
ロケをする仲里依紗
初回でいきなりコケたまま浮上できずにいると捉えるか、多くはないが最初から固定ファンをしっかり掴んでいると捉えるか。
仲里依紗が主演で、のんと深川麻衣が共演する恋愛ヒューマンドラマ『Tokyo middle 30』(フジテレビ系)。8月12日(水)に第4話まで放送されているが、視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は低い数値で推移している。
第1話から第4話まで世帯視聴率は3.2%、2.4%、2.8%、2.8%、個人視聴率は1.5%、1.2%、1.6%、1.5%。微差ではあるものの、細かく見ていくと第2話で記録した最低値から第3、4話で多少盛り返している状態だ。
筆者の個人的な感想としても、初回は観ているこっちが恥ずかしくなる「共感性羞恥」がとことん刺激されてしまい、第2話を視聴するのはあまり気乗りしなかった。だが、回を重ねるごとに「悪くない」「まぁまぁおもしろい」という印象に変わってきている。
■東京で生きる35歳・女3人の物語
約20年前、地方の小さな都市にある高校で出会い、「ズッ友」を誓い合う親友になった麻紀(仲)、遥(のん)、薫子(深川)。それぞれ夢を叶えるために上京した3人は、35歳になったいまも東京で暮らしているが、現状にモヤモヤした悩みを抱いている。
麻紀はバリキャリとして東京で活躍するという夢を叶えていたが、思いがけぬ妊娠が発覚して、現在は5歳児の母として専業主婦に。ただ、息子が発達障害と診断されたり、自分の仕事のキャリアをあきらめきれなかったりと、苦悩する日々を送る。
遥はミュージシャンを目指していたが夢破れ、現在はアパレルショップの店長として働き、恋人もいない。孤独な人生にうっすら絶望していたところ、ハイスペの年上イケメンと出会い、新たな恋の予感に胸おどらせている。
薫子は大学卒業後、すぐに結婚・出産したいと夢見ていたが、それは叶わず小学校教師を続けていた。だが、4年も同棲していた彼氏との子を妊娠したことが発覚。煮え切らない彼にいら立ちながらも、紆余曲折を経て結婚することに。
■中盤回のポジティブ展開は逆に不穏
第4話は、3人ともわりと苦難を乗り越えたあとのポジティブなストーリーとなっていた。
麻紀は、息子が発達障害という事実を受け入れ、療育施設の見学に足を運ぶ。また、バリキャリ時代の先輩から一緒に仕事をしないかと誘われ、前向きな気持ちになっていた。
遥は、ハイスペイケメンに旅行に誘われたことを麻紀と薫子に報告すると、遊ばれているだけだとか詐欺に遭うに違いないとか、さんざんな言われよう。けれど、実際、そのイケメンは下心がなく真面目な “いいヤツ” だとわかり、遥はますます惹かれていく。
薫子は、懐石料理店での両家顔合わせを無事に終え、彼氏と2人で役所に婚姻届も提出。晴れて夫婦になり、彼の気遣いに感動したりやさしい一面を再認識したりと、幸せの絶頂にいた。
……しかし、中盤回でこんなに順調でポジティブな描写が多いのは、裏を返せば、嵐の前の静けさなのは言わずもがなだ。実際、第4話ラストで薫子が流産したことが示唆され、第5話の予告映像では麻紀の夫の不倫展開が匂わされていた。
誤解を恐れずに言えば、恋愛ドラマや家族ドラマにおいて流産や不倫はド定番の “愛憎入り乱れ系” トラブルなので、ショッキングというわけではないし、安易な展開になりかねないという懸念は拭えない。はたして、主人公たちが直面した陰鬱な問題が吉と出るか凶と出るか。
■先が読みづらいのは、のんの “遥パート”
唯一、いい意味でこの先の展開が読みづらいのはハイスペイケメンとの恋愛が順調そうな、のんの “遥パート”。
まず、麻紀と薫子が、3人の飲み会で遊び目的や詐欺目的なんじゃないかと心配していたことで、逆にそれらの可能性がほぼ消えたことになる。ドラマのセオリーとして、こういった流れで登場人物が予見していたことが言い当てられるケースはほぼないからだ。
第4話で描かれたハイスペイケメンの “いいヤツ” ムーブに裏があるとも思えないので、このキャラクターが不誠実なクズ野郎というルートはないと考えていいだろう。
とはいえ、現時点で物語終盤ならこのまま結ばれてハッピーエンドになりそうなものだが、残念ながら中盤なので、遥パートもまだまだ波乱があるはず。
しかし、ハイスペイケメンが “いいヤツ” 確定していると考えると、どんなトラブルが待ち構えているのか読みづらいのである。
彼と両想いになって交際開始するも、家柄などを気にして両親が猛反対するような展開になるのか、それともミュージシャンへの夢が再燃して遥のほうから振る展開になるのか――。
いずれにしても、このドラマがさらにおもしろくなるかどうかは、のん演じる遥パートのストーリーの伸びしろにかかっているように思う。
今夜の放送は第5話。初回で落胆して視聴をやめてしまった人も少なくないだろうが、意外とおもしろくなってきているので、この記事を読んで興味が沸いた方々は “復帰” してもいいのでは。
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