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『Tシャツが乾くまで』が「気持ち悪いドラマ」となった最大の理由…“蒼井優バツ4設定” なんか目じゃないほどの「嫌悪感の正体」とは?【ネタバレあり】

芸能 記事投稿日:2026.09.12 15:45 最終更新日:2026.09.12 16:21

『Tシャツが乾くまで』が「気持ち悪いドラマ」となった最大の理由…“蒼井優バツ4設定” なんか目じゃないほどの「嫌悪感の正体」とは?【ネタバレあり】

デニムにブルーのシャツを着こなす蒼井優

 

 毎回毎回、衝撃展開の連続で視聴者を引きつけていた蒼井優主演の金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』(TBS系)。TVerなどの配信再生数で大ヒットしていた本作が、9月11日(金)に最終話(第10話)を迎えた。

 

 最終話を観終えてこのドラマ全体を俯瞰すると、筆者はどうしても “気持ち悪さ” を感じずにはいられなかった。

 

■【ネタバレあり】主人公が選んだ結末は?

 

『Tシャツが乾くまで』は2組の夫婦を中心としたストーリー。

 

 夫・瀬尾充(松山ケンイチ)と仲睦まじく2人暮らしをしていた瀬尾咲子(蒼井優)。一方、園田樹生(中島歩)は妻・園田あずさ(夏帆)と幼い息子とともに幸せな家庭を築いていた。

 

 しかし、第1話中盤で高速バスの転落事故が発生。乗車していたあずさは帰らぬ人となり、同じバスに乗っていた充は行方不明に。物語前半は充とあずさの不倫疑惑に焦点を当てたシリアスなストーリーが展開された。

 

 充は物語が1年後となっていた第5話ラストで突然帰宅。実は彼には昔から失踪癖があったことが明かされ、第8話では、今度は咲子のほうが失踪。さらに第9話では、実は咲子はバツ4(4度の離婚歴)だったという、とんでもない過去を隠していたことが発覚。

 

 咲子と充はいったん和解し、再び夫婦として生活をともにすることに。だが、居心地の悪さを覚えた咲子が別れを切り出すシーンで第9話は幕を下ろしていた。

 

 さて、ここで最終話のネタバレ。

 

 咲子から離婚を切り出された充は、別れたくないと駄々をこねて抵抗していたが、けっきょく受け入れて離婚することに。その後、樹生と恋仲になるのか、それとも充と元サヤに戻るのかと、咲子の動向に注目が集まったが、けっきょく咲子は誰も選ばず一人で生きていくことを選択する。

 

 最終話前まで衝撃展開を次々と投下し、賛否両論を巻き起こしてきたが、最終話は意外と凪(なぎ)状態で淡々と終った感があった。

 

■第8話以降にコメディタッチのシーン激増

 

 ここから、このドラマに対して個人的に抱いた “気持ち悪さ” について言及していきたい。先に言っておくと、咲子のバツ4や充の失踪癖に対してではない。そのトンデモ設定には驚かされたが、嫌悪感を抱くほどではなかった。

 

 では、なにが気持ち悪かったかというと、あずさ死亡という凄惨な出来事が物語の土台としてあるにもかかわらず、後半で急におちゃらけたコメディ調の脚本&演出が増えたことだ。

 

 あからさまにコメディタッチのシーンが増えたのは、咲子が失踪した第8話以降。たとえば、充が咲子のことを知るために主要登場人物を一堂に集めるという、犯人捜しミステリーをパロディしたようなエピソードがあり、コミカルな会話劇が展開された。

 

 また、裏で咲子と連絡を取り合っていた女性先輩が咲子とビデオ通話するシーンでは、充が咲子の顔を見ようと詰め寄り、一方、充の顔をスマホに映さないよう女性先輩がかわそうとするため、その場で2人はくるくる回転。ここではご丁寧にコミカルなBGMも流れていた。

 

 咲子が充に離婚歴を明かしていくシーンでは、2度め、3度め、4度めの結婚・離婚の事実を知るたびに驚いて動揺する充の顔芸がコメディタッチで描かれる。最終話でも、充が離婚を拒み駄々をこねるというコミカルな夫婦の掛けあいがあったり、樹生が咲子のバツ4を強烈にイジるシーンがあったりと、やはり前半までのシリアスな演出とのギャップが大きかった。

 

■夫婦げんかコメディを見せられる気持ち悪さ

 

 主要キャラの死亡、行方不明、不倫疑惑によってミステリアスかつシリアスに進んでいった物語前半と比べると、まるで別のドラマを観させられているような感覚さえあった。ただ、一応断わっておくと、前半と後半で雰囲気が激変したこと自体にもやもやしたわけではない。途中でテイストをがらりと変えるという構成のドラマや映画は少なくなく、それ自体は一つの手法として確立されているからだ。

 

 先に述べたとおり、気持ち悪さの根源は、重要キャラの死という痛切な悲劇を前提にしていながら、平気でコミカルな脚本・演出に路線変更したことにある。もちろん、所詮は架空の人物だから、哀悼の意を表さないといけないなんて決まりはない。とはいえ、あずさが亡くなった原因の一端は間違いなく充にあったし、まだ悲しみのトンネルから抜け出せていないであろう樹生と幼い息子がいるのだ。

 

 そんな状態でコメディ路線に舵を切って、夫婦げんかをおもしろおかしく描くという制作陣の神経は、自分には理解しがたかった。

 

 仮に、実はあずさが生きていて明るく元気に再登場したのであれば、シリアス展開と打って変わってコメディ展開になったとしても気持ち悪さはなかっただろう。けれど、樹生と息子はもう二度と最愛のあずさに会えないのである。

 

 そんな悲痛な背景がある物語で、夫婦げんかコメディを見せられるのは、やはりけっこう気持ちが悪かった。

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出典元: SmartFLASH

著者: 堺屋大地

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