若林正恭
オードリー・若林正恭による小説『青天(あおてん)』(文藝春秋)が、第175回直木賞の候補作となり話題を集めている。
『青天』は万年2回戦どまりの高校アメフト部が舞台の小説で、若林自身の経験にも重ねられる。アメフトを知らない人でも楽しめる青春小説として評判を呼んでいた。
「直木賞は、大衆小説に与えられる賞です。純文学を対象とする芥川賞とならび注目の文芸賞ですね。年に2回おこなわれ、今回は7月中旬に選考されます。芸能人の直木賞候補といえば、2020年、NEWSの加藤シゲアキさんが『オルタネート』でノミネートされ話題になっています」(スポーツ紙記者)
お笑い芸人の文学賞受賞では、2015年、ピース・又吉直樹が『火花』で芥川賞を受賞したのがよく知られるだろう。Xでは、
《若林さんが直木賞候補!? 又吉さんも芥川賞とったし、最近の芸人さんたちは凄いなー》
と、又吉にからめた声が聞かれる一方、冷めた意見も並ぶ。
《そんなに話題性ほしいなら芥川賞直木賞なんかやめて芸人専門賞を作るべきである》
《直木賞は文学を志す若手作家の重要な賞なんだから、もうすでにお笑い芸人として稼いでいるやつに与える必要はないだろ》
こうした声が聞かれる理由を、文芸編集者が指摘する。
「文学賞のおおまかな方向性として、芥川賞は新人作家に与えられることが多いのに対し、直木賞は経験を積み重ねてきたベテラン作家に与えられる傾向があります。
直木賞は、あくまでエンタメとしてどれほど魅力的か、という点が重視されますし、芥川賞よりも話題性を重視する傾向にあるとも言えるでしょう。若林さんが選ばれたのも、人気芸人という肩書を重視したのではないかと疑う人も出るでしょうね」
ただ、若林はこれまでもエッセイが話題になるなど実力が評価されてきた。
「2017年発行の『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(KADOKAWA)は、キューバへの一人旅について書き下ろしたエッセイです。こちらは、旅にかかわるすぐれた著作を表彰する『斎藤茂太賞』を受賞しています。若林さんの文才には定評があるので、今回小説という形で評価されたのも当然かもしれません」(同前)
又吉に続く芸人作家が誕生するのか、気になるところだ。
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