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没後19年、令和の石立鉄男は誰だ!?佐藤二朗、ムロツヨシ、大泉洋…ドラマウォッチャー2人が本気で選定

芸能 記事投稿日:2026.06.01 10:30 最終更新日:2026.06.01 10:30

没後19年、令和の石立鉄男は誰だ!?佐藤二朗、ムロツヨシ、大泉洋…ドラマウォッチャー2人が本気で選定

ゴルフや将棋など、多趣味で知られた石立鉄男さん

 

 6月1日は、昭和の名俳優、石立鉄男の命日である。独特のアフロヘアで、コミカルな役からシリアスな役までこなしてきた、ドラマ好きには忘れられない存在だろう。

 

 令和のいま、石立鉄男に代わりうる俳優はいるのか……。ドラマウォッチャーとして知られる、コラムニストのペリー荻野さんと桧山珠美さんに、“令和の石立鉄男”とも呼ぶべき俳優を選んでもらった。

 

ペリー:放送中のドラマ『夫婦別姓刑事』(フジテレビ系)で、橋本愛と夫婦であることを隠しながら、捜査をしている佐藤二朗。あのおろおろするあたりは、まさに“令和”の『おくさまは18歳』(1970~1971年、TBS系)だと思います。石立さんはもともと劇団系の人で、芝居っ気がありますが、あえてコメディをやる人なんです。佐藤二朗も映画『爆弾』で見せたような、シリアスな芝居もしますが、『夫婦別姓刑事』や福田雄一監督と組んでおもしろいことをやろうとするところに、すごく振れ幅があって。それが逆に目立っておもしろいんだなと思いました。

 

桧山:そうなんですよね。石立さんは『おくさまは18歳』のイメージが強いですが、もともとは新劇の人で、シリアスな芝居がとても上手。私もペリーさんと同じく『爆弾』の佐藤二朗は、石立さんと同じ空気を感じます。それに、佐藤二朗は『歴史探偵』(NHK)の司会をやっているときは、イケメン俳優気取りでやっていらっしゃる。そこが見ているほうには、すごくおかしいんです(笑)。石立さんもモテ役が多かったですよね。顔がいいだけがイケメンじゃない。キャラクターや人として愛されているみたいなところは、2人とも共通しているのかなと思います。

 

ペリー:“福田組”つながりでいくと、ムロツヨシも“石立度”が高い。彼は舞台から映像にでてきたところも石立さんと共通ですし、髪型もいつでもアフロにできそう(笑)。石立さんが近くで微笑んでいる人だと思います。

 

桧山:先ほどの“イケメン説”でいうと、ムロツヨシもじつは、カッコいいんですよ。津川雅彦さんの若いころに似てます(笑)。戸田恵梨香と共演した『大恋愛~僕を忘れる君と~』(2018年、TBS系)では、めっちゃハンサムだったんです。あれも“石立度”の高さゆえだと思いますね。

 

ペリー:平手友梨奈と共演した『うちの弁護士は手がかかる』(2023年、フジテレビ系)での、平手演じる年の離れた面倒くさい弁護士とのやりとりは、『おくさまは18歳』のコメディタッチなテイストとよく似ていました。二枚目をやりたいのか三枚目をやりたいのか、シリアスをやりたいのかコメディをやりたいのか。ちょっと得体のしれないあたりも、石立さんのつかみどころのなさと似ている気がします。天然パーマがアフロを連想させるし。

 

桧山:天然パーマつながりでいくと、もうひとり、大泉洋がいます!

