
布施博(画像・布施博オフィシャルサイト「www.fuse-hiroshi.com」より)
8月4日、俳優の布施博が代表を務める芸能プロダクション「馬力屋」が、東京地裁立川支部から破産開始決定を受けたことを、東京商工リサーチが報じた。1990年に設立された同社は、36年にわたる歴史に幕を閉じることとなった。
「布施さんは、1980年代から90年代にかけて、『君が嘘をついた』(フジテレビ系)や『ずっとあなたが好きだった』(TBS系)などのトレンディドラマに出演し、一気にブレイクしました。バラエティ番組では、1997年から番組終了時の2007年まで『伊東家の食卓』(日本テレビ系)にレギュラー出演するなど、幅広い活躍を見せてきました。
そんな布施さんが1990年に設立したのが『馬力屋』です。布施さんの知名度を生かした事務所だっただけに、本人の仕事が減少すれば、経営にも直接、影響が出てきます」(芸能プロ関係者)
もっとも、これは布施だけの問題ではない。芸能事務所の経営環境は厳しさを増している。
「芸能事務所は、タレントを発掘・育成し、マネジメントや仕事のあっせんによって収益を得るビジネスモデルです。そのため、所属タレントが売れるかどうかだけでなく、独立や移籍によって人材が流出するリスクもつねに抱えています。2025年度の芸能事務所の倒産は26件に上り、過去10年間で最多を更新しました」
そう語るのは、企業信用調査をおこなう東京商工リサーチの本間浩介氏だ。
「近年は、SNSや動画配信サービスの普及によって、タレントが事務所に頼らず、自ら仕事を獲得したり、ファンを増やしたりすることが可能になりました。テレビを中心とした従来型の芸能ビジネスから、タレント自身が発信する時代へと変化し、事務所とタレントの力関係も変わっています」
さらに2025年9月には、公正取引委員会が、タレントと芸能事務所との取引を適正化する指針を公表。契約内容の明確化や書面化に加え、タレントの独立・移籍を不当に妨げないことなどを求めている。
「芸能事務所側にも、契約の透明化やコンプライアンスの強化がこれまで以上に求められています。一方で、大手と違って小規模な事務所には、こうした対応にかかるコストも重くのしかかります。所属タレントの露出が減り、売り上げが落ち込むなかで、経営を維持することは容易ではありません」(本間氏)
時代の変化ということか……。
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