
遊園地でロケをする坂口健太郎
《原発事故のあった福島を舞台に映画を作る。同じ東北地方出身の自分にとっても意義のあるプロジェクトである》
名作『Love Letter』を手がけた岩井俊二監督は5月、原発の除染ビジネスなどを描いた社会派小説『藻屑蟹』の映画化に際し、こうコメントした。岩井氏はこの作品で、プロデュースと脚本を務めるという。
「岩井さんも監督も非常に力の入った作品でした。実は、主演には坂口健太郎さんがキャスティングされており、8月下旬にも撮影に入ろうか、という段階だったんです」(映画関係者)
だが現在、この作品には重大な問題が発生しているという。クランクインを1週間前に控えた8月中旬、制作陣を震撼させる連絡が各所に届いたのだ。
「制作プロダクションから映画の関係者に、『撮影見合わせについて』とのメールが届いたんです。そこには、映画撮影を『一度仕切り直す』という旨の内容が書かれていました。そうはいってもスケジュールは未定。事実上の“お蔵入り”だと、関係者らは皆思っていますよ」(同前)
岩井氏が携わり、坂口ら人気俳優が主演する一大プロジェクトにもかかわらず、なぜこのような悲しい結末となったのか。制作関係者は、肩を落としてこう語る。
「実は、照明や音響などのスタッフが揃わなかったそうです。当然、こうした技術スタッフは、通常はクランクインの半年前には揃っているもの。その不備が撮影開始の直前に露呈したとすれば、前代未聞です」
通常、技術スタッフらの調整は制作会社がおこなうものだという。実際、関係者にまかれたメールには、制作会社からの謝罪の言葉もあったというが……。
「『藻屑蟹』の制作会社は人気漫画原作の映画なども担当し、決して小さくはない会社です。これまでの実績も申し分ない。ただ、比較的新しい会社だったため、不安に思っていたスタッフも多少はいました。でもまさか、こんな形になってしまうとは……」(前出・制作関係者)
同制作会社に、「技術スタッフが揃えられず映画制作が中止になったこと」について本誌は質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。
撮影のために長期的なスケジュールを空けていたという俳優陣。今回の制作中断がもたらした“穴”は、金だけで解決できるものではなさそうだ。
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