
市ヶ谷フィッシュセンター(写真・共同通信)
東京・市ヶ谷にある釣り堀が、にわかに注目を集めている。
かつての江戸城の外濠の一部で、JR市ヶ谷駅のホームのすぐ下に見える「市ヶ谷フィッシュセンター」。ドラマや映画のロケ地としてもおなじみで、4月期に放送されて話題を呼んだ『銀河の一票』(フジテレビ系)にも、登場している。
「都心では数少ない釣り堀のひとつで、屋外の抜けの良さやプラスチックケースの椅子など、独特な雰囲気があることから、ドラマロケで重宝されています。『銀河の一票』では最終回のロケ地となっており、映画やドラマ、アニメのモチーフなどでもたびたび使われています」(芸能記者)
そんな都会のオアシスを「不法占拠」だと報じたのが、7月16日に配信された「朝日新聞」だ。記事には、釣り堀が不法占拠になった経緯や、経営者が取材に対し「こんな状態は私の代で終わらせたい」と語ったことなどが記されている。
Xではこれに対し、
《まさか不法占拠とは…》
といった、驚きの声があふれている状況だ。
「あの釣り堀が不法占拠であることは、一部では有名な話です。開業したのは1958年。当初は千代田区が営業許可を与え、使用料は東京都に払われていたのですが、1962年に事態は一転。東京五輪を2年後に控え、環境改善のため許可が出されなくなったのです。
しかし、その後も釣り堀は営業を続け、現在に至ります。千代田区では毎年、原状復帰を求める警告書を送っています。使用許可がないわけですから、使用料も受け取っていないということです」(社会部記者)
樋口高顕・千代田区長は7月16日、この記事を引用し、Xに投稿。
《これまでも取材にお答えしてきたのですが、外濠では4ヶ所、維持管理上、支障がある使用物件があります。区としては事業者に対して、直ちに建築物等の使用物件を撤去し、原状回復するよう警告書を繰り返し発出しています。区としては、事業者が警告書に則って速やかに対応すべきものと考えています》
と説明している。
また、「朝日新聞首都圏ニュースセンター」のXでは《外濠を「不法占拠」しているのは、チェーンの中華レストランが入るビル、カフェなど4事業者。その中で、唯一取材に応じてくれたのが市ヶ谷フィッシュセンターでした》としている。つまり、外濠の不法占拠は釣り堀だけではないということだ。
「国と東京都、そして区。どこが対応すべきなのか複雑な問題です。都議会や区議会では、たびたびこの不法占拠の件が取り上げられていますが、結論は出ず、ずっと放置されてきたのです。
2025年12月には、東京・浅草の伝法院通りで約50年にわたり公道を不法占拠してきた32店舗と台東区の和解が成立。立ち退きとなりました。また高田馬場駅前には戦後の混乱期に建てられた不法占有建物がありましたが、2025年に西武鉄道によって解体されています。
こういった件は、社会的には長らく黙認されてきましたが、すでにそういう時代ではないのです」(同前)
朝日新聞の記事によると、市ヶ谷の釣り堀の現在の経営者は、2025年1月に親族から引き継いだ44歳の男性。できれば使用許可をもらって、現状のまま続けたいという意思もあるようだ。
Xには
《市ヶ谷のあの場所の風景を保全してくれてると思えば、そのままでいいと思います》
と、「そのままでいい」との意見も散見される。
とはいえ、都会の一等地。いつまでもグレーな状態のままではいられないだろう。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







