
7月に公開予定の映画『開戦前夜』
6月1日、映画『開戦前夜』が7月31日に公開されることが発表された。俳優の池松壮亮が主演を務める話題作だが、その公開を巡って賛否が巻き起こっている。
同作は、政治家でもある作家・猪瀬直樹氏の著書『昭和16年夏の敗戦』が原案。太平洋戦争開戦直前に実在した首相直属の機関「総力戦研究所」を描いており、2025年8月には、NHKスペシャルドラマ『シミュレーション〜昭和16年夏の敗戦〜』として放送され大きな反響を呼んだ。
「映画は、NHKスペシャルドラマ部分をベースに、シーンの追加や再構成した完全版との触れ込みです。池松さんをはじめ、仲野太賀さんなど豪華キャストが出演。エリートたちが葛藤しながらシミュレーションに挑む姿と、戦争へと突き進む当時の世の中が鮮明に描かれています」(映画誌ライター)
戦後80年の節目にオンエアされたドラマは、放送直後からSNSやメディアで大きな反響を呼んだ。待望の映画化となったものの、Xでは次のように疑問の声も並んでいる。
《コレ、遺族が訴えてるやつでしょ?》
《このドラマ訴訟まで起こされてたのに普通に映画化するんだ》
《これ遺族と揉めてたけど和解したんだろうか》
前出の映画誌ライターは、同作をめぐるこれまでの動きをこう振り返った。
「NHKドラマは、総力戦研究所メンバーの若手官僚らが日米戦争必敗のシミュレーション結果を出すものの、政府は聞き入れずに戦争に突入したというストーリーでした。
ただ、ドラマでは総力戦研究所の所長を務めた飯村穣氏について、若手官僚の自由な議論を阻害し、“日本敗北”という結論に至らないよう圧力をかけた人物として描かれたのです。しかし実際には、メンバーの自由な議論を後押しする人物だったという評価もあり、飯村穣氏の孫である元駐仏大使の飯村豊氏は『祖父が卑劣な人間に描かれていて愕然とした』とするなど、反発の声があがっていたのです」
その後、放送倫理・番組向上機構の放送倫理検証委員会でも脚色などを巡る議論が巻き起こった。この動きから、映画化や公開日も次々決定していく強行突破ぶりに疑問を呈する声も聞こえているのだ。
「昨年、同委員会は、『視聴者において誤解が生じることはないと考え、討議入りしない』と結論を発表しました。その理由として、テロップでフィクションであることを明示していることや、ドラマで描かれた人物像は実際とは異なっていたことをナレーションなどで説明していたことなどを挙げました。
しかし、2026年2月には、NHKを被告とした名誉毀損訴訟の第1回口頭弁論が東京地裁で開かれました。NHKや制作会社に550万円の損害賠償を求めるなど、状態は泥沼化。映画公開を素直に喜べない声があるのも無理はないと言えるかもしれません」(前出・映画誌ライター)
映画公開まで2カ月を切った。今後の動きから目が離せない。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







