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『田鎖ブラザーズ』骨太ドラマだと思っていたのに…結局、何がやりたかったの? 最終話で視聴者が抱いたモヤモヤの正体【ネタバレあり】

芸能 記事投稿日:2026.06.21 12:50 最終更新日:2026.06.21 12:51

『田鎖ブラザーズ』骨太ドラマだと思っていたのに…結局、何がやりたかったの? 最終話で視聴者が抱いたモヤモヤの正体【ネタバレあり】

岡田将生

 

 骨太な良質ドラマとして人気を博していた岡田将生と染谷将太がダブル主演する『田鎖ブラザーズ』(TBS系)。

 

 6月19日(金)放送の第10話で物語は幕を下ろしたが、その終わり方に賛否両論が巻き起こっている。

 

 時効が成立している31年前の両親殺害事件の犯人を追う兄弟が主人公。兄・田鎖真(岡田)は刑事、弟・田鎖稔(染谷)は検視官となり、管轄で起こる事件を警察官として捜査しつつ、両親を殺した真犯人を独自に探し続けている。

 

 ここからは最終話のネタバレありで解説するため、未視聴の方はご注意を。

 

■【ネタバレあり】復讐劇はどんな結末を迎えたか?

 

 第9話時点で、主人公兄弟の父親が働いていた工場の工場長が、兄弟のよき理解者だった中華料理店店主・茂木幸輝(山中崇)に両親殺害を指示していたことが明らかになっていたが、最終話で急転。

 

 結論を言うと、真犯人は兄弟と昔から親しかった身近な人物・足利晴子(井川遥)だった。

 

 31年前の両親殺害事件後に知り合い、兄弟が姉のように慕っていたのが晴子だったが、茂木が殺しに来る前に、実は彼女が盛った毒ですでに両親は亡くなっていたというのが真相だった。

 

 最終話終盤、真犯人が晴子だと確信した兄弟は彼女を港に呼び出して対峙。裁きを受ける覚悟で目を閉じる晴子の額に、兄・真が銃口を突き付ける。

 

 ただ、発砲シーンは拳銃のアップの映像となっており、晴子が撃たれたのかどうかがわからない演出となっていた。

 

 そこからいくつかのシーンが描かれたものの、結末が明示されるような描写は意図的に避けられており、最後は31年前の両親と大人になっている現在の兄弟が、4人で幸せそうに食卓を囲むシーンで終幕。

 

 晴子は真に撃たれて亡くなったのか、それとも兄弟に許されて生きているのか?

 

 兄弟は過去を乗り越えて新しい人生を歩み出したのか、それともラストの非現実的シーンは兄弟がこの世から去ったことを示唆していたのか?

 

 結末は視聴者それぞれの想像に委ねるという終わり方だった。

 

■「考察ミステリー」としてはマンネリすぎる真犯人

 

「結局このドラマは何がやりたかったの?」というのが筆者の正直な感想だった。

 

 本作には、真犯人は誰なのかを予想する「考察ミステリー」としての要素と、復讐心に駆られた主人公の心情を描く「ヒューマンドラマ」としての要素、2つの軸があった。

 

 ただ、最終話を観終えたいま感じるのは、両軸ともいまいちだったということ。「考察ミステリー」として考えると、真犯人はド定番中のド定番で驚きはほとんどなかった。

 

“親が殺された事件の真相を追う” というアウトラインは、これまでに類似のドラマが何作もあった。たとえばTBSの同枠にて放送された『流星の絆』(2008年)や『クジャクのダンス、誰が見た?』(2025年)と共通点が多い。

 

 そして、なによりこの類型のドラマは、“主人公に親身な昔なじみの人物” が真犯人というオチが多く、『田鎖ブラザーズ』はまさにそのパターンどおりだった。

 

 茂木にしろ晴子にしろ、考察好きのドラマファンなら第1話から真っ先に疑うポジションのキャラがそのまま犯人だったので、「考察ミステリー」としてはマンネリすぎて工夫が感じられず、“弱い” のである。

 

■曖昧なラストでモヤモヤが残る消化不良な最終話

 

 ただ、考察がおもしろくて最終話まで見届けたわけではなく、主人公兄弟が真犯人とどう決着をつけ、復讐劇の果てにどういった心境にたどりつくのかという、「ヒューマンドラマ」として視聴していた方々も多かったことだろう。

 

 しかし、前述したとおり、結末が曖昧にされ、さまざまな受け止め方ができる終わり方だったため、「ヒューマンドラマ」としても最後の最後で “放り投げだされた” と感じた視聴者が続出。

 

 結末がきちんと描かれたうえで、視聴者によってさまざまな解釈ができるというエンディングならばよかったのだろうが、結末自体にさまざまな解釈ができてしまうのはいただけない。

 

 さらに言うなら、ラストを曖昧にするのが斬新というわけでもなく、何十年も前からドラマ、アニメ、映画で使われている古典的手法。さんざんこすられてきたやり口なのだ。

 

 要するに、「考察ミステリー」としては真犯人がありきたりだし、「ヒューマンドラマ」としては放り投げだされた感があるしで、どちらの軸で見ても残念な最終話だったのである。

 

 真犯人がマンネリなパターンなら、「ヒューマンドラマ」として最後まで骨太に描いてちゃんと着地してもらいたかったし、ラストを曖昧にして投げ出すなら、「考察ミステリー」として衝撃の真犯人を用意して驚かせてほしかった。

 

 結局このドラマは何がやりたかったのかわからず、モヤモヤが残る消化不良な最終話だったと言わざるをえない。

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出典元: SmartFLASH

著者: 堺屋大地

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