
川口春奈
8月24日、厚生労働省が、女優の川口春奈が主演を務める映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』(以下、『ママせか』)とのタイアップを中止することを発表した。がん患者に向けたポスターを発表したばかりだったが、撤回に追い込まれ、波紋を呼んでいる。
同作は、ステージIVの大腸がんの宣告を受けた遠藤和さんがつづった、ベストセラー手記『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が原作。命をかけて出産し、亡くなる直前まで子どもへの愛情と日常をつづった主人公を川口が演じ、10月2日に公開することが決まっている。
8月19日、厚労省の公式Xが作品とのタイアップを発表したのだが……。
「AYA世代(15~39歳)のがん患者に知ってほしい支援制度やサービスについてまとめたパンフレットの周知を目的として実施しました。がん患者に向けた啓発ポスターで、各都道府県のがん分野の関係団体などに掲出することを告知していたのです。
ポスターには、作品名である『ママがもうこの世界にいなくても』という、母親が亡くなっていることを伝える文言が記されていましたが、命をかけて闘病するがん患者にとって、自身の死を連想させる苦痛な表現になるのではないかとして、SNSで物議を醸しました」(スポーツ紙記者)
こうした批判を受けて、厚労省は24日のXで《がんと向き合っておられる患者の皆様やご家族等の皆様に不快な思いやご心配をおかけしたことを、心よりお詫び申し上げます。また、タイアップポスターの病院等への掲示や、タイアップにより制度周知を行うことなどについて、当事者の皆様への配慮に欠けておりました》と謝罪。タイアップを中止し、送付したポスターも回収して、掲出を中止することを発表した。
“がん啓発ポスター” がわずか5日で中止になる混乱に見舞われたが、Xでは
《ぱっと見で、1ミリ秒でアカンとわかるタイアップだった 世に出る前に誰か止めなかったのか》
《無神経すぎる》
《ガンと闘ってる患者さんやその家族が目にしたらどうなるか想像できんのやろか》
など、今回の企画そのものに厳しい声があがっている。
「『ママせか』は、2020年にバラエティ番組『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!』(日本テレビ系)で紹介されて反響を呼び、映画版は主人公を川口さん、夫役を高杉真宙さんが演じるとあって、期待する意見が多かったんです。
ただ、厚生労働省が作品とコラボし、ポスターをがん患者やその家族の目に触れる医療機関への掲出を予定していたことに、違和感を持たれたようです。今後、映画の告知も兼ねたイベントが増える時期ですが、今回の騒動で水を差す事態になったのは間違いないでしょう」(芸能記者)
過去にも、タレントを起用した厚生労働省の啓発ポスターが思わぬ波紋を起こしたケースがあったという。
「2019年にお笑い芸人の小籔千豊さんを起用し、終末期に受ける医療やケアを事前に家族や医師と話し合っておくよう啓発する『人生会議』のポスターを発表しました。
ポスターには、病院のベッドに横たわり、チューブにつながれた小籔さんが《大事なこと何にも伝えてなかったわ》など、家族との話し合いが不足していたことを嘆く様子をコミカルに伝えていましたが、この内容が “不謹慎ネタ” としてSNSで炎上。
患者団体から抗議を受け、告知から1日でポスターの配布が中止になったのです。今回の川口さん然り、厚労省は話題の作品やタレントとコラボするものの、細かい配慮をめぐって裏目に出る事態になっています」(同)
『ママせか』とのコラボ中止を受け、厚生労働省はXで《今後は様々な立場の方々への配慮を徹底し、このような事態が発生しないよう努めてまいります》とつづっている。多くの人に共感される取り組みを期待したいところだ。
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