、東京スカパラダイスオーケストラの皆さんとコラボさせていただいた美空ひばりさんの名曲『お祭りマンボ〜スカパラSP〜』です。
このわずか三度だけですから、このとき歌わせていただいた『祝い酒〜祝!令和バージョン〜』も、いい思い出として、心のアルバムに貼ってあります。
放送開始の19時15分。番組は過去のオリンピック関連映像から、この年開催の「ラグビーワールドカップ2019」の映像と続き、国立競技場からNHKホールへと東京の夜景のなかをカメラがパン。
そこにわたしたち出場歌手が全員ステージ上に勢揃いしているという、かつてないスタイルでスタートしましたが、ステージで待っているわたしにとっては “いつ、始まるの? まだ!? えっ、もうすぐ!? 来たーッ!” という感じで(笑)。ちょっとだけ、ドキドキ感のあるオープニングでした。
ビートたけしさんが『浅草キッド』を熱唱。YOSHIKIさんと世界的ロックバンドKISSのコラボユニット「YOSHIKI feat.KISS」の登場などなど、この年も、さすがNHKという企画が盛りだくさんでしたが、わたしが最も注目したのは、AIで甦るひばりさんです。
VOCALOIDとAI技術で、ひばりさんが歌われた膨大な音源から、ひばりさんならではの歌声を再現。同じように、歌唱中の目や口の動きを抽出し、3Dホログラム映像で等身大のひばりさんがステージに出現する……ということでしたが、デジタルに不慣れなわたしにはモゴモゴ……(苦笑)。
なんのこっちゃと思いながら観ていましたが、これがもうすごかった! ひばりさんを師と仰ぐ天童(よしみ)さんの動きが、そのままホログラムのひばりさんに反映され、まるでそこにひばりさんがいるようでした。
手前味噌になりますが、3月4日に発売したデビュー40周年記念シングル『遠い昔の恋の歌』のMVで、このAI技術を導入。若かりしころのわたしが甦っています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、40周年記念シングル『遠い昔の恋の歌』が好評発売中!
写真・中村 功
取材&文・工藤 晋
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