 

ペリー:『ハケンの品格』(2007・2020年、日本テレビ系)でおなじみのチリチリヘアスタイル。篠原涼子に『くるくるパーマ』と呼ばれていましたけど、あんなに髪の毛いじりされる人ってあんまりいないですよね。

 

桧山:そうなんですよ。『NHK紅白歌合戦』の司会もそうでしたが、周囲から責められてあたふたする“いじられキャラ”ですよね。石立さんも、無理やり押しつけられてあわあわする役が多かったので、役柄のキャラは近いと思います。

 

ペリー:声が裏返りがちになるあたりも、“石立度”が高いです。石立さんは芝居で裏声を出していたと思うので、きっと大泉洋も使い分けているんだと思うんですよ。そのあたり、じつは石立さんを意識している気が(笑)。

 

「○○ならおもしろいだろう」
期待と興味をかき立てる俳優は?

 

ペリー:個人的には“令和の西田敏行”であってほしいと思いますが、濱田岳も“石立度”高しです。本来、シリアスな演技がうまいんですが『釣りバカ日誌 新入社員浜崎伝助』(2015年、テレビ東京系)などで、人を振り回したり、振り回されたりする役がハマっていて、そこは石立鉄男っぽかったです。

 

桧山:放送中のドラマ『刑事、ふりだしに戻る』(テレビ東京系)の役もおもしろくて。困った顔が似合うところは石立さんと共通していますね。

 

ペリー:そうなんですよ。とんでもない設定でも、なじんでいける力があるんです。私たちがかつて「石立鉄男ならおもしろいだろう」と思ったのと一緒で「濱田岳ならきっとおもしろいだろう」と、期待と興味をかき立ててくれるのはいいと思います。

 

桧山:それから、私が推したいのは阿部サダヲ。石立さんの出世作だった『パパと呼ばないで』(1972~1973年、日本テレビ系)の設定と『マルモのおきて』(2011年、フジテレビ系)の設定が似ているんですよね。『パパと~』で石立さんが杉田かおるを相手にしながら、いろいろな難題に受け身でジタバタするところが、芦田愛菜と鈴木福を相手にジタバタする阿部サダヲと似ていて。彼も、すごく怖い役を演じられるし、テンションの変わりようもおもしろい。

 

ペリー:私がぜひとも推したいのは星野源。映画『引っ越し大名!』(2019年)では困惑、困惑、また困惑の演技を見せて。トーク番組『おげんさんといっしょ』(2017~2025年、NHK)で見せた独特の存在感も、石立さんと通じると思うんです。ホームドラマに入り込んだ異物感こそが、石立さんのおもしろさで、『雑居時代』(1973年、日本テレビ系)や『パパと呼ばないで』がそうでした。星野源も『逃げるは恥だが役に立つ』(2016・2021年、TBS系)に登場したときの異物感がおもしろかったんです。ぜひ、エースコックさんには「お前はどこのわかめじゃ?」(かつて石立さんが出演していた「わかめラーメン」のCM)を、星野源バージョンでやってほしいです! 『おげんさん~』ではサザエさん風の髪型をしたりしていましたから、何のためらいもなくできるはず(笑)。

 

桧山:ほかに、若手を3人あげたいです。まずは仲野太賀。NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で主役を演じていますが、コメディもできる器用な人です。まだ未知数ですが、将来性を見込んで、新しい“令和の石立鉄男”に推します。

 

 もうひとりは皆川猿時。彼が出演する舞台を見に行くと、彼のテンションが本当に高くて、彼にしかできないようなところがあるんです。真似をしていたという柳沢慎吾の影響かもしれませんが、石立さんのマックステンションのときが似てるんですよ。放送中の『未解決の女』(テレビ朝日系)に出演していますが、皆川猿時が出てくるだけでおもしろい。愛すべきキャラな感じも、石立さんと共通です。

 

 最後のひとりは、大穴で前原瑞樹。『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(2025年、TBS系)での竹内涼真の後輩役や、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』(2026年)の借金取り役など、同一人物だとわからないぐらい、演技が巧み。あの伸びしろは、もはや石立鉄男です! しかも天然パーマ(笑)。

 

令和は“野呂佳代にハズレなし”
昭和は“石立鉄男にハズレなし”

 

――ここで2人に、石立さん出演のドラマ印象に残っている作品を聞いた。

 

