反町隆史
鳴り物入りで、28年ぶりに復活した反町隆史主演の『GTO』(カンテレ・フジテレビ系)。7月20日(月)放送の第1話の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)は世帯6.4%・個人3.8%。
1998年放送の前作が全話平均で世帯28.5%を獲得していたことを考えると、寂しい数字なのは否めないが、ご時世的に考えればかつての4分の1以下でも及第点という見方もあった。
なにより、今回の第1話は見逃し配信の再生数が非常に好調。放送後1週間のTVer再生回数が369万回再生を突破し、当ドラマ枠の初回再生数として歴代最高を記録したという。
しかし、喜びもつかの間。7月27日(月)に放送された第2話が世帯4.8%・個人2.9%まで急落してしまったのだ。
見逃し配信で高い数値を叩き出していたことから、第2話で視聴率が伸びる可能性も十分あったが、初回の数値をキープできないどころか、世帯視聴率は4%台まで下落してしまったのである。今回はその原因を考えてみたい。
■初回は “お祭り” 感でブーストがかかっていた
まず大前提として、連続ドラマというジャンルは、第1話から第2話で視聴率が下がるのはよくあること。第2話以降も継続して視聴するか、それとも早々に脱落するかを決めるために、初回をお試しでチェックするドラマファンが多いからだ。
さらに言うと、反町版『GTO』は2年前にスペシャルドラマで復活していたとはいえ、伝説の作品が連ドラとして帰ってくるとあって、ドラマファンからすれば初回放送をリアルタイムで観るというのは一種の “お祭り” 感もあったに違いない。
また、反町の妻である松嶋菜々子は1998年版のヒロイン・冬月あずさを演じていたが、劇中の鬼塚と結婚しているあずさの登場も予告されていたため、二重の意味での夫婦共演という話題性もブースト効果になっていたはず。
初回はそういったプラスアルファの要素がいくつも盛られていたため、好調だったと考えるのが妥当だろう。第1話は28年ぶりの連ドラ『GTO』の “確認作業” という意味合いも強かったので、第2話の数字が現実的かつ適正な評価と言えるのかもしれない。
■語り草になっている1998年版の過激シーンとは
別の視点から分析すると、ストーリーや鬼塚のキャラクターが視聴率急落の原因という見方もある。
平成前期に放送されていた前作と令和のいまとでは時代が異なるため、かつてはハチャメチャに尖りまくっていた鬼塚が、なんだか丸くなってマイルドになってしまったとガッカリした視聴者が、離れていった可能性も否めない。
当時はとんでもなく破天荒だった鬼塚がパワーダウンしてしまっている、もしくは脚本家や演出家といった制作陣がヒヨッてしまっている。そんな理由でおもしろいと思えなかった視聴者がいてもおかしくないだろう。
たしかにそれも一理あると思うが、非常に難しい問題だとも感じるのだ。ここで、いまでも語り草になっている前作の過激シーンを振り返ってみたい。
1998年版の第1話。教師採用面接時に舞台となる高校を訪れていた鬼塚は、中尾彬演じる教頭が生徒をクズ呼ばわりしてたことにブチ切れる。次の瞬間、問答無用でローリングソバットを喰らわすというシーンがあった。
1998年版の第3話。鬼塚はイジメを止めるために、なぜか小栗旬演じるイジメられっ子をビルの屋上から、柵の外に向かって逆さ吊りにする。イジメられっ子が「助けて!」と泣き叫んでも無視。そして、その蛮行に驚くイジメっ子たちに向かって、「やるんだったらな、徹底的にやる! それが俺のポリシーだ」とキメ顔をする。もちろん、この荒療治がきっかけでイジメ問題が解決に向かい、めでたしめでたしとなっていた。
■当時の過激さが再現されたらドン引き
さて、ここからが本題。ぜひ、みなさん想像してみてほしい。
仮に2026年版の鬼塚が、いきなりローリングソバットを繰り出すという過剰な暴力行為や、生徒を屋上から逆さ吊りにするという常識外れの体罰など、1998年版と同レベルの過激ムーブをしたとしたら、ドン引きしてしまわないだろうか?「やっぱり破天荒でいいね!」「スカッとするね!」と好意的に受け止められるだろうか?
当然ながら、ドラマを視聴する我々の倫理観や価値観はアップデートされているため、90年代は笑って楽しめていた描写を、いまだと笑えずに引いてしまう人は多いだろう。
たしかに鬼塚の破天荒さはパワーダウンしているが、もし今作で当時の過激さをフルマックスで再現したとしたら、SNSなどが大荒れで炎上してしまうと思う。
おそらく我々視聴者は、当時の過激さを求めているようで求めていないのである。要するに、鬼塚がパワーダウンしたとしたら、その責任の一端は我々視聴者にもあるということだ。
2026年版『GTO』は、現代のドラマファンの感覚にきちんとアジャストできているものの、それが結果的に視聴率下落につながってしまっているという、難しいジレンマを抱えているのかもしれない。
今夜の第3話では、生徒同士の恋愛エピソードが描かれる模様。前作と比べてマイルドにせざるをえないこの時代で、『GTO』鬼塚がどんな新たな魅力を示せるのか、注目したい。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







