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『今夜、秘密のキッチンで』なぜか身を引く婚約者・瀧本美織が “聖人” すぎてドン引き…ご都合主義で不倫を正当化する罪深さよ【ネタバレあり】

芸能 記事投稿日:2026.06.19 16:30 最終更新日:2026.06.19 16:42

『今夜、秘密のキッチンで』なぜか身を引く婚約者・瀧本美織が “聖人” すぎてドン引き…ご都合主義で不倫を正当化する罪深さよ【ネタバレあり】

瀧本美織

 

 6月18日(木)に最終話(第11話)が放送された木南晴夏主演の『今夜、秘密のキッチンで』(フジテレビ系)。率直に言って、ご都合主義ときれいごとのオンパレードすぎて萎えてしまった。

 

 本稿では最終話の結末にふれているため、未視聴の方はご注意を。

 

■【ネタバレあり】あゆみとKeiが迎える結末は?

 

 大手飲食チェーンの社長(中村俊介)と結婚し、誰もがうらやむ幸せなセレブ生活を送っているかに見えたあゆみ(木南晴夏)は、実は夫の苛烈なモラハラに精神をすり減らす日々。

 

 ある日、自宅のキッチンに突然現れた謎のシェフ・Kei(高杉真宙)と出会う。当初、Keiは幽霊かと思われていたが、本物の彼は転落事故により意識不明となって入院しており、生霊だったことが判明。

 

 そんなKei、第5話ラストで意識を取り戻すことができ、物語後半は普通に生身の人間として登場するように。既婚者のあゆみと霊体ではなくなったKeiの恋愛が描かれたため、要するに不倫ドラマのようになっていた。

 

 迎えた最終話。あゆみとKeiを “善人” のまま引っつかせるための、都合のいい展開の目白押しだった。

 

 その前の第10話では、Keiがあゆみの夫の会社の産地偽装をテレビで告発。夫は会見を開き疑惑を全否定し、Keiを訴えると息巻いていた。けれど、最終話の夫はあゆみの説得で偽装を認め、自ら警察に。

 

 前回、あれだけ徹底抗戦の姿勢でヒールキャラに徹していたのにあっさり改心し、さらにすんなりあゆみと離婚もしてくれたのはご都合主義すぎる。

 

 また、Keiの転落はあゆみの義母が秘書に突き落とすよう指示していたという真相が明らかとなるが、同じくヒールキャラだった義母もわりとあっさり殺人未遂を認めていた。

 

 ちなみに、あゆみの夫には先妻との間に小3の娘がいる。当初はあゆみになかなか懐かなかったものの、あゆみが母親になる決意で一生懸命向き合ったことで心の距離が縮まっていき、本当の母娘のようになりそうだった。

 

 離婚によってこの娘はどうなるのかと心配していたが、家を出ていっていた先妻(実母)がいけしゃあしゃあと現れて、引き取ることに。ここもご都合主義に感じられた。

 

■この婚約者キャラを生み出した脚本家は罪深い

 

 なかでももっともご都合主義すぎたのが、Keiの婚約者(瀧本美織)があっさり身を引いたこと。

 

 婚約者は、Keiが意識不明の間も献身的に寄り添い、必死に転落の真相を突き止めようとしていた清廉潔白なキャラ。非の打ちどころも何の落ち度もない婚約者が、Keiとあゆみが想いあっていることを知り、婚約解消に応じてくれる。

 

 Keiとのラストシーンでも、罪悪感から顔が曇っているKeiに笑顔で接し、明るく元気にお別れしてくれる聖人っぷりには、もう逆にドン引き。

 

 尽くしてきた最愛の男性をあとから現れた既婚女性にかっさらわれそうになり、いさぎよく身を引く――。現実にこんな女性、いるだろうか。1000人に1人ぐらいはいるかもしれないが、そうそういないだろう。

 

 はっきり言って、この婚約者のキャラクターを生み出した脚本家は罪深い。倫理的におかしいあゆみとKeiの恋愛を正当化するため、Keiの婚約者を信じられないぐらいものわかりよく設定したとしか考えられず、不倫を助長しかねない。

 

■不倫カップルが結ばれる結末にするのなら、せめて

 

 あゆみは離婚し、Keiも婚約解消したものの、あゆみは自立するためにKeiと距離を置くことに。

 

 最終話ラストは2年後。あゆみは立ち上げたミールキット事業が軌道に乗り、Keiはオープンさせた自分のレストランが繁盛している様子。そしてあゆみがKeiの店に会いにいき、2年ぶりに再会した2人が笑顔で抱き合うというハッピーエンド。

 

 この最終話、あゆみとKeiを “悪人” にさせず、“善人” のままでカップル成立させるためのお膳立てに必死だったな、というのが正直な感想。

 

 不倫愛を成就させる結末が絶対にダメだとは思わないが、それならきれいごとを抜きにして、婚約者らを傷つけた罪を背負い、“悪人” になってでも愛を貫きとおすという主人公たちのエゴイズムを描いてほしかった。

 

 本作は《大人のファンタジック・ラブストーリー》を謳っていたが、悪い意味でのファンタジーだった気がしてならない。幽霊との恋愛というファンタジー要素ではなく、不倫カップルに都合のいい展開ばかり起こって、“善人” のままで愛が成就するという夢物語ということだ。

 

 いずれにせよ、強引な美談仕立てにうんざり。不倫カップルが結ばれる結末にするのなら、せめてもっと生々しくドロドロさせてほしかった。

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出典元: SmartFLASH

著者: 堺屋大地

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