ペリー:最近、再放送していた『雑居時代』は好きですね。先ほども話しましたが、ホームドラマでの異物感が石立さんのよさなので。大御所についている売れないカメラマンというキャラが、すごくおもしろかったです。

 

 あとは石立さんが主役ではないですが『噂の刑事トミーとマツ』(1979~1982年、TBS系)。松崎しげると国広富之がずっとワーワー騒いでいて、弱いはずの国広富之が、急に強くなったりする無茶苦茶な設定でした。石立さんはそんな2人の上司役で、松崎しげるから「モジャモジャ」と呼ばれていました(笑)。石立さんはそれまで、自分がメチャクチャな役をやってきたのに、今度はメチャクチャな2人の上司になったんだというのが、充実感があってよかったです。このドラマは大映制作なんですよ。奇抜な設定を引き受けてくれるという点で、石立さんは大映ドラマにとって貴重な存在でした。

 

 それから、『土曜ワイド劇場』(テレビ朝日系)内で放送されていた『三毛猫ホームズ』シリーズも印象的です。石立さんは刑事役で、女子大生で恋人役の坂口良子さんとコンビを組んで事件を解決していくんですが、ここでも“年の差カップル”を見せてくれました。

 

桧山:私は王道になりますが『おくさまは18歳』。このドラマで石立さんを知りましたし、石立さんの“振り回されキャラ”といいますか、ちょっとデレッとした感じもよかったです。さっき話に出てきた『夫婦別姓刑事』にも、みんなの前では夫婦であることを隠してクールに振る舞っているのに、2人になると距離が近づく、みたいなシーンが出てくるんですよね。そういう意味でも、いろいろなドラマに影響を与えた作品だと思います。

 

 あと、印象に残っているのは『パパと呼ばないで』。亡くなった姉の娘、杉田かおる演じる『チー坊』を引き取って育てる物語で、最初は戸惑いながらも、しだいに心を通わせていって、本当の親子以上の関係になるという、笑えて泣ける作品です。このドラマあたりから、いまで言う“野呂佳代にハズレなし”ではないですが、“石立鉄男にハズレなし”になって、みんな石立さんのドラマを見るようになったと思います。

 

 もうひとつ、どうしても上げたいのが『少女に何が起こったか』(1985年、TBS系)。ペリーさんも、石立さんが大映ドラマに欠かせない存在だとおっしゃってましたが、大映ドラマで久々にいいもの見たぞ! って思いました。小泉今日子の初主演連続ドラマで、石立さんは謎の刑事役。深夜0時になると、ピアノを弾くキョンキョンの前に現れて「うす汚ねえシンデレラ!」って罵倒するんです。この言葉が、耳から離れないくらい強烈でした(笑)。石立鉄男のインパクトをここで見たって感じです。

 

ペリー:没後20年とかでなく、没後19年の今、石立さんを思い出さずにいられない我々は本当に石立さんが好きなんだと改めてわかりました。こうして、いまでも石立さんを思い出すというのは、やっぱり唯一無二の俳優だったんだと思います。若いころの自分に、くさびを打ち込まれた感じですね。出ていた作品が、いちいち刺さってくる。なんなら、ここで名前の出た俳優さんで、ぜひともドラマ『石立鉄男物語』を作ってほしいです。いまだに「わかめラーメン」を見るたび、石立さんを思い出すファンは多いですから。

 

桧山:それについては、柳沢慎吾の功績が大きいかもしれません。石立さんのものまねをやり続けて、石立さんが亡くなったあとは「わかめラーメン」のCMを引き継ぎましたから。石立鉄男の名前は知らなくても、「お前はどこのわかめじゃ?」のセリフは、いまやゆうちゃみに受け継がれています(笑)。みんなに愛される存在で、ある意味、石立鉄男さんはテレビ界の寅さんだったのかもしれないですね。

 

※一部敬称略

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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