
石崎ひゅーい
カバーソングを歌わせていただくとき、テレビやラジオから流れてくるメロディを聴いて「わたしも歌ってみたい」という歌もあれば、「ぜひ、この曲を!」と、スタッフが挙げてくれる歌もあります。
カバーアルバム『想いびと』のラストを飾る石崎ひゅーいさんの『花瓶の花』は、「絶対に冬美さんが歌ったら素敵だと思います」というプロデューサーの熱いひと言がきっかけでした。
それまでひゅーいさんといえば、菅田将暉さんに楽曲を提供した『さよならエレジー』『いいんだよ、きっと』『虹』の印象が強く、正直 “わたしが歌えるかな!?” という気持ちのほうが強かったのを覚えています。
そんなワケですから、「とにかく聴いてみてください」というプロデューサーの言葉にも、 “そんなに?” “どれ、どれ?” という気持ちのほうが勝っていました。
ところがです。MDに落としてもらった歌を聴いた瞬間、わたしの心は激しく震えていました。もう、感動の嵐です。
何百年も、何千年も、何万年も、ただ一人の人を探し求め、遂に見つけた最愛の人……。
わたし自身は、結婚ではなく歌を取る人生を歩んできましたが、もしも、こんな恋をしていたら……。もしも、そう思える人と出逢っていたら、わたしの人生も今とは違ったものになっていたかもしれない……。
まるで、わたしの大好きな韓流ドラマのような、せつなくて深い愛を歌った、至高のラブソングです。
1987年に『あばれ太鼓』でデビューさせていただき、40周年という大きな節目を迎えた今年、アニバーサリーイヤー第1弾としてリリースさせていただいたのは、シンガー・ソングライターの川村結花さんが書き下ろしてくださった『遠い昔の恋の歌』でした。
続く第2弾ーー。
大切な人との別れをテーマに、ひゅーいさんに作っていただいたのが、9月9日に発売させていただく、時空を超えて届く魂の抱擁と祈りの物語『ひらり』です。
父、母、弟……。遠い空に逝ってしまった大切な人たちが蝶に姿を変え、そっと見守り、寄り添ってくれる…。ぜひ、ひゅーいさんに、どーしてもひゅーいさんに、何がなんでもひゅーいさんにお願いしたい……。そんなわたしの想いが届いた、宝物のような一曲です。
ひゅーいさんの世界観で、ちょっとだけこっち(演歌の世界)に近い感じもあって、でもこれまでとは違う、新しい坂本冬美がいる。そんな一曲になっています。
この『ひらり』も、カップリング曲『ほたる火』も、カバーさせていただいた『花瓶の花』も、想いを乗せすぎるとちょっと重くなってしまうので、カラオケで歌ってくださる際は肩の力を抜いて、俯瞰して歌ってほしいという思いはあるのですが、でも好きに歌ってください。
音を外そうが、歌詞を間違えようが、そんなことは瑣末なことです。ロックでもない、演歌でもない、心に響くメロディに半分酔いしれながら、あなた自身の歌として歌っていただければそれが最高です。
ひとつだけ、まだひゅーいさんご本人にはお伝えしていませんが、かなうならば、坂本冬美に書いてくださった『ひらり』を、ひゅーいさんの声でセルフカバーしていただけたら、もうこれ以上の幸せはありません。誰よりもこのわたしが聴いてみたい。ひゅーいさん、よろしくお願いします!
さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、40周年記念シングル『遠い昔の恋の歌』が好評発売中!
写真・中村 功
取材&文・工藤 晋
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







